2018年12月08日

TOIT

2013年から2015年まで公益財団法人セゾン文化財団から助成金を頂いていました。一番額のでかいシニアフェローでした。シニアに選ばれるのは毎年、日本で数人。ありがたいことです。

初年度と2年目は250万円、3年目は300万です。カルロス・ゴーン容疑者と同じで決めるのはすべて自分。けれど一銭ももらわなかった。公演に使って、出演者・スタッフに支払って終わり。

自分は一銭も貰わないどころか借金です。いまもこの頃の借金で苦しんでいます。とほほ。

しかしお金の匂いというかそういうことに敏感な人がいて、見事にあの三年間だけしか付き合わなかった人が大勢いる。お金の切れ目は縁の切れ目。たかられてたともいうのか。

お金にまつわるトラブルも沢山経験しました。どう考えても最初の提示額が高すぎたので相談したら「詐欺じゃないですか。」と罵られたり。えー?!詐欺?そんな。

愛とか理想を口にするくせに最終的には、お金のことでごねだして揉めるなんてこともよくあった。その点、師匠はそんな綺麗事はまったく口にしないので逆に信用できる。「金じゃ、金。金持ってこい!」

大変な勉強でした。お金というのは心意気なのだと思います。その人のことをどう考えているのか?どう思っているか?その証です。言葉をいくら重ねるよりも、ギャラを支払うことの大切さがあるのです。身に沁みて知りました。

さて、3年目は助成金を元手に念願の稽古場を借りようと右往左往しました。しかしなかなか難しい。

維持するためには公演をやるしかないのですが、そのためには駅からのアクセスの良さが必須条件になる。しかし駅近だとバカ高になるので痛し痒し。

いろんなところを見に行った。図面上ではわからないことが行って見るとよくわかる。

どう見ても夜逃げをした後のボロボロのクリーニング屋とか。あれはひどかった。10万ぐらいしたのか。

あんな物件を平気で紹介できるなんてひどい。先のピンピンの靴を履いた兄ちゃんだった。他にも変なのがいっぱいいた。不動産屋ってのはあんな感じなのか。

一番ひどかったのは高田馬場の不動産屋。武蔵関の物件を見に行ったのだけど待ち合わせに遅刻してきて謝りもしなかった。デブの男でロボットかと思った。気持ちの悪い奴だったなあ。そのあと脅しのような着信伝言録音がされてて拒否して削除した。

そうこうしているあいだに武蔵境の不動産屋『ドリーミンホーム』と知り合って。やっぱり人なんだな。懇切丁寧に物件を探して紹介してくれた。

駅前にあるチェーン店は、物件を仲介してその手数料で利鞘を稼いでるのだけど、ここは自分のところで物件を抱えてて面白いところをたくさん紹介してもらった。

ただ稽古場となると音の問題でやはり地下とかになるし、そうなると賃料が高くなってしまう。

「家賃が10万円を超えてくると、一月滞納したら終わりなんです。次の月に20万円を払わないといけないから。」担当の大野君がまっすぐに俺の目を見て言ってくれて納得。

稽古場を借りるのは断念して事務所を借りることにした。そして見に行って一目惚れして借りたのが『トア』"TOIT"でした。

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床の間付きの奥の八畳。フローリングカーペットを敷いてだんだんと荷物を持ち込んで。「やるぞー。」と意気込んでた。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 05:20| ブログ?