お相撲さんの四股名が興味深いです。
十両の朝弁慶の名前が変わっていて可笑しい。
アサベンケイって、朝だけ強いみたい。ウチベンケイは家の中でだけで強いひとのこと、ソトベンケイは家の外だけで強い。
トビザルとアクアってのもどんな力士か見たことはないけれど変わった名前。チュラノウミはぜったいに沖縄出身だな。把瑠都なんていうひねりのない四股名の力士もいたな。バルト海出身だからバルト。
それはさておき、大相撲7月場所13日目。
西の関脇、正代は横綱白鵬の休場により不戦勝で10勝、ラッキー。東の関脇、御嶽海も10勝して大関昇進の起点になる関脇での2桁勝利です。
そして、朝乃山と照ノ富士の新旧大関、1敗同士の直接対決は、なんと幕内最下位の照ノ富士が勝利。
番付がはるかに上の大関、朝乃山は屈辱的なダメ押しまでされて敗れてしまいました。相手が土俵から出ているのにさらに押す行為で、久しぶりにみました。
ダメ押しは相手に怪我を負わせることもあるし危険なので、大相撲ではよくないこととされて非難の対象となるのです。引退した朝青龍や白鵬もダメ押しで非難をされていた。
白鵬はじぶんが大相撲を観ていない時期に、横綱の品格ということをしきりに言われていました。懸賞金のもらいかた、ダメ押しにカチ上げにヒジ打ち。勝負だわらを踏みつけるなんてのもあった。
結界である勝負だわらは神聖なもの、踏まずにまたがねばならないそうです。そういうことを教えてもらえなかった不幸もあると思います。
相撲も格闘技、言ってみれば喧嘩みたいなもの。めっぽう気が強く喧嘩っぱやくて荒っぽいくらいでないとやっていけないところもある。
そうして、古代の相撲ではダメ押しは好ましくない行為ではなかったようです。
日本書紀に残る、ノミノスクネとタイマノケハヤによっておこなわれた天覧相撲の記述によれば、スクネは倒したケハヤに踏み付けのダメ押しをおこない、ケハヤの腰骨を踏み折って殺害する。
この勝負の結果、スクネは所領を得て垂仁天皇への仕官がかなったそうです。
ちなみに、このノミノスクネとタイマノケハヤの力比べが国技相撲の発祥とされるそうです。大相撲のそもそもの発祥が殺し合いだったのだな。
荒っぽくて当然です。
そういう意味で見れば、照ノ富士に比べると朝乃山は甘さがあったかもしれません。
さあ大相撲はいよいよ大詰め、あと2日。
1敗の照ノ富士が先頭をはしって、それを2敗で朝乃山が追う展開です。
どうなるか。
『野見宿禰と當麻蹶速』
参照:奈良県葛城市ウェブサイト『相撲発祥と當麻蹶速』