2020年09月02日

まっすぐな正義

1923年9月1日、大地震が関東地方を襲った。

震災発生後、混乱に乗じた朝鮮人による凶悪犯罪、暴動のデマが広まった。

民衆・警察・軍によって朝鮮人、また間違われた中国人、日本人の聾唖者などが殺傷される事件が続出した。

聾唖者ということはあやしいと言って答えられないから殺したのか。ひどいなあ。

犠牲になったひとの数は、大震災による死者数10万5,385人の1%から数%と詳しいことはわかっていません。

デマは『朝鮮人が婦女を犯し、井戸に毒物を投入した』などというもので、このため、日本刀や竹槍、猟銃などで武装した自警団が、関東一円で3,700もつくられ、朝鮮人を襲ったという。

相手をひとではないと見なすことで、何をしてもよいと自分の攻撃行動を正当化してなおかつ自尊心を高めることができる。

過激化する暴徒には、かならずこのこころがあるという。

9月2日、夕方。 

自警団員が4人の男を朝鮮人だと横浜の鶴見署に連行して「持っている瓶に毒が入っている。たたき殺せ」と騒いだ。

鶴見署の大川常吉署長は「そんなら諸君らの前で飲んで見せよう」と瓶の中身を悠々と飲み干し、興奮する暴徒を納得させた。

しかし翌日、状況はさらに緊迫。

大川署長は多数の朝鮮人らを鶴見署に保護してかくまう。それを知った群集約1,000人が署を包囲して「朝鮮人を殺せ」と激しく騒いだ。

「朝鮮人たちに手をだすならだしてみよ、はばかりながら大川常吉が引き受ける。この大川から先に片付けた上にしろ、われわれ署員の腕のつづく限りは、一人だって君たちの手に渡さない。」と大川は大音声で一喝。

彼の気迫に群集の興奮も収まったかに見えた。しかし、それでも収まらない群集の中の数名が大川に詰め寄った。

「もし、警察が管理できずに朝鮮人が逃げた場合、どう責任をとるんだ。」

すると大川は「その場合は切腹して詫びる」と答えた。そこまで言うならと、ようやく群衆は去って行ったのでした。

保護されたひとは朝鮮人220人に中国人70人ら、300人に上ったという。

大混乱の同調圧力のなかでキラリと光る、ほんとうの正義なのでした。

いま起こっているコロナ騒動も自然災害みたいなものですが、同調圧力やデマ、中傷は相変わらずです。自警団のようなものをつくって街を見回る人たちまでいる。

それらはすべて、ゆがんだ正義感から来ているそうです。

そうして、ひとを分断させる、いつまでもなくならない差別するこころ。

どんな非常時でも公平で公正で同調圧力に屈しない、ちから強い正義感を持っていたいものです。

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『大川常吉署長』

参照・引用:防災システム研究所HP | 2008年3月 内閣府中央防災会議 関東大震災【第2編】| 2020年8月19日 毎日新聞
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 12:00| ブログ?