2020年09月14日

差別の授業

おはよう。

みんな、宿題はやってきたか。

そうや、宿題はお父さんお母さんはどこで生まれたかやったな。

そんでは、お父さんお母さんが東京で生まれた人は手を上げろ。はい、それ以外のやつらは廊下へと机を移動しろ。

東京は日本の首都や。

東京生まれの人のほうが偉いのは当たり前。これからは、両親が東京で生まれたひと以外を非東京人と呼ぶことにするで。非東京人のやつらは両親が東京生まれのひとの名前を“様”をつけて呼ぶことに決める。

はい、田中。「それは理不尽です」やて?やかましい。世の中いうのは理不尽なもんや。よう覚えとけ。

これから掃除はすべて非東京人がすること。以上や。


おはよう。

昨日、先生、両親が東京生まれのひとのほうが偉いと言うてたけど、間違ってたわ。ごめん。

お父さんお母さんが東京生まれと手をあげたやつらは残念やけど、家へ帰って自粛や。

ウィルスいうめっちゃ怖ろしい、死にいたる病原菌に汚染してるかもしれへんねん。

トイレの掃除は両親が東京出身のやつらの仕事と決める。はい、木村。

「なぜぼくたちが掃除をしなければいけないのか?」

ええ質問や。それはお前らがウィルスに感染しているかもしれんからや。感染者数がいちばん多い諸悪の根源、東京以外のやつがトイレに触ることはできへんねん。

いうてみたら東京問題や。はい木村。

「逆にぼくたちが触らないほうがいいのでは?」

掃除のときは手袋をはめてマスクをするから大丈夫や。ほかのところはけっして触ったらあかん。ひととひとのあいだは2メートルあけるように。掃除のあとはアルコールですべて拭くように。

いまから配る布マスクをして掃除でくる以外は、家でおとなしくしててくれ。学校にきたらあかん。お前らだけ、授業はオンラインでやるで。

みんなにうつしたら迷惑やからな。

それ以外のひとは両親が東京出身のひとには近づいたり話したりしたらあかん。触ってもあかん。ウィルスが感染したらめっちゃ怖いで。

もしかしたら死んでまうかもしれんからな。

そんでは今日はこれから、保健のテストをやる。

耳あかをとって、それが乾いているか湿っているかを調べる。


乾いている人?

はい。お前らは大陸から日本へとやってきたやつらやから、廊下へと机を移動しろ。

耳あかが湿っていたひとたちは、そのままでええで。

きみたちは選ばれた人間や。生まれながらの日本人で、とっても偉い。掃除もせんでええし、これからいろいろとひいきをしていくから。

それでは授業おわり。

アメリカの教師、J・エリオットが50年前におこなった白人児童を眼の色で分ける人種差別の実験を参考にアレンジした、諸岡カリーマさんのコラムをさらに参考にしてアレンジ。

kkk2.jpg
『差別の先生』

参照:2020年7月4日 東京新聞
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 15:06| ブログ?