2019年05月20日

スタンディングオベーションについて

先日、残念ながら入院していて観劇できない母親の代わりに梅田芸術劇場へと参りました。

女性が98パーセントです。平日の昼だけど皆さん仕事は休んでいるのかな。

梅田芸術劇場は、キャパシティが1000席ですが満員でした。誰かタレントが出てたのか。

生演奏でセットも豪華な感じだった。内容はさておき、二度目のカーテンコールで前のほうの数人が立ち上がりました。ファンなのか。

「え?」と目を疑ってたら、瞬く間にまわりの人たちが立ち上がりはじめた。

まわりが立つから立って拍手するという雰囲気が一瞬で充満して、前が立って観えないから立つという連鎖もあって「あっ」という間に会場の大体がスタンディングしていた。

舞踏家として右に倣えは真っ平御免なので絶対に立たなかったですが、同調圧力が凄まじかった。怖ろしい。

「何故、賛同しないの?」「いやいや立って拍手するほどでは、まったくなかったでしょう。」

人生で立って拍手したのは二回だけです。一度目はダムタイプの大名作『S/N』で20代だったのか。

オープニングからかっこいい重低音の音楽が鳴り響き、そこから観たこともないような舞台が繰り広げられて衝撃を受けた。

映像と音とダンスという、それからありとあらゆる人たちが影響を受けていまだに真似している作品です。

舞台で映像をつかうというパイオニア的作品で画期的で時代の最先端だった。

立って拍手するなんて恥ずかしい事はできない年頃で、20年以上前だから観客にもそんな習慣はなかっただろうけれど気付いたら立って拍手をしてた。

「はっ。」と我に返ってまわりを見たら観客全員が立って拍手をしていた。あれは感動した。一生忘れられない記憶です。

二度目は、イギリスのテアトル・ド・コンプリシテの『ルーシーキャブロルの三つの人生』。

オープニング、舞台奥の暗闇から役者が一列であらわれて舞台ツラの靴を履くところからはじまります。

そこから肉体をつかってのありとあらゆる創意工夫が素晴らしく、3時間以上あったと思うけれど一気に飽きずに魅せられて完全にノックアウトされた。

こちらも気づいたら立って拍手をしてて、まわりを見たら東京グローブ座の全員がスタンディングオベーションしていた。あれも忘れられない思い出です。

もうかれこれ2年以上作品を創っていないけれど、いつかはスタンディングオベーションをさせてみたいと思っています。もうこうなってくると夢のようです。

お仕着せや同調圧力でのものではなくて、ファンが出演者に気を使ってとかそういうことではなく。

自然発生的にそうなるような作品を死ぬまでに絶対に制作したい。決意を新たにしたのでした。

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Dumb Type 《S/N》より。ラストがほんとうに限りなく美しくて涙が溢れた。Photo by Kazuo Fukunaga.
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 07:42| ブログ?