2020年06月25日

ジャジューカ村滞在2日目

初日のマスター・ミュージシャン・オブ・ジャジューカの演奏は、とぎれなく夜更けまでつづいた。

終わってからもしばらくは、耳の中で金切りごえのようなチャルメラの音が鳴り響いてどこにいるのかわからないような状態だった。

次の日、起きたら朝食が用意されていて「メルシー・ボクー」しぼりたての牛の乳が美味かった。

リーダーの奥さんがいろいろと用意をしてくれるけれど恐縮。水はどこかの井戸から奥さんが汲んでくるようで、つかうのが申し訳なかった。いつもザッと水を浴びるだけにしていた。

一緒に泊まっているジャーナリストだというプロレスラーのスタンハンセンみたいなおじさんが、水をザバザバつかって水浴びしていていて音を聞いているだけでひやひやした。「もう少し遠慮しろい」とこころのなかで思っていた。

部屋は寝ているとハエが耳元にブンブン飛んできて、ディズニーランドの『プーさんのハニーハント』のようだった。

ハエがやけに多いなあと思っていたら、向かいの部屋が牛小屋だったのでした。

今日も昼ごはんは、テントで食べるので移動です。

とり肉のクスクスでめちゃうまだった。食べ終わるとまた村人が演奏をはじめます。昨日はわからなかったけれど、マスター・ミュージシャンも何人か入っている。

チャルメラのような楽器“ライタ”をつかうのは夜のフェスのときだけのようで、昼間は笛をつかっていた。太鼓とあと昨日はライタを吹いていたおじさんがバイオリンを弾いて、それがとてもエキサイティングで盛り上がった。

昼間は歌もうたっていた。ひとりがなにかを問いかけると、他がそれに答えるという問答形式になっていて絵解き曼荼羅のようでかっこよかったなあ。

いろいろと世話をしてくれるリーダーの息子、ビラルが調子のりで演奏中におどりだしたりする。

太鼓も好きなようで、しかし下手くそなのでかれが叩きはじめるといっせいにみんなが演奏をやめてどこかへいってしまったのが可笑しかった。踊るのは許されるけれど太鼓はだめなのだな。

ビラルは太鼓は下手だけど笛は素晴らしく上手で夜に吹いてくれたけれど、どこかさびしげな音が美しくこころへ響いた。

父親はマスター・ミュージシャン・オブ・ジャジューカのリーダーであり、偉大な太鼓叩きでありそんな父親に憧れているけれど、彼には笛のほうに才能があるという運命のいたずら。好きなことと得意なことは違うのだ。

いつかビラルは、ライタでジャジューカを率いるようになるのかもしれない。

夕方にまたテントにもどって晩ご飯をたべてそのあと、暗くなった頃にマスターたちがあらわれます。

はじまったらエンドレスループ、昨日よりもながく演奏がつづいて音の洪水に夜通しおぼれつづけたのでした。

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『山羊とすれちがう戌井氏』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 09:01| ブログ?