2018年11月09日

嫌なこと

”デュ社”は、弱小カンパニーなので一人で何役もこなします。横尾咲子さんは、プロデューサーとツアーマネージャーと字幕出し係と客入れと司会と八面六臂の働きで。さらに三人の子どもの面倒も見ます。今日はシティに先乗りで紙芝居の師匠との舞台があるようです。

湯山大一郎は、ダンスマスターと通訳と舞台監督と諸々雑用にと大活躍しています。そしてわたくしもツアーリーダー・作・演出・振付・主演・舞監助手・雑用・掃除係と気を配ります。

ツアーでは、毎日色んなことが起こります。一昨日から音楽のDillがメキシコの通過儀礼”下痢”で絶食気味になっています。辛いものと水とでお腹を下す人は毎回出ます。

昨日は、初演で伊藤麻実子さんがやっていた役、客入れで”本を読む少女”を務めるしずが同じ学校の友達が観に来ていると出演を拒否。「恥ずかしいから、絶対に嫌だ!!」と泣きながら訴えるのでどうしようかと思いました。

お母さんの咲ちゃんとお父さんのエスパルの説得で何とか出てくれましたが、最後まで声は出しませんでした。

しかし、この恥ずかしいという感情は大切です。恥ずかしさのないものは、下品なだけになってしまう。どこぞの演出家は、最初に皆んなの前でおしっこをさせるとかどうとか伝説的に聞こえて来たりするけれど、嫌なことは嫌だ。それでいいのだと思います。

土方さんも「嫌なものは絶対に嫌だ。」という人だったみたいです。海外からの招聘にも「この部屋をごっそりと、このまま運んでいくならいいですよ。」と言ってたみたい。お金がかかりすぎるので皆んな断念。

ピナ・バウシュは「タバコが吸えるならいいですよ。」と言ってコンコルドを一機貸し切り。けどそれでいい。

大野さんは「今日は調子が悪いからやめます。」という人だし。室伏さんも気取ったハイソサエティな観客を前にして「こんな奴らの前でやりたくない。」と踊らなかったりする。

我が儘な舞踏家たち。でもそれがいいんだと思います。その点、師匠・麿赤兒は嫌でもやったりするので、わたくしも見習って嫌でもやるようにしています。

昨日は、SEDRAMでの本番最終日。決めつけずにできたと思わずによくしよう面白くしようと、皆んなで最後まで試行錯誤し続けました。そのおかげで更にパワーアップ。メキシコシティへと調整を続けます。

終演後にドーニャ・ルルーのお店へ。優しいスープと美味しいスパゲッティを頂いて旦那さんのワンマンショウを拝聴。皆んなで歌って踊って軽い打ち上げ。

わたくしは飲みすぎなのでノンアルコールでお酒を抜いてお休みなさい。酒を飲んで寝ると眠ってるのではなくて気絶みたくなってるらしいですね。アルコールってのは麻酔薬ですから。

酒を抜いてCEDRAMの猫”ピンチ”と一緒にぐっすりと眠って、今日は先発隊を見送って1日かけて荷物をパッキングします。

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デュエットで熱唱するルルーと旦那さんのタミレス。
posted by Mukai Kumotaro at 16:46| 日記