先日、用事があったので吉祥寺へ。
どのお店も必死で感染症対策をなさっています。通りがかったパチンコ店はマスク着用でなければ入店できなかったし、入り口で検温も実施していた。
ほとんどの店でマスクを着用してくださいと店頭に張り紙がされていた。
用事が終わったので、武蔵野市立吉祥寺美術館へ。
ここはいつも素敵な展示をしていますが、いまはアール・ブリュットの展覧会をやっている。
画家のジャン・デュビュッフェが正規の美術教育を受けていない常識に汚されていない、まっさらで無垢とかいう意味で“Art Brut”と名付けたとか。
アウトサイダーアートというのもありますが、こちらは死刑囚の絵画なんてのも入っていてもうちょっと大きなとらえかた・・・
呼び方やカテゴリーはどうでもいいな。
1993年に世田谷美術館で観て以来、とりこになっているので楽しみにして吉祥寺美術館へと向かいます。
美術館へいったらまずは検温、手の消毒。いきなりアンケートを強要されるので不審におもうと、何かあったとき用の連絡先の記入でした。
展覧会にならんでいた絵や造形物は、どれもこれもあいかわらず感性を刺激してくれた。
何故、こんなに惹きつけられるのだろう。
かっこなんて気にしてないところがいいのか。上手く描こうとかしてないところがいいのかな。ただ描くことが好きなんだというのが伝わってくるからか。
ピカソ風なんだけどおそらくピカソのほうが真似をしてるのだと思わせる説得力と緻密さがあって、驚かされる。
もうこれ以上細かくは描けないというぐらいに小さな線がひかれていて、老眼なのでメガネをはずして画面に顔を近づけてみたら飛行機が描かれている。
南蛮渡来の人たちにまじって恐竜がいて食パンマンがいてガイコツがいる。めちゃめちゃな構図だけどみていて気持ちがいい。
ただ短い線を描いているだけなのだけど、その線のあつまりが全体として見事な絵画としてなりたっている不思議。
どれもこれもいくら見ていても見飽きないし、切り取って持って帰りたいほどで「買えないですか?」と口にしたくなるけれど、無理そうなのでスケッチだけをした。
こんなにへんてこでいいんだ。こんなにはみ出ていいんだ。ここまで細かくていいんだ。ここまで大胆でいいんだ。自由でいいんだ。なんでもいいんだ、どうでもいいんだ。
「これでいいのだ」
帰りは満員電車・・・
劇場やパチンコ店や美術館が一生懸命に努力してできる限りの感染症対策をしているのに、電車会社はなぜなにもしなくても許されるのだろうとやはり疑問に思いながら帰りました。
アール・ブリュット展は吉祥寺では7月7日まで、そのあと渋谷公園通りギャラリーにて9月13日までおこなわれますのでお時間ありましたら。>>アール・ブリュット2020特別展
『模写 2020.6.30』