2018年12月06日

芝居がはじまる

いつだったか忘れたが、イギリスの劇団『テアトル・ド・コンプリシテ』の”ルーシー・キャブロルの三つの人生”をグローブ座へと観にいった。

誘ってくれたのは彩乃木さん。彼とは、『ビルマの竪琴』という某元アイドル主演の舞台で知り合いました。ついでに言うとこの舞台は大コケして危うくギャラを踏み倒されそうになりました。

彩乃木さんはインド兵という大したことのない役をとても面白く演じていた。そんな彼を思い出すと「ダメな役があるのではない、ダメな役者がいるだけだ。」という『俳優亀岡拓次』の文庫の中に出てきた一節が頭をよぎる。

さて、グローブ座の公演は、珍しく同時通訳だった。海外の演劇作品はだいたい字幕で、その字幕を追っているうちに俳優のお芝居を見逃してしまうのでよくないのです。

「へー。」と思いながら、受付でイヤフォンだったかヘッドフォンだったかを渡されて、席についたらチラシの束をどうするか。とにかく床に置いてひと息。

舞台がはじまりました。俳優たちが舞台奥に亡霊のようにあらわれて、一列に並んで舞台の前へとゆっくりと歩いてきます。

そうして舞台前に置いてあった靴を全員が履きます。一気に本編のはじまりです。『ガラスの仮面』のモデルになっている演劇のはじまりです。

このコンプリシテは、木や牛や馬や自然のあらゆることを人間がやるので有名になった劇団なのです。舞踏はそんなこと昔っからやってましたが。

それはさておき、いつの間にかお話しに引き込まれて最後まで、三時間という長い時間をまったく感じさせない舞台で人生二番目にいい舞台でした。

一番めは、ダムタイプの”S /N”。オープニングからグイグイと最先端の明かりと音に責め立てられながら、というお話しはまた今度します。

そういえば同時通訳。

それがまた良いんです。なんの感情も入っていない言葉が耳にスルスルと入ってきます。俳優の声に混じって意味だけを無機質に伝えてくれる女性の声。

なぜそんなに素晴らしい同時通訳を他でもやらないのか?首脳会談ではいつもやっていますが。首脳会談が字幕だったら大変だな。全部、自分で読まなくてはいけない。

それはさておき。ひとつには、その良さをあまり皆んな知らないというのがあると思う。

もうひとつの理由は、値段が高いのかな。このあいだテレビでやってたのですが、たいへんな才能でやれる人があんまりいないのだったか。日本に二、三人?とか。

しかし咲ちゃんとエスパルなら簡単に呼んできそう。そういう得体のしれない南国のエネルギーとパワーと明るさに満ちているもんな。二人は。。

あっ、メキシコで『改題・ぴちがい裁判』をやるときの話しでした。同時通訳。面白くなるぞ!

posted by Mukai Kumotaro at 14:21| 日記