2018年12月19日

続きの続き

そうこうしていると、そろそろ時間です。「Radies and Gentlemen.」幸平が英語で、直哉が日本語で挨拶。こんなところも気が利いてるなあ。と感心。

暗転になって仕切り直し、ゆっくりとした明転。このゆっくりとした明転というのが難しくて未熟な照明家だと「ぱかっ。」とついて「あーあ。」となるのですが素晴らしい明転。誰がやってるのかな。

今日は稽古場発表会なのでスタッフもすべてダンサーがやります。このダンサーが音響や照明をやるというシステムがミソで、自分たちの踊りの稽古にもなっているのです。

うまいダンサーは音響をやらせてもうまい。センスのいいダンサーは照明をやらせてもセンスが良かったりするのです。俺も昔は、音響をやっていて兄弟子の村松卓矢や八重樫玲子を唸らせたものです。

それはさておき。今回は珍しく音楽家が入っての生演奏です。オープニングはカラオケのようですがたぶんその音楽家の録音です。ゆっくりと白塗りが浮かび上がってきます。この瞬間がワクワクするのです。何か訳のわからない得体の知れないものがゆっくりと浮かび上がってくる。

幸平と直哉が椅子に座っています。シャム双生児のようにからだを絡ませてまるでくっついてるような錯覚をさせる。と、なんだか上手の方に誰か寝転んでます。見たことのないダンサー。なのか?しばらくして「あー、この人が音楽家か。」と気づきます。

音楽家も白塗りをしていて驚きます。でもまあ、あるのか。そういうことは。音楽家だから白塗りをしない。とかいう常識は壺中天にはありません。この音楽家・四家卯大という人が面白くてだいぶんいいところを持って行かれてた。

踊ろうとするのではなくて、楽器を演奏する姿がすでに踊りになっている。嘘のない踊り。踊ろうとするとそこには作為やテクニックが見えてきてしまい、面白くなくなってしまうのです。

そんな舞台を見ていると、「テクニックを磨くのではなく、踊りを磨くのだ。そして踊りを磨くために、人間を磨くのだ。」という言葉が頭に浮かんできます。

そこからは、へんてこな若羽幸平ワールドが満載、圧巻は幸平のソロで、そのまわりで皆んなが止まっているところ。完全に意味がわからなくて気が狂っていて爆笑しました。

打ち上げで幸平に聞いたら彼の中ではつながっていて理路整然としてたらしいのだけど、観客として観たら何をやってるのかまったくわからなくて意味不明。しかし嫌なわからなさ、意味不明さではなくて笑ってしまう面白さがあった。

そう。幸平の人間自体はあんまり愛嬌もなくてユーモアもない感じですが、作品はユーモアに溢れていたのでびっくり。

10年以上付き合って失礼な言葉を何回か吐かれて絶交したりしてたけど、はじめて知る彼の面白さを見た思いがした。

人間というのは、わからないものです。

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見事な演奏を聴かせたいただいたチェリスト:四家卯大さん。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 06:40| ブログ?