2018年11月01日

CEDRAM

CENTRO DRAMATICO DE MICHOACAN

通称”CEDRAM”は、ラサロ・カルデナスというメキシコの歴史上、とても人気のある大統領の別荘だったそうです。

いまは文化芸術の施設です。日本でいえば大名のお屋敷が庭園として生まれかわるみたいなものか。

広大な敷地の中に劇場とどでかいスタジオがあります。CEDRAMのコンセプトはリサイクルらしくすべて一度舞台で使ったセットで作られています。

でかいスタジオは、前衛的で宗教的なお芝居の教会のセットと舞台美術で出来ています。

一回り小さいスタジオがもうひとつと、劇場の隣に舞台美術の作業場があります。

国立劇場の衣裳の保管場所だという、あらゆる衣裳がズラーっと並んだ壮大な衣裳倉庫もあります。

そして、移動式のステージトラックが2台にスクールバスが2台あります。

レジデンス施設も充実してて1人部屋が10室に2人部屋が10室、家族で泊まれるような部屋が何室かあるようです。

緑にあふれていて、朝ライムを収穫してそのまま朝食に使います。イチジクやマカダミアナッツなんかもなってます。ので頂きます。

羨ましいですが、いまは文化予算が削られて大変なようです。

これは、どこでも同じか。

文化芸術なんてものは無用なものと考えられて隅に追いやられてしまう。けれど、人が生きていく上で本当に大切なことは何なのか?

ボスのマエストロ・チャマコのオフィスは、大統領の元執務室でこれまた羨ましい。

一階が食堂になっていてそこで朝9時に朝食を食べて、16時にランチというかディナーというかを頂きます。

そんなCEDRAMに今日から、川口隆夫さんと井上裕二 a.k.a Dillが合流、月曜日の本番を目指します。

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元大統領の執務室でいまは、マエストロ・チャマコのオフィス。
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2018年11月02日

死者の日

昨日と今日はメキシコの“死者の日”です。

ここメキシコでは、“死さま”というような敬いかたをするそうです。お墓を掃除して死者を敬って盛大にお祭りする。日本でいうとお盆みたいな感じなのか。

しかしそこはラテン系、一晩中大騒ぎしてます。

ここパツクアロは町の名前が”死者”というような意味で、死者の日の中心地なのでメキシコ中から人がどんどん集まってきています。

露店が沢山出てネオンが光り輝き盛り上がります。

夜中に花火なんて当たり前。パトカーに救急車、消防車が一晩中走り回っています。

とにかく一番でかい音は電車の警笛です。踏切がないので車が横切ったら一巻の終わり。

そうならないように「近づいてるぞー!!!!!」とものすごく遠くから、力一杯警笛を鳴らし続けます。

だんだん近づいて来て、しまいには爆音になります。稽古も中断、話し声がまったく聞こえなくなります。

人生で二番目にでかい音かもしれません。一番はミシガンの踏切で聞いたこれも電車の警笛の音。

アメリカミシガン州に二ヶ月滞在しての作品制作中。

最初、言葉が通じなくて落ち込んでいたのだけど、あの耳をつんざく信じられないほどでかい音を聞いたら、思わず叫び出してて励まされたような気持ちになって元気が出たのを覚えています。

それはさておき。死者の国の死者の町で、死者の日に死者のお話の制作をする。

でも厳かとか静粛にとかとは違う、いろいろな弔い方があっていいのです。とらわれず決めつけず柔らかく行こう。

今日から後乗りの二人も合流、出演者が揃って劇場に入ります。

舞台美術を仕込んで照明を仕込んで、頭からシーンシーンで諸々の確認をしながら稽古を進めていきます。

「よろしくお願いします。頑張ろう!!」

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第二スタジオにて床にはる舞台美術、(by 杉山至)をみんなで制作中。
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2018年11月03日

1997年1月9日

チームSの稽古を見る。

狙いはわかるし、好きな世界もよくわかるが、この人たちのやっていることに何か意味はあるのか?これをやることに意味はあるのか?

”やおい”という言葉がある。

「山なしオチなし意味なし。」ということをあらわす言葉だが、やおいでもいいのか?問題意識や危機感は彼らにはないのだろうか?

だらだらとした格好だけの世界に誠意は感じられるのか?舞台を創ることの面白さ、作品を創る意味、踊りを創ることの必然性は?

「自分が知らないということをこそ知る。」だからこそ問いかけてみる。わかっているから問いかけるのではなく、わからないからこそ問いかけてみる。

「一つの問いかけは、千の答えよりも多くの起爆剤を含んでいる。」

要するに疑うということ。「本当か?本当にそうなのか?」大切なのは問題意識。

シリアスな表現をしようとすると、もとになっている感情も同じだし結果もシリアス・悲劇になる。簡単で当たりまえだし想像のできる範疇でつまらない。

逆にこれを笑い飛ばして、アイロニカルやギャグやパロディーとして創る。

そのほうがよっぽど強度を持ったものとして立ちあらわれて来るのだ。同じことをより強く表現できることもあるのです。

悲劇も喜劇もどちらもあるのがこの世界。

死神が皆んなを踊らせようと それぞれの手をとらせ 長い列をつくらせて 先頭には大鎌と砂時計を持つ死神が立ち 竪琴を持った道化が最後尾

重々しく踊りつつ 夜明けの空から 踊りをつづけながら 暗闇の国へと向かう 雨が彼らの顔に降りそそぎ 彼らの頰から 苦難の涙を洗う

舞踏の日本的・民族的・土着的で具体的なディテールを取り払い、輪郭をはっきりさせることによってインターナショナリティ・普遍性を獲得しようと考えた。八紘一宇・アメノシタヒトツイエ作戦の成功?

舞踏にとっての絶対条件だった表層や細かなディテールを取り払った結果、からだはただの表層になってしまった。

身体性や物質性が薄く、どこにも存在しない単なる記号になってしまったのだ。

何を言うとるねん?1997年1月9日の俺。(そうかな結構いいことを書いてるぞ。2019.04/25)

さて、今日はいつものように9時から朝食を食べて10時に劇場入り、アップをして頭からダンサー、照明、音を合わせて全体を創っていきます。

16時まで6時間、集中していくぞ〜
٩( ᐛ )و

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先頭は”カタリーナ”。死者をあの世へと導いていく。
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2018年11月04日

スペイン語

『ふたつの太陽』は少し台詞やナレーションがあります。

最初は、この場が1945年8月6日の広島なのだ。とわからせるために皆んな日本語を喋ります。

メキシコのダンサーが苦労して覚えていました。たどたどしく喋るのがいいなあ。なんて思っていたら自分がいざスペイン語を覚える段になるとさあ困った。

あした本番だというのにまだ入っていません。

“Soy Kumotaro Mukai. Pero mi nombre real es Kenji Kidani. Tengo 51 ahos・・・えーと・・・

音楽家のDillに今回は音響もやってもらうので、ドーニャ・ルルーのナレーションを録音してもらいました。スペイン語です。

旦那さんも役者さんだというので、初演に江戸川萬時が担当していたナレーションを喋ってもらいそれも録音。楽しみです。

色んな人の協力を得ながら作品を創っています。

人手不足なので一人何役もこなします。きついこともありますがそれも楽しんでいこう。

海外で作品を公演するというのは本当に大変なことです。やっぱり時間と労力とお金がかかります。

これが大駱駝艦の本体を呼ぶなんてことになったら、受け入れ側は一苦労だろうなあ。

独立して活動しているからこそわかる苦労。独立していないとわからない麿さんの偉大さ。です。

最近、ここパツクアロは雨が続いて寒いです。

劇場が石造りなのでこれまた冷えます。裸になるのでからだが冷えないようにして、怪我だけは気をつけないと。

とか思うけれど肉離れするときはするし、奈落に落ちるときは落ちてしまうのだ。思い切っていこう。

今日は、昨日できなかった止め通しです。

音楽と明かりと踊りや字幕、ナレーションを合わせて調整して最高の状態に仕上げて行きます。スタッフもダンサーも優秀なので大丈夫だ。

あとは自分のソロとラストか。

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スペイン語のナレーションについて打ち合わせ中のDillと咲。
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2018年11月05日

さて

昨日は、朝から明かりづくりでした。

同時に音のチェックもするのでたいへんです。目が回ります。

ナレーションに合わせてうごきもチェック。しかしスペイン語なので、いまなんと言っているのかわからないからこれもたいへんです。

踊りのほうは長い時間をかけて創ってきているので安心。

あと入りの隆夫さんの演出も同時につけていきます。遊び心に満ち溢れ、存在感抜群の肉体を持っているのですぐに決まります。よし。

初演の時に師匠の麿赤兒から頂いた、幾つかのアイデアを現実化させます。

客入れでカーテンの向こうで本を読む少女”しず”。そこに不気味に近づく黒い影”隆夫”。

真っ白な太陽を横切って、カーテンの中にゆっくりと忍び込んでいく黒い影。

初演の時はここで暗転にしたのですが、麿さんに「あれは勿体ない。あそこからの展開が観たいんだよ。」との感想をもらったのでそのあとを創ります。

忍び寄る影に気づく少女。ゆっくりと椅子から立ち上がり後ろへと下がっていく。

ゆっくりと近づく影。逃げる少女。でも興味もある。

「なんなんだろう?」すこうし近づいてみる。「逃げないと危ないぞ。」

あとは、エンディングです。

原子爆弾”リトルボーイ”の模型を斎藤栄治に作ってもらったのですが、初演ではマッドサイエンティストと木谷真一でラグビーみたくキャッチボールをしたりしていました。

後日、大駱駝艦の事務所に行って色々な感想やダメ出しを聞いたのですが麿さんに「あれ、お前観客に渡したらいいんじゃねえか。」と言われてなるほど!

原爆を渡された観客は、困ってしまいます。

人類の未来を手渡されたようなものですから。

模型ですが単純にそんなもの渡されても困ります。持ってるしかない。のか。誰かにまた手渡してしまえばいいのかもしれない。

本当か?本当にそうなのか?人類が創りだしてしまった怪物”核兵器”。

それが爆発したら皆んな死んでしまうんですよ。

なのに「核の抑止力なんです。」とか仰ってる舌足らずな宰相もいますが、矛盾に満ちた人間というものの姿の象徴だと言っても過言ではないと思います。

それはさておき・・・ん?おいといていいのか?まあいいか。死ぬ時は死ぬんだし。仕方ない。

今日は、朝から新しく参加してもらうスタッフへの申し送りをして、オープニングとエンディングをあたったあと通し稽古です。

そして、18時から本番一発目。

いかが相成りますか。乞うご期待。仕上げを御覧じろ。です。

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ダンサー紹介。エスパル・タカス・マルチネス・カルデナス。通称”タコ”。俳優で舞踏家。横尾咲子さんの旦那さんで3人の子どものパパです。めちゃめちゃいい男です。将来は冗談ではなくメキシコの文化大臣になるでしょう。
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2018年11月06日

いま

時差の関係で、メキシコはいま11月6日(火)の午前9時です。

日本より15時間遅れています。ということはどういうことだろう?

このブログ?は日本についたら二日分書けばいいということなのか?まあいいか。

昨日は、CEDRAM公演初日。

よく言えば緊張感のある舞台で、そうでなければやや硬かったかな。という感じで。全体的にはまあまあという手応え。

自分のソロというのは最後の最後まで後回しになるのでほぼぶっつけ本番になるのですが、やってて「なんだかただうろうろしてるだけだなあ。」思ったり。

作・演出・振付で出演もしていると、本番を自分の眼で客席に座って通しで観ることができない。という宿命を抱えます。

このスタイルは世界中に沢山いると思いますが、皆さんどうしてるのかな。

信頼のおける人にかわりに観てもらう。これが一番多いのか。

ビデオでチェックする。

これはあまりよろしくないです。映像にはその場の雰囲気や大切なものが写っていなかったりするので、単なる間違い探しやあげ足とりになりかねない。

一番手っ取り早いのは、出ずに作・演出・振付に徹してしまう。

まことクラヴの遠田誠が最近このスタイルになっていますが、わたくしも自分が出てしまうことの限界を感じています。

伊藤キムさんも一時期、自分は出ないようにしていましたがはたから見てるとそれだと物足りない。

大駱駝艦の舞台を観ているとそんな問題は全く感じないので、やればできるのだと思ったり。

まあしかし麿さんは麿さんで、俺は俺なんだとも思ったり。

昨日の本番前の通しでは足がずーっとつっていました。劇場が寒いというのが原因だと思うけれど、思うようにいかない自分のからだに腹が立って頭にきました。

もう寒い時期は踊れないからだになってきています。

そういう意味でも作・演出・振付に徹する時期に来ているのかなと思ったり。まあでも行けるところまでは頑張って行ってみるか。

今日は、二日目。

昨日は晴れて久しぶりに太陽を拝むことができて、気分も晴れやかになって本番に臨むことができました。

今日は朝から息が白くなるほど冷え込んでいます。なんとか晴れるといいなあ。

作品も晴れやかにもっと面白くなるように、咲子プロデューサーからダメ出しや感想をもらって皆んなで打ち合わせして二日目に挑むのだ。

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ダンサー紹介 Shila Rojas 通称”シーラ”。冷静で知的でエレガントなお姉さんです。 
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2018年11月07日

1997年2月、30歳

Don't act. More real. More simple. 演じるな。動くな。そこにいろ。

ヒトが一緒に見ることのできる夢とは結局、この現実。リアリティということ。

頭の中で考えたリアリティではなく現実のうごきを、アクションを伴った現実の世界に、ほんものの変化のチャンスを与えるほどの力を持ったものでなければならない。のか。

しかし現実と立ち向かい、現実を凌駕するほどの夢もあるのだと思う。

政治も科学も不可能だとわかりきっているいま、創造行為は可能なのか。常に自問自答して、でも柔らかく面白く。このクソつまらなき世の中を面白くしたい。

2月4日
キムさんより留守電。モノになる、モノが在る、そこにある身体。について「オレは身体をモノだと思っているので、やはり在る。というほうがあっていると思う。」

昨日、森下スタジオのワークショップのあとに飲み屋で話したことについて、電話をくれ留守電を入れてくれたキムという男の生真面目さに驚く。

2月17日
天鶏アメリカツアー中の、上田ユカリちゃんからエアメールが届く。

トリヰさんのヘナチョコパワー全開でアメリカ人もびっくり。スタンディングオベイションの嵐、Sold out 続出で追加公演決定だって。

陸奥子さんは元気で、上田ちゃんは倒れて海老はホームシック。

そう言えば、この天鶏アメリカツアー中、照明の柿嵜清和がアメリカ人スタッフに10メートル超の脚立をわざと倒されて、脊椎損傷の大怪我をしたのだった。

アメリカはユニオンが強いので礼儀をわきまえて付き合わないと、そんな仕打ちを受ける。向こうにとっては死活問題。

仕事を奪われてはやってられない。任せておくことが大切。郷に入っては郷に従えだ柿嵜。

さて昨日は、初日よりもいい雰囲気で本番を終えほっと一息。12時からだったので14時には全てを終えて。

さて、あとは何をしたらいいのか?わからないような贅沢なような調子が狂うような。そんな感じでした。

今日は、ソロをもっとよくします。まだまだ考えることが一杯あります。

俺の仕事は考えることなので当たり前。そしてそれを実行してみて、また通しで観ている咲子とDillの意見を聞くのだ。

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ダンサー紹介。Aime Irasema Sanchez ”イラセマちゃん”と呼んだ方がいいようなヤングガールです。 
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2018年11月08日

雑談

さて、何を記そうか。

毎日大変なことが起こっている今日この頃ですが、こちらは別に生き死にに関わるようなことは起こっていないです。

さて、舞台の上で本気で泣いてはいけません。

本当か?本当にそうか?舞台の上はフリースペース。何をやったっていいんですよ。本当か?実は何をやってもいい場所ではなかったりして。

観る、観られるってどういうことだろう。観られていると意識をしてつまらない踊りしかできなかったりする。でも観客のいないところでの踊りは、独りよがりで気持ちわるかったり。

本番三日目、中学生が大挙して観に来てた。「意味はまったくわからなかったけど、感動した。」とか言ってたと聞いて結構ショックを受けた。意味?

”意味”って何だろう?作品の意味?踊りの意味?

舞踏の始祖、土方巽は徹底的に意味から逃れようとした人だけど、中学生に意味がまったくわからない。と言い切られてしまうとやはり考え込んでしまう。

そして昨日は、舞台に出るということも考えさせられる日で客入れからオープニングと楽屋でもらい泣き。

「恥ずかしい。」って何だろう?恥ずかしさのない舞台は、下品なだけなのかもしれない。存在のチラりずむ。そしてソロでやっと初日が出た。

舞台上で色んなところを打って舞台の外で毎日飲みすぎてからだがボロボロですが、木谷真一70歳ですから多少ボロボロぐらいの方がリアリティが出るかもしれません。

そう言えば、本番中に赤ちゃんが泣きはじめた。

ソロをやっている時だったので、1945年8月6日のあの日の夜、唯一の希望は赤ちゃんの鳴き声”生命の息吹”だったのではないのか?と舞台上で耳を澄まし微笑む。

神の演出。からの原爆”リトルボーイ”前で猿になるという閃きも得て。

火を手にしてしまった猿、人類。プロメテウスから火を与えられた人類。

とりとめがない話になってしまいましたが、ここメキシコではこの20年間で14万人の人々が殺されているそうです。一発で14万人殺す。20年で14万人殺す。

人間というのは自分のことしか考えていない、自分がよければいい。自分の利益のために人を殺す。いつ本能が壊れてしまったのか?

「猿は猿を殺さない。」でもわたくしのまわりにはそんな人は一人もいないので安心安心。

しかし、それも平和だからなのか。いざという時、全員がほんとうに大変なときにどう動くのか?常に考えておかないと、平気で親友を裏切ったりしてしまうのかもしれない。

恐ろしい。

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出演者紹介。エスパル家の長男、じげん。お母さんの言うことをまったく聞かない悪戯坊主ですが、妹と相撲をしてわざと負けてやったりする心優しいところも見え隠れ。初演で松原東洋がやっていた走る役を務めます。
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2018年11月09日

嫌なこと

”デュ社”は、弱小カンパニーなので一人で何役もこなします。

横尾咲子さんは、プロデューサーとツアーマネージャーと字幕出し係と客入れと司会と八面六臂の働きです。

さらに三人の子どもの面倒も見ます。今日はシティに先乗りで紙芝居の師匠との舞台があるようです。

湯山大一郎は、ダンスマスターと通訳と舞台監督と諸々雑用にと大活躍しています。

そしてわたくしもツアーリーダー・作・演出・振付・主演・舞監助手・雑用・掃除係と気を配ります。

ツアーでは、毎日色んなことが起こります。一昨日から音楽のDillがメキシコの通過儀礼”下痢”で絶食気味になっています。辛いものと水とでお腹を下す人は毎回出ます。

昨日は、初演で伊藤麻実子さんがやっていた役、客入れで”本を読む少女”を務めるしずが同じ学校の友達が観に来ていると出演を断固拒否。

「恥ずかしいから、絶対に嫌だ!!」と泣きながら訴えるのでどうしようかと思いました。

お母さんの咲ちゃんとお父さんのエスパルの説得で何とか出てくれましたが、最後まで声は出しませんでした。

しかし、この恥ずかしいという感情は大切です。恥ずかしさのないものは、下品なだけになってしまう。

最初に皆んなの前でおしっこをさせる演出家がいるとかどうとか伝説が聞こえて来たりするけれど、嫌なことは嫌だ。それでいいのだと思います。

土方さんも「嫌なものは絶対に嫌だ。」という人だったみたいです。

海外からの招聘にも「この部屋をごっそりと、このまま運んでいくならいいですよ。」と無理難題を言ってたみたい。お金がかかりすぎるので皆んな断念。

ピナ・バウシュは「タバコが吸えるならいいですよ。」と言ってコンコルドを一機貸し切り。けどそれでいい。

大野さんは「今日は調子が悪いからやめます。」という人だし。

室伏さんも気取ったハイソサエティな観客を前にして「こんな奴らの前でやりたくない。」と踊らなかったりする。

自分中心の舞踏家たち。でもそれでいいんだと思います。その点、師匠・麿赤兒は嫌でもやったりするので、わたくしも見習って嫌でもやるようにしています。

昨日は、SEDRAMでの本番最終日。決めつけずにできたと思わずによくしよう面白くしようと、皆んなで最後まで試行錯誤し続けました。

そのおかげで更にパワーアップ。メキシコシティへと調整を続けます。

終演後にドーニャ・ルルーのお店へ。優しいスープと美味しいスパゲッティを頂いて旦那さんのワンマンショウを拝聴。皆んなで歌って踊って軽い打ち上げ。

わたくしは飲みすぎなのでノンアルコールでお酒を抜いてお休みなさい。

酒を飲んで寝ると眠ってるのではなくて気絶みたくなってるらしいですね。アルコールってのは麻酔薬ですから。

酒を抜いてCEDRAMの猫”ピンチ”と一緒にぐっすりと眠って、今日は先発隊を見送って1日かけて荷物をパッキングします。

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デュエットで熱唱するルルーと旦那さんのタミレス。
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2018年11月10日

大いなる無駄

意味って何だろう?生きている意味?カゲロウは生きている意味がないか。蝉は生きている意味がないか。俺には生きている意味なんてない。

土方さんは死ぬまで意味から逃れようとした人ですが、戌井君も意味とかいうとすごく嫌がります。意味って何だろう。

では、意味がないって何だろう。意味がないことって何だろう?戌井君は意味がないというと喜びそう。

「それ意味がないからやめろ。」とかいう人間とは付き合いたくないな。何故だろう?

意味があるとか、意義があるとかって役に立つみたいなことを指してるように感じるから腹がたつのかな。役に立たなくてもいいじゃないか。社会の役に立たないから生きる意味がない?

何かのために生きている。という常識を疑う。生きている価値がある。とかいう常識を疑う。ただ生きているだけでいいのではないか。

でも毎朝、小説を書いていてそれがベストセラーになっているから、生きている価値がある。とかすぐに定義したくなる人間という生きもの。

意味って何だろう?

仕事がないと生きている意味がないように感んじる。この世界から必要とされていない哀しさ。これは日本だとよく感じます。

そういえば、最近ここパツクアロに本気で住んでもいいな。と思ったり。

おおらかで野蛮で野生的で適当。

色んなことがどうでもよくて不正も横領も汚職も犯罪も東京よりももっと多いところですが、人が東京より生きるということを楽しんでいる感じがするのは何故だろう?

東京の街中にはもう1ミリもいたいとは思わないですが、空気が綺麗でのんびりしてて瀬戸内の美しい海が広がる淡路島には住みたいという気持ちが100パーセントあるので帰ります。

いっぼう「一人の頭がおかしいクレーマーに、一億人が合わせてる。」〜Dill。

そんな狂った状況の国に帰らなければならないと考えるとうんざりします。

「毎日、人の数だけ違うことが起こっている。同じ日なんてない。一瞬もない。自分に起こることを観察し、面白がったり考え込んだりすることこそ人生の醍醐味だ。」〜さくらももこ

意味とか意義とか本当にもうどうでもいいんだ。と思います。

さて、今日は移動です。メキシコシティという都会へと向かいます。怖いけどやっぱりデタラメで面白いところです。

パツクアロみたいな大らかさはないですが、東京よりは人間が生きているという手応えがありますよ。たぶん。

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出演者紹介。”しず”。彼女には是非とも『ふたつの太陽』の全編をみてもらいたいと思っているので、プロローグでいなくならずにずーっと椅子に座って観ていてもらおうと思っています。最近は通訳もしてもらっています。
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2018年11月11日

これで

昨日は、先発隊を見送ってから休み休みパッキング開始。舞台美術や小道具、衣裳すべて手持ちなので移動がたいへんです。

皆んなで分担して持っていきます。一番大物は床に敷いていた、直径6メートルのターポリンという素材に描いた床の美術です。

杉山至さんのデザインですが、なかなか忠実に再現できているので破棄するのがもったいない。

隆夫さんの使う椅子、エスパルのかぶる骸骨もかさばります。リトルボーイは俺が手持ちします。

とか記してたら、一晩共にしたピンチが部屋から出て行ってしまいました。

ここ数日一緒に寝てました。近寄ってくるだけで「グルグル。」言っててとっても人なつっこかったです。シティへと連れていきたいけれど無理だな。

「アディオス。」

もう二度と会わないかもしれない。でもそんな感傷なんてまったくなく彼はただ生きていく。そして死んでいく。それでいい。それが自然。延命治療も呼吸器も関係なく死んでいく。

そういえば、わたくしもそろそろそんなことを考えないといけない歳です。「いかなる延命治療もしない。呼吸器は決してつけない。」遺言に書いておかないと。家族が迷惑します。

しかしいつも思うけれど、いま死んだらこの『ブログ?』が遺書みたいになる。ノートに日記もつけてるけれど最近はこちらほど熱心に記してない。

”悪魔のしるし”のリーダーで夭折してしまった・・・

「くそっ」名前が思い出せない。しかしググったんじゃあだめだ・・・

人は二度死ぬと言われています。

一度めは実際にこの世からオサラバするとき。二度目は皆んながその人のことを忘れてしまうとき。俺もすぐに忘れられてしまうのだろうなあ。まあいいか。

宇宙ができたとき人はいなかった。そして宇宙が滅びるとき人はいない。

でもそれでいい。そんな大したことのない存在。あいつもそんなことわかってたから、俺が名前を忘れたところで笑って許してくれるだろう。

今日は、パツクアロでの最後の朝飯をドーニャ・ルルーのお店で頂きます。エスパルと咲ちゃんがとってきた協賛のレストランで食事を毎日、頂いていました。贅沢で有り難いことです。それも終わりです。

バスに乗って6時間かけて移動です。東京から名古屋ぐらいか。

あしたはいよいよメキシコシティ市立劇場での本番。なんと乗り打ちです。けれどCEDRAMで周到に準備してきたので大丈夫だ。

「ジャメボーイ!!」

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悪魔のしるしのリーダー、”危口”君だ。よかった!彼が亡くなる直前に記したブログです。写真は”ピンチ”。
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2018年11月12日

今日は

おはようございます。

人間のからだって不思議だなあ。と思うのですが、こちらにくる前に奥歯が痛くて痛くて歯医者にいったら神経を抜くしかないと宣告されていた。

歯の神経は「ピュー」って細い糸みたいなものを抜くと親父が言っていた。

歯医者で受けた説明は、エナメル質をまず削り取ってそれから神経を「ガリガリ」と削り取るという方法。

どちらにしても痛そう。

ところが予約の取れない行列のできる歯医者なので、出発前に処置はできないとすげなく言われてしまいさあ困った。

痛み止めを買って、こわごわこちらに来たのですが「あら不思議。」痛くないのです。あれだけ痛くて七転八倒してたのにツアー中一度か二度、違和感を覚える程度で。

あと股間の猛烈な痒みに悩まされていたのですが、あら不思議。それもたまに痒いだけでそれほどではない。

そのかわりなのか、久しぶりに手のひらの荒れがあらわれています。手の皮がむけて特に指先の皮が剥けて真っ赤になっています。

水を触れなくなるので白塗りを落とす時にたいへんです。ひどい時は手袋をはめて洗います。

ひとのからだって不思議だなあ。微妙な空気の違いや水の違いで変わってくるのだな。

さて、今日はいまから搬入です。

そのあと諸々、仕込んで荒通し出来るか?とにかく本番の成功のためだけに生きます。

人間同士の軋轢、感情のさまざま、遅刻、etc..etc...

自分のことしか考えてない我儘な人とか、自分に都合のいい嘘とか、いろいろな人間のくだらないことや、些末なことに目をつむって、気にせずに大らかにどっしりと適当にいこう。

すべては作品の成長のためなのです。

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出演者紹介。まだあらわれてないお姉さま、川口隆夫。
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2018年11月13日

明日は

いまは、吉村昭さんの『破獄』を読んでいます。戦中、戦後に四度も厳重な刑務所から脱獄した死刑囚のお話です。

吉村さんと言えば酒乱で孤高の俳人、尾崎放哉の晩年を描いたまるで恐怖映画みたいな『海も暮れきる』。

村にあらわれる人食い熊と人との闘いを描いためちゃめちゃ怖い『羆嵐』。

難破して沖ノ鳥島へと漂着した一人の船乗りの凄まじい生存のための生き様を描いた、生きるとはどういうことなのか?と考えさせられる『漂流』。

などなど名作が沢山ありますが、まだまだまだまだ全部を読んでいないので、これから楽しみです。

周到な取材と緻密な構成に基づくお話は、たった数行の記述がものすごいドラマを含んでいて想像すると面白くてそこで止まってしまいます。

例えば、テニアン島で飛行場を作るために連れてこられた囚人二人が脱走する。

二人は日本からテニアン島へと向かう船の中で”情交”を結び作業現場が別になったことを悲しみ脱走。最後はダイナマイト自殺をする。

とか、内地とは違う気候風土のために囚人四十五名、看守十名が死亡し、囚人五名が精神錯乱で自殺。

などなどそんな記述が淡々と続く。想像するとイメージがどんどんふくらむ。

一人一人の死には、ドラマがあるのだから。14万人の死には14万通りの物語りがあるように。

明日の帰りの飛行機で読破しよう。

さて昨日は、ツアーの集大成でした。乗り打ちという短い時間でよく仕上げたと思います。ほぼぶっつけ本番でしたがトラブルもなく、いいものをお届けできました。お客さんも大喜び。

だったと思います。反応も良かったので。

しかしこのSNSとかブログって、自慢話になるとよくないのだと思います。世の中のSNSってほとんどが自分の自慢話ですが。

こんな楽しいところへ行った。こんな美味しいものを食べた。こんなに良い思いをした。こんな凄い公演だった。etc.etc...

この『ブログ?』は、そうならないように気をつけています。事実を誇張せず話しを極力盛らず。しかし実際は話しを盛った方が面白いのですが。

さて、今日は頑張ったご褒美のオフ日です。

旅の本当の贅沢はホテルの部屋でのんびりとすることですが「人間の不幸は部屋でじっとしていられないこと。」by 開高健

なのでどうなるのか?明日は6:00のフライトなので3:00出発。今日は早く寝よう。ん?寝ないほうがいいのか。

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出演者紹介。舞踏家集団デュ社副代表、湯山大一郎。二馬力でこのツアーを見事に引っ張りました。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 00:26| ブログ?

2018年11月14日

アディオス!

歯が痛いです。この『ブログ?』でまったく痛くないとか余計なことを記したからなのか、昨日の本番前からずーっと痛いです。とほほ。

このメキシコシティも嫌になるぐらい混乱してるし。へんに褒めたからかな。大都会はどこでも人間の住むようなところではないのだ。

浮浪者や乞食やゴミがあちらこちらに散乱していて、薄汚い人間の欲望が渦巻いてとぐろを巻いて街に溢れている。

自然がまったくないという街の人工的な不自然も、やっぱり嫌になります。

とか昨日の夜は思ってたけど、いま街に出たら陽気な活気に満ち溢れていて元気が出ました。その時の体調や気分でどんどん変わる身勝手。でもそれでいい。

もう帰るので、メキシコペソが底をついて来ています。お金がないと街を歩いても疲れるだけ。それはどこの大都会でも一緒。

お金があって鈍感でどこまでも無責任に生きられるような強い人々のための場所。

いや、お金がなくてもタフに生きる人々も大勢生きている。

大都会は、お金がないと生きられない。片足のない人も両足のない人も、両目の見えない弱いとされる人々もお金を稼ぐためにしたたかに生きます。

皆んなそんなの当たり前。やわな同情や見え透いた偽善はありません。ここの空気と一緒でドライです。

さて今日は、休みなので壁画を観に行きました。

メキシコ教育庁の庁舎の壁のいたるところに絵が描かれています。スペインに占領されて押し付けられた、お仕着せの文化を見直そうという気概を感じます。

人を支えるのは教育です。ここメキシコは日本よりも汚職や不正や横領や果ては強盗、誘拐、殺人が多い国ですが、それを変えていくためにも教育あるのみです。

国を将来支える人材を育てる。社会の根底から変えていくために。

咲ちゃん、お世話になりました。しず、じげんともここでお別れ。二人は、次に会うときにどれぐらい成長しているのか楽しみ。

明朝3:00にエスパルがホテルまで迎えに来てくれるとか。彼は、ほんとうにタフです。

帰りは、サンフランシスコ経由なのでいろいろたいへんだけど語学堪能な湯山がついているので安心。心強い。しかしあまり頼りすぎずにさまざま、自分でやるのだ。

そしていま空港。まもなく離陸です。乗り換えがあるから20時間ぐらいかかるのか。まあいいか。

それでは。また会いましょう。

"Gracias! Adios hasta luego!"

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シケイロスの巨大壁画の前で。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 02:00| ブログ?

せいては

帰国です。

まずは、シティからサンフランシスコへと向かいます。ほぼ直角の椅子で約5時間。窓際でトイレに行くことができないので、水はちょびちょびと飲みます。

ここ飛行機内はサハラ砂漠と同じ湿度だそうで乾燥しまくっているので、ちょびちょび飲みは効果的です。朝出発なのに薄暗い機内で寝るしかありません。

通路側の席の人は、自由に歩き回ってこれ見よがしですが俺もやってたりするので反省。

ここには、自由と平等はありません。自由に動ける人と動けない人。エコノミーとファースト。博愛だけがかろうじてあるのか。

人は差別が大好きで。男と女で差別して、子どもと大人で差別して、肌の色で差別して、エコノミーとファーストで差別して。国民とそうでない人間とで差別します。

そして、乗り換え。1時間しかないので焦ります。走ります。

ESTAとかいうのを取得します。むむ。ダメ。もう一度。ダメ。なんだかわからないけど「行け。」みたいなことが出たので並びます。

1000人ぐらい並んでます。頭を下げて乗り換え時間が迫っていることを説明して、先に行かせてもらいます。ひたすら頭を下げ先へと急ぎます。

飛行機は待ってくれないとの情報を途中で入手。

焦りまくって違うレーンが空いているので、そちらに思い切ってショートカット。と、一緒にいたDillが職員に連れていかれました・・・あらら〜。連絡を取り合って先を急ぎます。

1000人に対して3人しかいない係官のところへ1時間かけて到着。嫌な予感がしながらパスポートを差し出すと、無表情の係官にダメだと言われてもう一度最初からやり直しです。

焦ってESTAが正常に作動していなかった。なのでESTA のプリントアウトがされていなかった。写真がバツの人間はこのレーンに並んではいけなかった。などなど。あとの祭り。

もう一度、元気とやる気を振り絞って、頭を下げまくって説明を拙い英語と日本語で一人一人に粘り強くし続け、なんとか先へと通してもらいます。

渋々の人、好意的な人、さまざまな人間模様。

と、ひとりの日本人女性が先へ行くことをどうしても許してくれなくて、万事休す。

せいてはことを仕損じる。だな。肝に命じます。さて往生際よく諦めて並びますが、もうかれこれ2時間並んでいるけど、遅々として進みません。仕方ないな。

腹が減って、のどが乾いて、おしっこがしたい。でもどうしようもない。

飛行機は、翻訳コンニャク・湯山を乗せて無事に行ってしまいました。3時間かけて気が遠くなりながら、出国するとそこにいたおばさんが早口の日本語であそこに行けと言います。

天の助け、と進んだらなんだかラフな格好をした兄ちゃんにあっちに行けと言われます。

言うことを聞いて進んだら、そこにいた人が無表情に一言も喋らずに、荷物を流せとゼスチャーします。了解。荷物を流します。

荷物のチェックかと思ったら出て来ません。どこかへ行ってしまいました。またもや万事休す。そして携帯の充電が切れ・・・

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なんとかDillが帰国の途につけたのが不幸中の幸い。のサンフランシスコ空港。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 11:10| ブログ?

2018年11月15日

続き

カウンターもしまってしまい、さてさてチケットも荷物もすべては、明日。

何もかも諦めて、空港で一晩過ごします。夜は長いぞ。

まずは、腹ごしらえとカフェでビールを飲みます。開き直って楽しむことにします。フィッシュ&チップスも頼んで頂きます。結構なボリューム。

湯山と二人でちょうどいいぐらい。今度来たとき頼もうとか考えながら、ごちそうさま。

カードで支払い店を出て、眠くなったのでベンチで寝ます。多少、寝心地は悪いですがいい感じ。お休みなさい。

「はっ」と目覚めてゆるゆると起きます。まだ17時。喉が痛い。いびきでもかいていたのか。寒いのでしばらく空港内を探検。外へ出たり。行くところがないのでふたたびカフェへ。

キビキビと働く二人のおじさん。と言っても実は同い年だったりするのだろうな。の働きぶりをみながらまたまたビールを注文。

何歳ぐらいからここで働いているのか。手慣れた仕事ぶり。仕事が終わったら家に帰って何をするのか。

いろいろ想像しながら、さっきから気になっていたクラムチャウダーを頼みます。ビスケットを入れて頂きます。暖かさがからだに染み渡ります。

さて、そろそろ店も終わりのようなのでチェックを頼みます。36ドル。それでは、支払いをとカードを渡します。おじさんが戻って来ます。

「使えない。」とカードを返されます。背筋が寒くなります。使えない?さっきは使えたのに?

「隣にATMがあるのでおろしてこい。」みたいなことを言われて「なるほど。」と免許証をもの質にATMへ。しかし何度やってもだめ。なんでだろう。

カード会社に問い合わせたいが電話が使えないので、どうしようもない。

ここで浮浪者になる運命だったか。大道芸で36ドル稼ぐのにどれぐらいかかるだろうか。とか妄想しますがまだ早い、考えろ。

海外用のSIMカードを外して日本のSIMに変えます。高くつきますが背に腹は変えられない。

なんとか試行錯誤の末、カード会社に繋がって「混雑しているので、」どうのこうのと流れるアナウンスを聞きながらオペレーターが出るのをひたすら待ちます。

やっとオペレーターが出て来て尋ねたら上限を超えたとか。なんと。使えるのは早くても明後日になるそう。どうしようもない。けどさてどうしよう。

こちら時刻は夜の12時。とにかく眠いので少し横になります。

と、そういえばサンフランシスコ在住の鉄割アルバトロスケットメンバー、大根田雄一のしゃくれ顔が閃きます。

飛び起きて戌井くんに電話、出ないので中島くんに電話、出た。訳を話したら「それ大変じゃないすか。」と笑われて。

連絡先を教えてもらって、もう寝てるかなあ。とか思いながらまずはメール。電話はもう遅いから明日にするか。ともう一度眠りかけます。

と戌井くんから電話。「あらら、それ映画で空港に住み着いてる浮浪者みたいじゃないですか。」と笑われて。

今日の練習は出られない旨伝えて、もしかしたら明日も練習出られないかもと言ったら「立ってるだけでもいいですから。」とか言われて鉄割らしい。

仕事柄、夜更かししているはずと大根田くんに電話をしたら出た。

名乗ったら「どうしたんすか!」と元気な声。訳を話したら喜ばれて笑われて。「もちろんいいすよ。」と明日の朝、一番に空港に来てくれることになりました。ありがたい。

良かった。「ほっ。」とひと息、本格的に眠ります。お休みなさい。

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最後の晩餐になるか。とかまだ知らずに頼んだフィッシュアンドチップス。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 02:40| ブログ?

2018年11月16日

の続き

3:00ぐらいに寒くて寒くてブルブル震えながら目が覚めて、仕方なく起きてからだが暖まるまで歩きます。

周りに寝ている人が沢山いるけれど、同じように乗れなかったのか。充電のできるところへと移動して『ブログ?』を記します。充電ができるのとWiFiが強いのが心強い。唯一の救い。

いやいや大根田くんが唯一の救いだな。朝の8時に来てくれる。

お金を借りて、ANAのカウンターへ行き、まずは今日帰れるかを相談。

そして荷物を探して、昨日のカフェが10:00に開くのでお金を支払って免許証を返してもらいます。

まだまだ日本への道は遠い。とか考えながら気分を変えるため、もう一冊の持参本、沢木耕太郎さんの『凍』を読みはじめます。

ヒマラヤ登山のお話。ヒマラヤに登ることに比べれば、サンフランシスコで荷物を探して日本へ帰ることなど容易いことに思えます。

本を読んでたら眠くなって来たので、ソファベンチにそのまま横になってお休みなさい。

机の「コンコン」いう音に目が覚めたらポリスが何か言ってます。「ボーディングパスを見せろ。」とか言ってます。寝ぼけながら探します。

パスポートを見せると「もう皆んな働きはじめてるから起きろ。」みたいなことを言ってるのでそうします。

いまは6:30か。本格的に浮浪者と間違われました。こうして本物になっていくのかな。

お腹が空いたが一銭もないので我慢です。お腹が「ぐー。」と鳴るのは通称”モチリン”という若返り物質が騒いでいるからだとか。空腹はからだにはいいのだ。

8:00、大根田くんと空港正面で落ち合います。「すごく忙しいのに本当にありがとう!」

山登りが好きなのでお礼に持参した『凍』を進呈します。いやまじでお礼の言葉もないです。持つべきものは友。

そういえば大根田くんには、鉄割で行った山登りの時もお世話になった。

生まれたばかりの娘のミルク代を勝手に持ち出して出かけた俺に、女房の真由美が激怒して「どうかあいつに天罰を与えてください。」とご先祖様にお祈りしてた。

その願いが通じてかその頃俺は、膝が猛烈に痛くなって中腹でまったくうごけなくなっていた。

そんな俺の様子を何回も「大丈夫ですか?」と見に来てくれたのが大根田くんだった。嬉しかったなあ。

さて、大根田くんと再会し通訳をしてもらいながら、お金を払って免許書を返してもらいANAのカウンターに行って代替えの便を好意的に用意してもらい、荷物もなんとか大丈夫そう。

いい経験というには51歳の身にはあまりにもたいへんでしたが、思い出に残るラストとなりました。

そういえば今回の旅のトラブルの一つ、高速でエンストして皆んなで車を押してた時のしずの名言。

「これ一生の思い出になるね。」を思い出しました。

まもなくフライトです。今度こそほんとうの本当に、

「アディオス!!」

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救世主、大根田雄一。彼に会うためのトラブルだったのか?と思ったりして。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 23:11| ブログ?

2018年11月17日

観たかった『万引き家族』を機内でやってました。

やった。樹木希林さんが入れ歯を外して出演してて、何を喋ってるのかわからないのがリアルで面白い。安藤サクラちゃんも良かったです。

『カメラを止めるな』もやっててびっくり。大ヒット。羨ましい。映画はこういう人生大逆転みたいなことがあるからいいなあ。舞台はなかなかそうはいかない地道な世界。

監督がアイデアマンなんだな。納得。納得いかない人もいるみたいでそれもわかるけど。中原昌也くんにどう思ったか評論を聞いてみたい。

11時間の軟禁フライトを無事切り抜け生還。

しっかし、あの飛行機のエコノミー空間というのは凄まじいものがあります。自分が座れる最小空間で身動きひとつとれず肩身の狭さは人生一番。

湯山が、家畜と表現するのでちょっと表現が過激すぎると思ったりしますが、身動きひとつできないところに閉じ込められ並べられて、皆んな同じものを食べさせられる様はまさにブロイラー状態です。

俺は、家畜とまでは思わないけれど、いまここで嘔吐したら大変な迷惑だろうなあ。と想像してニンマリしたり。

しかし体調のものだし、わざとではなのだからどうしようもない。

匂いが機内に充満してもらいゲロする人がいたりして、モンティパイソンみたくなって。パニックになって。隣の良い人そうなおばさんが気絶して。

富岡鉄斎は、自分のゲロをすべてもう一度飲み込んだという伝説を持つ人だけど想像しただけで気持ちが悪い。

人生一寸先は闇。

夜には七転八倒して死にかけ救急車で病院へと運ばれているかもしれないし、次には空港の寒々とした空間でぶるぶる震えながら野宿状態かもしれない。

メキシコの空港で脳溢血で伐倒するかもしれない。でも構わない。

京成スカイライナーで鉄割稽古場へ直行、カットイン。

相変わらずの戌井ワールド全開でほんとにもう脱力。これでいいんだよなあ。いやいやこんなんだからいいんだ。今回はタイバンがいて音楽を意識した演目が多いのか。

ということで今日は朝、出発して松本へ行きます。

そういえば再来週も松本へ行く。松本演劇工場 NEXTにてワークショップです。楽しみ。

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大根田、中島の先輩・山内オンステージ。”たかちゃんまん”
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 10:54| ブログ?

2018年11月18日

湯浅さん

完全に風邪をひきました。

空港で一晩ブルブル震えながら寝たからあたりまえ。上着は持って行ってたけどミチュアカンで、はやばやとなくなって。

そんでサハラ砂漠と同じ湿度20%以下だという乾燥した機内で、横になれずに一晩過ごすのだからそりゃあ風邪もひきます。でもいいです。

そのまま鉄割稽古場へ行くなんて無茶。しかし休みたくなかったから仕方ない。

山内に「どうしたんすか?むかいさん、元気ないじゃないすか。」と挑発され続け。次の日も練習で積み込み解散。

朝8:00に集合で松原東洋の車で一路、松本へ。4時間だからあっという間、奧村レディオのノンストップお喋りを聴きながらウトウトしてたらもう松本です。

お水で食べる水蕎麦というのを頂いて、温泉へ。風邪をひいているので遠慮しようかと思うけどもったいないので入ります。

唯一の源泉掛け流しだとかでいい温度。ゆっくりとじっくりと旅の疲れを癒します。湯冷めしないように細心の注意を払って会場へ。

戌井君が横になってたので、俺も寝ます。モロッコの旅を思い出したりして。

そうこうしてたら客入れ、デリシャ・スウィートさんの舞台がはじまります。今回はこの方たちに呼んで頂いたんですな。

そのあと鉄割本番を「あー楽しかった。」と終えて打ち上げです。

まずは会場で飲んで次のところへ。気づいたら寝てて二次会で。日本酒持って帰ってきてばたんキュー。お休みなさい。

朝起きて、風邪の具合はどうか?良くなっているわけはないな。帰って漢方を飲もう。

風邪には体の調子を整えてリセットする効用があるので、ケミカルな薬を飲んで治してはなりません。

足湯をして梅醤番茶を飲んでじっくりとつきあって治します。辛いですがそのほうがいいのです。野口整体の創始者、野口晴哉の著書『風邪の効用』に詳しく書いてあります。

からだを通っていく風邪の神様。

からだのゆがみやひずみ、バランスや調子の狂ったところを次々と治してくれてそして抜けていく。

そんで来週は神戸・ダンスボックスにて金粉ショウです。構成はだいたい決まっているので現場で湯山と合わせます。神戸の皆さま、お楽しみに。

それまでになんとか風邪を治すぞ。とか記してたけど、東洋カーにて皆んなで馬鹿話しをしながら帰ってきたら、あら不思議。風邪が抜けてるような。

でも用心しましょう。

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ご一緒した、湯浅学さん。噂は奥村君から聞いてたけど、はじめてお話ししてその経験の豊かさと音楽の話の面白さにびっくり。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 14:31| ブログ?

2018年11月19日

もっと遠くへ

1997年2月21日「とりあえず出ちゃいました。」 

ショウをやる女の強さ。毎回ソロだから磨かれる踊りの魅力。

やりたいこと。やるべきこと。”ショウをソロの舞台へとつなげる”をいかにカモフラージュして舞台へとあげるか。いやそんなけち臭いことは考えずにその時、その瞬間でやるべきこと、できることの最善を尽くすべきでは。

いい加減、出鱈目、滅茶苦茶を大切に、取り繕わずにありのままの自分を放り投げ出す勇気と自信と覚悟を回復する。デブはデブ、ハゲはハゲ、出っ歯は出っ歯として己を知り己をさらけ出せ。それが面白い。

中身にも外側にもお金をかける。

逃げるな、取り繕うな、真似するな、パクるな。それはやはり格好悪いんだ。人の真似をしてそれでちやほやされていい気になって世界中を回るとか恥を知ることが大切。

偽物は結局は残らない。コロッケの真似をするなんとかいう芸人は面白くなかったもんな。越えられないオリジナル。

あらゆる色は黒に終着する?喋りすぎる色。意味が出てしまう色。饒舌な色、寡黙な色。説明しない色。by yoji yamamoto.

競争であるという事実から逃げない?1番しか意味がない?ビジネスに関わる以上競争からは逃れられない?本当か?本当にそうか?常識を捨てて思い込みを捨ててビジネスチャンスを探せ。

ビジネス的に成功する人と人間的に成功する人。尊敬を受ける人間になる。凄いと言われる人間?

「むかいさんにも凄くなって欲しいんですよ。」by 石川正虎

2月24日 29歳 いつどこでだれとなにをどうやってする?

3月2日 星野と路上。踊りでしか癒されない人々。「笑いが欲しい。」by 星野

3月4日 西友面接。普通の場所の普通の仕事。普通?普通ってなに?

台湾自主稽古。台湾では一番遊ぶぞ。

4月6日 台湾稽古。舞踏は喰えないか?舞台は喰えるか?セールスポイント。個性とは。「古代ギリシャでは、ターレントがなんとかかんとか。」by 天児牛大

5月28日 ”さすらいの二人” 過去から逃げる男と追いかける過去。ラストの圧倒的な長回しショットの素晴らしさだけで観る価値のある映画。

”オンジエアー” 第1話のうまくいっているリハーサルとめちゃめちゃになる本番の対比が素晴らしい。さすがはデビッド・リンチ。

”シャロウグレイブ” お金の話し、騙し騙され信じるものは?自分だけ。

”ゆきゆきて神軍” 頭の回路が変なところに入ったおじさんが思い込みの中で罪を裁く映画。人は神ではないのだから他人を裁くことなどできない。支離滅裂な言い分と矛盾だらけの行動とわがままなだけのエゴイスト。声もいまいち。

「自分をなぜそんなにわざと馬鹿に見せようとする。」by 麿赤兒

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メキシコの雲。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 22:54| ブログ?