娘が夢中になって読んでいた漫画『約束のネバーランド』
目が回るほど忙しい毎日のなか学校の図書館から借りてきて、すこしずつ目を輝かせて読んでいた。
ついでにじぶんも読了。
近未来、オニたちが支配する世界でオニが食べるために育てられる人間の子どもたちの物語。その子どもたちが農園と呼ばれる食肉製造所から脱走して、運命に逆らって自由を目指す物語りです。
仲間が助けあうところは漫画の『ワンピース』に近いのか。政治的な国家の話が出てきたり宗教も絡んできて『風の谷のナウシカ』をほうふつとさせる奥行きも感じる。
最後は子どもたちがオニの王さまに助けられて、なんていうファンタジーもある。日本で映画化されて、今度はハリウッドが映画化に乗り出すぐらいによくできていた。
オニが出てくるところは、いま大流行の『鬼滅の刃』に似ている。しかし鬼滅の刃というのはどうもこころが惹かれない。
絵と物語が子どもっぽすぎる。デカすぎる眼とアニメすぎる声優の喋りかたが恥ずかしい。鬼滅が小中学生向けならば、約束のネバーランドは中高生向けてな感じ。
読んでいて思ったが、オニを人間と考えると食べるためにいきものを飼育しているのだから、いまの人類と構造はおなじ。
食べられるために育てられ、死ぬときは食べられるとき。子羊や仔牛なんて子どもなのに食べるのだから、このお話とまったくおなじで残酷だなあ。と思ったりする。
たまごなんて生まれるまえに食べてしまう。
残虐で残酷なことを人間はやっているのです。
残虐で残酷といえば最近、テレビのドラマやネットフリックスの映画を娘と観ていると、ひとを殺すシーンがけっこう出てくるので大丈夫なのか。と心配になります。
影響を受けるひとはかならずいるだろうことは容易に想像できる。観ているうちにオニにこころを喰われて、実行にうつすなんていうことにならなければいいのですが。
あいかわらず凶悪な殺人事件はなくならない。
古代からオニとひとは表裏一体、殺人鬼というくらいでオニと殺人はむかしから関係が深い。この世ならざるところに潜むオニ。
ひとがつくりだすオニ。
誰のこころのなかにもオニは住んでいるのです。
『約束のネバーランド 鬼の王さま』を模写。
白井カイウ・出水ぽすか/集英社
