先日、教育テレビで手話の話題をやってて何気なく観てました。なんだか不思議な光景で変だな。と思っていたら見たことのない手話だからなのでした。
お互いの手を触りあいながら手話をやっているのです。やがて『盲ろう』と言われる視覚と聴覚のない人たちの手話だとわかってきました。
ヘレンケラーの世界です。聞こえないから同時に喋ることもできない。見えない聞こえない喋れない。盲ろう者同士のコミュニケーションの場の映像です。
一般的な手話は見ることで理解するけれど、見えないので触れることによって手話を成立させる。この分野は世界的にも人口が少ないらしく、特に後進国ではまったくケアがされていないらしい。
インドには40万人の盲ろう者がいて、そのほとんどが手に職を持っていないらしいです。
そして、この盲ろう者同士のコミュニケーションには必ずもう一人の介在者が必要ですが、それができる人がほとんどいないそうです。
触れることでしか、他者を感じることかできない。触れることでしか、コミュニケーションをとれない。触覚だけが頼りだから、さぞかし鋭敏なんだろうな。
ひとつ情報が遮断されると、残りの情報器官が敏感になる。
映画『Ray』で、レイ・チャールズが女性の手を触って人となりを判断するのが印象的だった。手を触るとすべてがわかってしまう。
大駱駝艦の夏合宿で『目隠し鬼』というのをやっていて、文字通り目隠しして鬼ごっこをやる。
視覚を奪われることで、周りの反応がまったく違って感じられるのが面白いのです。
周りが取り囲んで外に出ようとする人を押し返すのだけど、膝でグイグイ蹴られたりしてものすごく悪意を感じる。
そんな時に好きではない奴の顔が浮かんだりして。見えないからわからないのだけど、不思議。
最近は、この目隠し鬼はやってないのかな。面白いのだけど。あり得ないタイミングでしゃがんでその上を鬼が手を伸ばしてスルー。とか。
けれど本気の鬼ごっこなので、怪我人が出たりしてやらなくなってしまった。デュ社で復活させよう。視覚障がい者とやったらより面白いかもしれない。
パラリンピックの影響でこういう番組が、だんだん増えているけれど良いことだと思います。日本人は特別に優勢意識が強い民族らしいので、劣勢の人々には普段は凄く厳しいですから。
チャンスです。どんどん利用していまのうちに市民権を強めていこう。
日本には約2万人の盲ろう者がいるらしいです。