2020年01月23日

彼は何に変身したのか

朝起きたら虫になっていた。

カフカの『変身』の有名なはじまりですが、一度読んだだけで覚えていなかったので調べたらだいぶん違ってた。

“ある朝、グレゴール・ザムザがなにか胸騒ぎのする夢からさめると、ベッドのなかの自分が一匹のばかでかい毒虫に変わってしまっているのに気がついた。”

この変身ですが、単なる悪夢ではなく、虫、毒虫とは、役に立たないもの。という風に考えるとまた違った読み方ができるとか。

“ある朝、グレゴール・ザムザがになか胸騒ぎのする夢からさめると、ベッドのなかの自分が一匹のばかでかい役に立たないものに変わってしまっているのに気がついた。”

寓話なのだな。自分の身に置き換えてみると・・・

“ある朝、わたしはなにか胸騒ぎのする夢からさめると、ベッドのなかの自分が一匹のばかでかい舞踏家に変わってしまっているのに気がついた。”

社会であんまり求められていない、役立たずで穀潰しの舞踏家に朝起きたらなっていた。

さあどうしようか・・・仕事もないしやることもない。

「まずわたしは下半身をベッドの外へ乗り出してみようと思った。まだ自分のからだの下半分を見ていなかったから、どんな格好をしているのやら見当もつかなかった。

さて、いびつにゆがんで引きつっているそれをうごかしてみる段になると骨が折れた。じつに動作がのろくさくゆっくりだったのだ。

まるで永遠のように、少しずつ少しずつゆっくりとうごく。

とうとうわたしは腹をたてて、力いっぱい前のほうへからだを投げ出した。

ところがうごかし方がまずかったとみえて、ベッドの脚へしたたかに打ちあたり、ひりひり焼け付くような痛みを感じた・・・」

滑稽だけど面白いぞ。作品のオープニングにできそうだ。

今度、新作のオープニングにしよう「そうしよう。」

舞踏家集団デュ社第5回公演『変身』

舞踏っぽいうごきでベッドからなんとか這いずり出て、そこから『舞踏?』の流れへつなげればいいか。

舞踏?では白塗りを落としてはじまったが、逆に白塗りをしていこう。ここは『アホとロマンの皮袋』を踏襲する。

部屋で密やかに白塗りをする男。それを覗き見る観客という図式。

白塗りしてたら宅配便がきて“舞踏家養成ギプス”が届く。舞踏家を養成するためのギプスを装着して部屋の掃除をする。

リモコンでテレビを点けてチャンネルをザッピングしてたらギプスの宣伝をやっている。

「いまなら51,600円がなんと2,000円引きで49,800円、49,800円のよんきゅっぱ。電話番号はフリーダイヤル0120、210210のブトーブトー」

テレビを消してギプスをゆっくりと外して呆然とソロを踊っていたら、白塗りの男と女が静かにあらわれる・・・

とかやるかどうかもわからない、作品のことなんて考えている場合ではないな。

2月11日の公演のことを考えねば。

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表紙に虫の絵を使いたいという出版社に、カフカは「虫そのものは描かないこと。遠くに見えているのもだめ」と回答したとか。初版:左。その後の版:右ではカフカの意思は無視されている。Photo by カラパイア

参照:『無知と知が出会う ビッグバン』朝日新聞 エンタメ 2020年1月1日 『文学にみる障害者像』佐々木正子 ノーマライゼーション 障害者の福祉 2007年6月号
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 08:58| ブログ?