2021年02月01日

Let us walk towards the top

師匠の麿赤兒が暗黒物質についての作品を発表します。

残念ながら文化庁の仕事で観れないな、残念。

しかし麿さんならば他人の仕事を観に来るぐらいなら、じぶんのことを優先しろ。と怒ると思うので淡路で仕事のほうが喜んでくれるでしょう。そんなふうに思いながら湯山と電話で打ち合わせ。

スケジュールを確認してるうちに事業の工期を1週間延期することになり。ん?師匠の作品を観にいけるんじゃね。と速攻予約、湯山とおなじ日にいきます。しかしやーまん、緊急事態宣言下の首都へと突っ込んでくるとは、その心意気や良し。

リスクを怖れずに生きていくのです。

師匠は東日本大震災のときも、ニホン中が自粛し萎縮しているときにおなじく世田谷パブリックシアターで公演を敢行した。

あれはほんとうにかっこがよかった。打ち上げで「最近、自然のやつがわしの真似をするから、次はちょっと違うことをしようと思ってるんじゃ。」といってたぐらいに、偶然で不思議な符牒がたくさんあって驚いた。

おなじ頃、スタジオジブリでも作品が完成間際で公開を延期しようとするスタッフに宮崎駿さんが激怒していた。「こんなときだからこそやらなければならないんです!!」宮崎監督の真剣な思いがビシビシと伝わってきて感激した。

やめるのは簡単、しかしやめてしまってはもったいないのです。

今年は、神社のうらないで『八方ふさがり』とでた。前後左右、全方位ぐるりとまわりを囲まれている。どうする?万事休すか。なにもやらずに静かにしていたほうがいいのか。

いや、横がダメなら上下がある。

底辺はいままでの人生で嫌というほど経験をしているので、これからはとにかく上を向いて歩こう。

考えかたがマイナー思考にならないように気をつける。意識をメジャー思考へともっていく。規模を大きくするというより、質を上げる。そのためにお金をかける。高いところを飛んでいるひとたちと遊び、上へと連れていってもらう。

ときたま、はるか上を飛んでいる師匠の舞台を拝見し勉強する。

この世界の85%をしめるという暗黒物質、ダークマターについての新作です。

どんな作品になるのか、乞うご期待!!

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『雲のへんしん』

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2021年02月02日

Let's move

家に劇場をつくる。

そんな夢のようなことを言いつづけていたら現実となりそうです。

国の援助をうけて庭に野外劇場をつくるのです。

「芸術の火を消すな」「こんなときだからこそ」と文化庁が、がんばって予算をとってくれてまったく仕事のなくなってしまっている日本中の芸術家たちの仕事をつくりだし、活動を補助してくれます。

ありがたいことです。

舞踏家集団『デュ社』は淡路島の本社庭に感染症対策バッチリの稽古場兼劇場をつくる事業で申請をしていました。

2月のあたまから事業開始なのでそろそろ移動の準備をしています。都志にはコンビニとお店が数軒しかなくて手に入るものがかぎられているので、できるかぎり東京で買い物をして送ります。

とか思っていましたが緊急事態宣言延長ということで移動をすこし延期します。

しかし、こんなときだからこそかならずやる。師匠やこんにゃく座を見習うのです。リスクを負うのを怖れていては何もできない。

安全と危険がフィフティーフィフティーじゃないと冒険ではないそうです。冒険好きのじぶんとしては興味深いですが、では現在危険は何%あるのだろう?

東京にいてうつる可能性は?移動してうつる可能性は?もし万が一罹患して、そこから重症化して死にいたる可能性は?交通事故にあう可能性は?必要以上に怖れていないか?そもそも危険などあるのか?

数%しかないリスクを怖れて、のこりのほとんどを犠牲にしていないか?

売れっ子の芸人さんやタレントさんが、どんどんなったかたが出てきてうれしい限りです。もうリスクとかマスクとか気にしなくていいのでうらやましい。

力士も半分ぐらいが感染済みのようで、今年中に力士全員がなってしてしまえば関係なく稽古がたくさんできるので良かった。

アメリカのある州ではすでに、3人に1人が罹患済みで集団免疫を獲得しつつあるとか。

延期になった鉄割アルバトロスケット公演も秋にはやれるでしょう。

いまは、なにをやるにも向かい風。

しかし明けない夜はない、とけない雪はないと生きていくのです。

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遠田誠氏とニューヨークにて。2013年のちょうどいまごろだった。Erin Baiano for The New York Times.
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2021年02月03日

dream

どこか地方で鉄割アルバトロスケットの公演をしている。

だいぶんまえに台本が配られたので、すっかり忘れていて、まったく覚えてないのでピンチ。

一緒にでる新潟のグループの女の子に台本を借りてコピーをしにいく。「近くにコンビニとかあった?」と聞いたら「目の前にありましたよ」と言われてよし。

階段を降りて会場から出るが、さびれたその町にはお店ひとつない。

会場のまわりをぐるぐるぐるぐる探して回るけれど店はない。コピーがすぐできるようにと台本を見ると、よく使い込まれていてページごとにビニールがかけて分けられてて偉いなあと感心する。

感心するけどページがうまく開かないのでどないなっとんねん。これではコピーができない。本番の時間が刻一刻と迫るので焦る。

これから覚えるのは至難のわざ、イチかバチか覚えずにやるか。けれども戌井君の悲しそうな顔があたまに浮かんで、それではいかんと思いなおす。

だんだんこんなことあるわけない、これは夢だなと気づいてくる。

目が覚めて夢で良かった。

鉄割の夢はたいてい台本を覚えていないというもの。実際には台本は覚えて一言一句、間違えないようにしようと努力します。

努力しますが本番ではそんなことにとらわれていてはつまらないので、なにもかも放り投げて思い切って臨みます・・・

実家にいる。

妹が帰ってきて騒がしい。母親も帰ってきて家のなかを軽快に歩き回っている。姿勢も良くてええやん。

と思っていたらだんだん目がさめてきて、なんや夢か。

こちらは夢でちと惜しかった。現実には母親はだんだんと歩けなくなってきている。しかし気持ちはしっかりとしているので、もし歩けなくなっても車椅子で移動をすればいいと思う。

思うけれど、じぶんの足で歩くというのは人間のたのしみでもある。

近未来のひとたちは歩かない。足が退化して車椅子にのって生活している。

多和田葉子さんが書いた『献灯使』がそんな小説だった。

いまひとは車社会になってほとんど歩かなくなってきている。スーパーまで車でいってスーパーの中だけ歩いて、そしてまた車で帰ってくる。

歩くのは家のなかと店のなかだけ。そんなひとが現実に増えてきているのです。

そのうちにひとは、ほんとうに歩く必要がない生活を手に入れるのかもしれない。

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2012年8月、遠田誠氏と世田谷トラムにて。独立して来年で10年か。
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2021年02月04日

おんなとかおとことか

ちかい将来に、スポーツにおいて性別で差別するという常識が変わるかもしれません。

陸上女子で先天的に男性ホルモンの多い選手が、不当に競技から排除される例が出てきているというのです。

これだけ性が多様化している現代、女と男で差別すること自体がおかしいのではないのか。と問題になってきている

からだが男でもこころは女性のひともいれば、からだが女性でもこころは男のひともいる。

またもっとちがう想像もつかないような曖昧な割り切れない感じのひともいるでしょう。個人差のある多様なひとのからだを性別で線引きするむずかしさ。

スポーツの世界で差別がなくなり平等になるのはいいけれど、それでは男ばかりが優勝するのではないか?そう心配するひとたちもいる。

そうなるかもしれないし、ちがうかもしれない。

100メートルでは黒人アスリートばかりが優勝するけれども、競技とはそもそもそういうものでしょうと思う。無差別こそが競技の醍醐味、黒いひとのなかに1人だけ黄色がいたりするからこそおもしろい。

大リーグはそのむかし、黒人リーグと白人リーグに別れていたそうです。いまではとうてい信じられないことだが、ほんの50年前はそんなことをしていた。

あと50年たったら女性と男性で差別していたなんて信じられない時代が来るのでしょう。

オリンピックとパラリンピックで差別するのも腑に落ちない。

障がい者差別はやめなければならないと世界的に声を大にして叫ばれているのに、公衆の面前で堂々と差別しつづけている。

これも差別するのが、いわゆる健常者といわれる側のひとたちだからです。見えすいた美談や同情や憐憫という偽善をやめなければならない。それを感動的に演出して企業の宣伝に利用するなんてもってのほか。

差別するのはどんなことでも、とにかくやめなければならないのだと思います。

そのためには思い込みを捨てて、前提を疑っていくことが肝要。

男が働き女は家で家事をすることが前提でつくられている社会、歩けることが前提でつくられている街、目が見えることが前提でつくられた駅のホーム、etc...etc...

日本全国の中学で制服をなくす学校が増えているそうです。男だからズボン、女だからスカートという思い込みと決めつけを疑う柔軟なあたまをもった子どもたち。

そんな子どもたちがつくる未来に期待。

前提をなくすためには、じぶん以外のひとの状況に思いをはせることも肝要。

世界を変えるのは想像力、イマジンなのですよ。

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『美輪明宏さん』おとことかおんなとかとっくに超越してる。

参照:2020年12月18日 東京新聞
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2021年02月05日

イメージと夢と現実と

じゃあ立ち上がろう。

いるかのような顔をした男が言った。

ずーっとつづいていた吐き気は、いつのまにかおさまっていた。

のろのろとからだが崩れないように丁寧に立ち上がる。立ってもおなじ、なにも考えない。ただ死体がぶら下がっているだけ。

生きるのつらい。ホフムラがしみじみとつぶやいた。生きるのがつらい?シンイチはてっきり死んでいるとばかり思っていたのでびっくりする。なにも考えない、ぼーっとする。2人に気づいて、いるかが声をだす。

ぼー・・・

なにかがピカッとフラッシュをたいたように光った。

アッと思い目をつぶった瞬間にすさまじい爆音が響きわたり、シンイチは5メートルほど吹き飛ばされていた。あたりは爆風と土けむりで真っ暗になった。

しばらくじっとしていたがよろよろと立ち上がる。まわりのひとたちは倒れたままだ。そのあといろんなものが飛んでくる。飛んできた無数のガラス片がからだに突き刺さる。そのたびにシンイチはうめき声をあげる。突き刺さるガラスにうごかされる。

あちこちで火の手があがる。

火がからだを焼く。あついあつい、くるしいくるしい。からだが燃えている。パチパチといって肉が焼ける。肉の焼けるいい匂いがする。おなかが減った、息ができない、苦しい、助けてくれ。

燃え尽きて黒焦げになってもまだ立っている。ぽろぽろと灰がくずれる。

シンイチは右の目が見えなくなっていた。近眼で眼鏡をかけていたが熱で溶けて顔にくっついてしまっている。レンズも溶けていたがかろうじて残っていた。

左目だけで見るようになってから右脳で考えるようになったのか、イメージの世界に入り込むことが多かった。夢なのか現実なのかも曖昧になっていた。

耳はずーっと遠かった。さーっというような音が常にしている。

そのとき、ポコないやついるか?!入口のほうで甲高く叫ぶ声がきこえて、騒ぎがおこった。シンイチはイメージの世界からわれにかえる。

誰かがシンイチを探しにきたようだった。ブダマツが近づいてきて、煙で彼をかくす。

入ってきたのは河のほとりのおおきなたてものにいた老婆だった。両手に出刃包丁をもち、赤い腰巻一丁でゆったりとしずかにこちらへ近づいてくる。

白目をむき口もとのヒゲからキバが光りよだれが垂れ、しわしわの乳房がぬらぬらと光っていた。

近寄ってきて老婆は鼻をふんふんとならしている。ブダマツのからだからながれる煙のせいで、どうやらシンイチの存在に気づかないようだった。

ゆっくりとゆっくりと見事にすべるようにうごいて、老婆はどこかへと消えた。

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『河のほとりの老婆』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 07:21| 小説のようなもの

2021年02月06日

いくぞ!西東京市

いま住んでいる西東京市の市長選挙が明日おこなわれます。

前市長はなんと20年間も勤めあげて引退。

市長は長くやらせてはならないと相場が決まっていて、長くやるとどうしても癒着や不正や汚職が増えてしまう。

おそらく前市長も初出馬当時は理想に燃えて西東京市をよくするぞ。と意気込んでいたのかもしれない。

そのうちにしがらみに溺れてしまい権力の旨みを手放したくなってくる。後進に道を譲るなんてこともなく20年なんていうとんでもなく長い期間、その座に座ることになる。

権力を長く握るのは百害あって一理なし、ロシアではプーチン大統領が法律をかえて終身大統領になり、じぶんとその家族が死ぬまで裁かれないなんていう法律も勝手につくった。

習近平もずーっと独裁者になれるように法律を変えている。ベラルーシではルカシェンコが選挙で負けたのに権力の座に居座り、ミャンマーではクーデターで政権が交代。そこまでしてでも掌握したい魅力あるもの“権力"。

西東京市では前市長の在職20年のうちの約半分を二人三脚で務めていた前副市長が出馬、ふたたび既得権益を得ようと自民党が送り込んできたのです。

しかしいまはあの方にとっては逆風です。推薦している自民党も公明党も党員が謝罪してクビになったばかり。とくに自民党は嘘と隠蔽とごまかしと汚職のイメージしかなくなっている。

いっぽう前逗子市長の平井竜一さん、54歳も立候補。

政治活動をしているうちに、ほんとうのことしかいわない本物の政治家、森てるおさんと知り合ったりしてみんなに頼まれて出馬を決意したようです。

出馬するからにはかならず西東京市を良くするのだと「しがらみのない若いちからでもっと、わくわくするまちへ。こんなもんじゃないぞ!西東京市」のスローガンで活動を開始。

毎日毎日、どこかの駅前に立って訴えつづけ声がガラガラになりながら走り回っている。

名前を連呼する街宣カーでの選挙活動なんていう、うるさいだけの時代遅れなことはもちろんしないし、ポスターもひとり控えめで「俺が俺が」とかそんないやらしい魂胆が感じられなくて好感しかない。

当選しても万歳なんていう馬鹿なことはしないのだろうなあ。思い込みや常識や何も考えない慣例を変えていってくれそうで、まさにわくわくする。

もしもあのひとが選ばれないならば西東京に未来はないぞ。

そんなふうにも思ったりするのでした。

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『ひらいりゅういちさん』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 06:55| ブログ?

2021年02月07日

ダークマターを笑う

師匠、麿赤兒の新聞連載が終わってしまいました。

最終回はじぶんはよくやりますが、珍しく引用をしていた。

「ダークマター」なる言葉は、1930年代に天文学者のフリッツ・ツヴィッキーによって名付けられた。

「一つ一つの銀河が驚くほど速く移動していて、銀河団の中に観測される星々の重力によって説明できるスピードをはるかに上回っていることに気づいた。本来なら、そのものすごいスピードで銀河団からすでに飛び去っていなければおかしいのだ。

ツヴィッキーはこの矛盾を解消するために、かみのけ座銀河団には新たな重い成分が存在しているのだと仮定した。そして、正体不明の何らかの物質が、銀河を引き寄せて加速させているのだと推測した」『宇宙を創るダークマター』キャサリン・フリース著・水谷淳訳

連載が終わるのは世田谷パブリックシアターで新作『ダークマター』を上演するからでした。

師匠の作品は笑いが入っているところが好きです。

じぶんがらくだの舞台に立っている頃も「可笑しなことやっているなあ」といつも思っていた。冗談みたいなこととか麿さん好きだものなあ。

さあ、今回も笑う気まんまんで向かいます。

朝から天気が良くて気持ちがいい。幸せかどうかは脳が決める。まわりの雰囲気、感じとかで脳は判断するので、なるべく環境は快適でなくてはならない。

電車はやはり混んでいて良し。どんどん感染しましょう。ほんとうはもう鬱陶しいマスクなんか取っちまえばいい・・・

とか考えながら渋谷駅でおりたら駅前がお祭りさわぎでびっくり、もう若者が我慢の限界に来ているのを感じた。

パブリックシアターにつき厳戒態勢の受付を抜けて着席、こころの目を見ひらいてジェフミルズの素晴らしい音楽にをどり、をどらされている肉体に共振。

その途方もないイメージを観ながら「オリンピックの開会式とか麿さんが演出したらさぞやおもしろいだろうなあ。」と思った。

しかし、裸がひとつもなかったのがもの足りなくて「裸は文明に対する野生的な象徴」と大好きなので残念だった。湯山が「汗が飛ぶからですかねえ」と言っていてなるほど。そこまで徹底するからこそ公演をするのが許されるという感じなのか。

とかいろんな瑣末なことは、ラスト暗転後の麿さんのをどりがすべて救っていた。

おじさん4人組がとっても頑張っていて、観ながら白塗りで汗をかく感じをひしひしと思い出した。

「すごいグループで修業をしていたのだなあ」

しみじみと実感して劇場をあとにしたのでした。

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『舞台イメージ』

引用:2020年12月24日 日本経済新聞『ダークマター』舞踏家 麿赤兒
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2021年02月08日

帰宅するぞ

兵庫県の転出超過が全国で最悪だそうです。

兵庫にとっては税金収入が減るので、なんとか入るひとを増やして出るひとを減らしたい。

そのためには出ていきたくないと思い、住みたいと思わせるような魅力のある県にすればいい。けれどもうしろ向きなおじいさんが知事だから、いまはむずかしいかもしれない。

未来の若いこころと若いちからに期待。

いっぽう転入超過の最悪はあいかわらず東京です。

お題目のように「東京の一極集中をなんとかする」と自民党と小池都知事は口にするけれど、口にするだけで現実にはなんの対策もとらない。

こちらは税金収入がどんどん増えるのだからじつは嬉しい悲鳴。

新しいマンションの建設ラッシュで利権が生まれつづけ自民党は大喜び、対策なんて本当はとるつもりもないのでしょう。

この騒動でテレワークなるものが流行り、オフィスへいくことの必要性がないことがあきらかになった。みんなが集まって顔を合わせる会社というものの存在意義が問いなおされることになっている。

電通は巨大なガラス張りの自社ビルを売るという。

パソナグループはいちはやく淡路島への本社の移転を実行。非正規雇用の女性たちを大量に右から左へとうごかして、マージンをとるだけだからパソコンひとつでどこでも仕事ができる。

どうせ働くのならば、環境のいいところのほうが幸せになれるのはあたりまえで、子育ても空気のいいところや車の少ないところのほうが育てやすいに決まっている。

いまを生きるひとびとにとって、選択肢が増えつづけているのです。

若者の東京への憧れは相変わらずでこれは仕方がないし、じぶんもそうだったので気持ちは痛いほどわかる。流行や時代の最先端の気分が都会には満ちているし、おしゃれな店も沢山あるし遊ぶところも色々ある。

先日、渋谷駅前を乗り換えのために歩いたら、若いひとが大勢いた。

あのひとたちは都外から集まっているのかもしれない。遊びに来るのには最高なところだけれど、住むには最底なところ東京。

仕事をもとめる人たちにとってチャンスが多いのも相変わらず。仕事じたいが多いからなあ・・・それも東京一極集中のなせるワザです。

そんなもろもろのことは関係あるようなないような、今日は自民党のおじいさんが権力の座についた街、西東京市から移動して兵庫県洲本市の家へとひさしぶりに帰宅。

おなじく自民党が牛耳る淡路島で、からだの様子をうかがいつつ作業開始です。

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『おくりもの』
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2021年02月09日

帰宅したぞ

帰宅しました。寒いです。

風がつよい。ここ西浦は東浦にくらべると風がつよくて有名です。

洲本のある東浦は太平洋側だから暖かいのか。冬も温暖、暮らしやすいようでうらやましい。

そんな都志へ帰宅しようと朝9時20分に東京の家を出発、新幹線に乗車して新大阪をめざします。新幹線はまあまあひとがいた。にんげんのいとなみなんてほとんどすべてが不要です。けれどもそのすべての不要な無駄が生きるのに必要なのだとしたら、要らないことなんてひとつもないのかもしれない。

どんな些細なことでもその本人にとっては必要なこと。とか考えながら向かいます。新大阪もひとがたくさんいた。乗り換えて神戸へと向かいます。

三宮駅もひとがたくさんいた。バスの発車まで1時間あるので買い物をします。都志では出歩かないようにしたいので夜、食べるものを購入。バスへと乗り込みます。ひさしぶりのバスはまあまあ混んでいた。

神戸三宮から明石大橋をわたると景色がいっぺんします。

灰色の街とみどり豊かな島が海でくっきりとわかれてみごとなコントラストです。雲間から太陽も顔をだして絶景をアシストします。

橋をわたって山中の高速をぬけるともうそこは海、どこまでもおだやかな播磨灘がキラキラと夕陽に映えて出迎えてくれる。そのあとは右側に海をみながら海岸線をひた走ります。

ひとがバス停ごとに降りていき、客は数人になる。

岬をめぐり白い風車が見えてきたら終着駅、五色バスセンターです。バスを降りたら風がつよくてびっくり。なつかしいボロ屋が風でギュウギュウ、悲鳴をあげている。じかんも遅いしそのまま雨戸を開けずに「ただいまです。」

仏壇の花もかえずに一息ついたら、もう晩ご飯。ぶるぶるふるえながらシャワーをあびてビールでひとり乾杯。三宮で買ったお惣菜を「いただきます。」

「この世のなかに唯一絶対があるとすれば、それはひとはかならず死ぬと言うことだ。」

けれどもそれも相対性理論的に考えたらわからないのかもなあ。

とかこんにゃく座のトップ歌手、大石哲史さんの歌を思い出したりしながら酔っ払います。

さいごは椅子で眠りそうになっていて、あわてて寝床にもぐりこんだのでした。

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『チョコレートの包装紙を模写』
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2021年02月10日

はたらくぞ

昨日のメインイベントは庭につくる舞台の実測でした。

まずは食器洗いをして体操をしたら、ひさしぶりに仏壇のまえで真言をとなえます。

2月はスイセンの時期、庭に咲いていたのを仏壇に飾ってと。

そのあとはコンビニに買い物にいって一級建築士の父親がつくってくれた、舞台図面をプリントアウト。

最近、新聞は買わなくなりました。

差別や誹謗中傷や嘘や誤魔化しに隠蔽に賄賂に汚職と、しょうもない話ばかりなのでこころの底からうんざりして読みたいと思わなくなってしまった。

毎日毎日、おなじ話題ばかりだし、新しく聞きたい情報もないし、たまにのっている作家さんの素敵な文章はべつに新聞で読まなくても本の中にたくさんあるのです。

娘が新聞を読みたいとまったく思わないと言ってたが、若者が手に取りたいと思う紙面になっていない。情報が多すぎて文字を詰め込みすぎている。デザインが古くてダサすぎる。最近は英字新聞を好んで買ってたけど唯一、少しファッショナブル。

帰ってきて「さあ作業するぞ。」

と意気込んでいたら大量の荷物がとどいてとつぜんの大騒ぎ。

届いたぜんぶで11個のダンボールをひらいて、中身をそとへと出していったら家の中があっというまに足の踏み場もなくなる。今回は合宿のあと、お祭りなのでお酒が多めです。

昼はパンをかじり、3ヶ月間冷蔵庫で眠っていたたまごをこれまた3ヶ月間冷蔵庫で熟成されていたベーコンと「頂きます。」コーヒーを豆からひいてカフェオレをいれて「ごちそうさま。」

午後はいよいよ舞台の実寸計測です。2時間ぐらいかけて、あーでもないこーでもないと考えながら計測します。

上がりがまちのように、一段下がっているスペースがあるとなにかと便利な感じがしてそうしよう。

しかし基礎用のブロックと、その上にしく木材がけっこうな量になってたいへんだぞ。2回買い物にいく計算でいるがそれでは足りないかもしれない。

そのあとはずーっと手付かずでいた最後の砦、台所の最深部を探索。おばあちゃんが漬けた平成9年の梅干しが大量に出てきてびっくり。

梅干しは、ながく漬ければつけるほど値打ちがあるらしいので、きれいに拭いてまた戻します。ほかにも得体の知れない瓶がたくさん出てきたがやはりお宝なのでしょう、ありがたくきれいに拭いてすべてしまいます。

夜はトライアル公演のオープニングを考えていたら、また椅子で寝そうになっていてあぶねー。

今日はお酒を抜くぞ。

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『仏壇のスイセン』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 10:14| ブログ?

2021年02月11日

都志3日目

都志へ帰宅して3日目。

いつものルーティンで1日がはじまります。

今日はお茶も淹れて本格的にお祈りします。

そのあとは、からだの具合を伺いつついろいろと作業をします。まだまだ要らないものがたくさんあるので、片付け続行。

食器を普段づかいと合宿用にわけます。合宿用の食器はおなじものが、旅館かと思うぐらいに揃っている。普段づかいはかっこいい器をあたらしく購入、かわりにふるい器を処分します。

そろそろお昼、空腹時にぐーっと鳴く、若返り物質“もちりん”がしきりに鳴くので昨日の夜の、のり巻きを頂きます。

ここ都志は木谷家4代、木谷實平の成功の出発点になったところであり、5代目木谷眞裕が塾をひらいていた場所でもあり由緒正しい場所なので地鎮祭をやることを思いつく。

遠縁の十川英二さんに神主さんを紹介してもらおうと電話して事情を説明したら、いまからいこうと車で家まできてくれる。

まずは材木屋さんへ。

いったら素敵な木材がたくさんあって興奮。舞台面をどうするか思案していたが、建築現場でつかうコンパネという板は敷くだけで簡単に完成するので便利だけど、耐久性ということでいうといまいち。

屋外なので雨風につよいということで考えると、船のデッキのようにすれば耐久性は心配ない。

麿さんのポン友、タモツにそっくりなおやじさんに案内されていろいろと木材を見せてもらい、4メートルの板をしきつめることにする。図面をもとに見積もりをしてもらうようにして、台所の床が抜けているのでそこに敷く板をついでに買います。

ちょうどよさそうな板があったので、値段を聞いたらけっこう高くて一瞬うなります。しかしいい機会と即決「買います。」と言ったら、タモツさんのテンションがあきらかに下がったのでなんだったのか。

そのあとは神主さんの家へ。

立派な家から出てきたのは、これまた立派な体格のおじさん。まえは学校の先生をしていたとかで、五色町の教育長だった英二さんとはそのころからの知り合いのようだった。

「本式となんちゃってがあるけど、どちらにします。」と聞かれて、こちら本気でやろうと思っているので本式を頼みます。

「必要なものが、えーとお酒、お米、塩、水、あと尾頭つきの魚二匹、乾物に野菜、果物と砂、etc...etc...」地鎮祭に必要なものをリストアップしてもらって、へーと興味深い。

笹をたてて荒縄をわたしてよく見るやつですね。たのしみ。

家に帰ってきて板を台所に敷いたらちょっと細かったけど、まあよしと満足。

夜はノンアルコールデー、お酒を抜きました。

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「もっとちゃんとわりつけたしたやついるやん。」とタモツさんに言われた。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 18:07| ブログ?

2021年02月12日

はじめてをどる

じゃあ、ふりーだんすやろっか。

緊張がとけてシンイチが立ち尽くしていると、イルカのような顔をした男が言った。

ふりー、なになに?このひとはなにを言い出したのじゃろう?

男の指示でみんなが一斉にうごきだして用意をする。シンイチは邪魔にならないようにと、ひな壇のいちばん上へと移動して状況をじっと探る。あれ、なんかひとりずつやりはじめたぞ・・・もしかして、おどっているのか?

うん?このひとのうごきはおもしろいな。舌を出してくねくねとタコみたいにおどっていて、やばい、終わってしまった。

このままじゃと順番がまわって来るということか・・・わしに。

ホフムラもサルのようなポーズでおもしろくおどった。そのあと、はみ出ている内臓で縄跳びをして観ているものを爆笑させた。

シンイチも気づいたら笑っていた。笑うなんていつぶりだろうか。

じゃあ、えーっとつぎは、シンイチ?

こんなことなら来るのではなかった・・・ひと前でおどる?!そんな、そんな恥ずかしいことするぐらいなら死んだほうがましじゃ〜(((;꒪ꈊ꒪;)))

あれ、死んでるのか?

足を引きずりながらノロノロとひな段の前にある空間へと出て、さてどうしよう。

真っ黒な顔に白い目だけをギョロつかせて、みんなが興味深そうにみている。さぞやおもろい見世物じゃろう、生まれてはじめてひと前でおどるのを観るなんて。

試しにホフムラの真似をしてサルのようなポーズを取ってみた。しかしワンポーズで終わって、時間にして5秒ぐらい。

やばい、これでは終われない。素人ながらそれはわかった。みんな結構長くやってたから。

困った。これは困った。なにをしていいかまったくわからないよー。がくがくぶるぶる((((;゚;Д;゚;))))

あーあ。

しばらくなにもせずにただ立っていた。

あかん・・・もうあかん。

耐えられない〜!いうてシンイチは申し訳ないここまでです。とあたまを下げた。

静寂のあと誰かが拍手をして、つづいてみんなも拍手をした。おどろいた彼は顔をあげた。爽快な気分で座っていると、ホフムラが隣にやってきた。

いやーおもろかったで。ホフムラに言われて恐縮していると、ブダマツがやってきてマスターに挨拶にいこうという。

マスター?疑問に思いながら立ち上がるとホフムラもついてきた。

ほそいトンネルを通ると、さらにほそい土の階段を下へおりていく。さらにいくと突き当たりの和紙のようなうすいドアからひかりがもれている。

シンイチにはわからないことばで、ブダマツがなにか言った。

ブダマツが呼びかけると、なかからしわがれた声が響いた。

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『サルのポーズをとるホフムラ』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 09:23| 小説のようなもの

2021年02月13日

都志4日目、5日目

一昨日も朝からおなじルーティン。

すべて終わったら『ブログ?』を記します。

最近、ストックがなくなってきたので、その日に記しています。

前は新聞を読んだりして気になる記事を時間をかけて編集してつくっていたが、最近は新聞を読まないのでまさに日記のようになっています。

そのあとは妹にやるようにいわれていた舞台の基礎束石の計算をします。

あやふやなところもあるのでもう一度実寸しながら計算したら、108個という煩悩の数になって吉兆か凶兆か。洲本のホームセンターに電話したら数はありそうなのでよかった。足りないぶんは追加で注文してと。

地鎮祭をやったり大がかりになってきてるので地主さんに挨拶、そのあと材木屋にいって図面を渡して見積もりをお願いして帰宅。

お昼はご飯と豚汁をつくって頂きます。束石が増えるのが嫌で、1メートルよりも少し広くとって計算してたが、それでは強度的に不安。実物を見ながら考えようと、もう一度材木屋へいったら山中さんがいろいろと教えてくれます。

ありがとうございます。と材木屋をあとにして魚屋で地鎮祭でお祭りする鯛を注文。

作業を優先していたら結局、ブログ?をアップしたのは18時になっていた。

そのあとは1人で乾杯、気づいたら椅子で寝てて慌てて寝床へ。

お休みなさい。

昨日は起きたら寝ているあいだにやりとりがあったようで、LINEが未読12になっていた。

寝床にて確認、返信します。誰かが束石の数を図面を書いて計算してくれていてありがとう。さすがは専門家です。

さあ今日は湯山が淡路へとやってきて、21日まで合宿して作業です。

どこまでできるか、乞うご期待。

いまはバスが2時間に一本になっていて、寝坊して一本逃したので14時になると連絡があって了解。

14時に英二さんもやってきて洲本のホームセンターへ車にのせてもらってGO。束石を大量に買ってそのほか必要なものを購入、トラックに積み込んで都志へともどってすべておろして、もういちど洲本へもどってトラックを返して都志へと帰宅。

地鎮祭でつかう竹の木まで切ってもってきていただいた。

英二さん、ほんとうにありがとうございました。

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北野里佳さんの絵にNao Kumagai Moegara臨
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 08:36| ブログ?

2021年02月14日

地鎮祭から作業開始

昨日、今日の二日間、妹の旦那さんの貴久君が来てくれて手伝ってくれます。

専門家なので大助かり。

湯山は大工はやっているけれど、基礎はやったことがないのでこころ強いのです。

そうして今日は地鎮祭、朝9時半ごろに神主さんがやってきて準備をはじめるのを興味深く眺めます。

地面の黒い雑草よけのシートをはがしたら、おそらく10年ぶりぐらいに地面が顔を出します。英二さんが切ってきてくれた笹の木を立てて荒縄を張り巡らして、白い紙を挟んでぶら下げると土地の上に結界ができあがる。

そのなかに机をならべて鯛の尾頭つきと小さな魚やお酒などのお供えものをならべ、神の依り代となる榊もお祀りして準備万端。

神主さんと簡単な打ち合わせ、今日のメニューといろいろな注意点のようなことを聞きます。ことこまかく作法が決まっていて厳格なこころもちになります。

いよいよ儀式開始。

地鎮祭はその土地の神さまに土地を使用することの許しをえる儀式でもあるそうなので、真剣にやります。

しかし神道というのは意外と新しいので、こういう儀式も誰かが考えて決めたのだろうなあ。とか思いながら眺めます。

土を山盛りにして、それを木のクワで掘り、木のスコップのようなもので埋め戻す儀式がパフォーマンス的でおもしろかった。掘るときと戻すときに「えい、えい、えい」と声を上げるのです。

掘る作業を淡路舞踏社を代表して湯山大一郎がやり、施主としてじぶんが埋め戻します。1発目の声が間のぬけたヘンテコな感じになってしまいごめんなさい、2発目、3発目は決まってよし。

「かしこみかしこみ」とのりとというのをあげてもらい、神妙なこころもちになった。工事の安全も祈りながらこうべをたれます。

すべてのお祓いが済んで、ありがとうございました。

今回、神主さんのお父さんのほうは帰って、おそらく30歳ぐらいの若い息子さんが地鎮祭をおこなってくれた。

最後にありがたいことばのようなことを言ってたけれど、そこだけオドオドとして若さを感じた。

地鎮祭が無事終了してなにかが確実にはじまった。最近、春のように暖かいのでうれしいかぎり。うきうきわくわくと、こころがはずみます。

そのあとはふたたび洲本のコーナンへといき追加の必要なものを大量に購入。トラックを借りて往復して帰ってきて、暗くなるまで整地をして終了。

夜は頂いたお祝いで淡路牛を食べました。

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『えい』
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2021年02月15日

基礎と怪我

昨日は前日のつづき。

とにかく舞台をつくる地面を整えていきます。

雑草を抜きゴミを片付けゴミ袋に入れていく。

都志に住みはじめたこの2年間に1人でコツコツとやっていた作業を、男3人でやったらあっという間にきれいになってびっくり。

しかし整地に午前中いっぱいまでかかって焦ります。貴久君がいるあいだに墨出しという寸法出しまでやりたいのです。

大工仕事を昭和初期の最後の職人たちに仕込まれた湯山が聞いた話しによると、むかしは墨師という専門の職人さんがいたそうです。

3、4人でやってきて家の壁に、基準となる墨の線を凄まじい速さでどんどん記していく。その基準線が正確であればあるほど、そのあとの大工の仕事が楽になるのです。

今回もその墨の線を正確にせいかくに引いていく。一級建築士でもある貴久棟梁のもと作業をすすめていきます。はじめてのことばかりですべて興味深い。実際に縄張りしていくと想像とちがってくるところがあるので、その都度、棟梁が図面を直していく。

いまはむかしとちがってレーザーという便利なものが発明されているので、駆使。水平や垂直を自動で出してくれるロボットだというので名前をつけます。

精密機械だし高級品なので扱いに気をつけながら、どんどん墨をうっていく。

すべては基礎というたいせつなものを築くための作業。

どんな世界でも共通する基礎という大事なもの。基礎を時間かけてくつくればつくるほど、あとは楽なのもどんなことでもおなじなのだな。

おどりも基礎ができていないとながくはやれないし、ながくはもたない・・・たぶん。

建築物はとくに時間をかけて丁寧に正確に基礎をつくる。そんなあたりまえのことも実際に経験してみないとわからなかったりする。

ミナペルホネンのように100年つづく。とは言わないけれど「せめて30年つづく舞台をつくりたい」

ひさしぶりに一日中、土まみれになって働いたら、からだのあちこちを怪我した。けれども怪我をするとからだを感じられるのでいいのです。

夜は、はじめて風呂に湯をためて入ったら最高!

淡路舞踏社は風呂がネックかと思っていたら大間違いでした。

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『淡路舞踏社舞台設計図』早野貴久作
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 08:38| ブログ?

2021年02月16日

Do it our selves

今日は朝から雨なので、そとでの作業はできない。

なので家の中を徹底的に片付けます。

「いろいろやらずにひとつずつ決めていきましょう。」と湯山のいうとおりに、まずは台所から片付けていきます。

台所のもの入れの中をすべて出して、いるかいらないかを2人で判断していきます。

おじいちゃんが買ったのかおばあちゃんが買ったのか、それともお姉さんたちの誰かが買ったのか・・・新品の器がたくさん出てくるので、いまいちな器はどんどん捨てていきます。

「ものの価値は捨てることで出るんです。」と湯山がいうとおりに、惜しげもなく即決して捨てていきます。

ここで判断が鈍って「まだ使えるしなあ。」とか「もったいないなあ。」とか思っていると、ものは捨てられないので、じぶんの欲望のようなものは無視します。

「ありがとうございます。」と感謝をしながらどんどん捨てていく。断捨離ならぬ感謝離です。

雑多なもののなかに、きらりとひかる器もあったりするので気は抜けません。その器を見た瞬間にときめくかどうかで残すか捨てるかを決めていきます。

かわいい柄のおちょこが昨日のお宝ナンバーワン。あと色ちがいの5枚セットの皿がなかなかのへうげもので夜にさっそくつかいます。しまっていてもしかたがない、いいものでも普段つかいをするのです。

そのあともうひとつある押入れを片付けて、35リットルのごみ袋で20個のごみがでました。

17時ぐらいに作業は終了、そのあとはからだとむきあう。それが本来のわれわれのなりわい。からだと向きあったあとは庭に出て湯山は稽古続行、こちらはぶらぶらと歩いて舞台のイメージをふくらませます。

舞台にはる板をひのきにしようと決めていたけれども、運命のように杉の木になった。ひのき舞台というくらいで舞台人のあこがれですが、はだしであがるし贅沢な気もしていた。

夜はいつものように乾杯、"Do it your self"という言葉が気に入らないという話しをしたり、庭へいって舞台の話しをしたりしながら夜は更けていきました。

すぐに稽古場にでられるというのは、ほんとうにぜいたくなのです。

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『掃除してたらでてきた織部な皿』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 18:34| ブログ?

2021年02月17日

作業開始1週間

さあ、今日から本格的に作業開始です。

まずは昨日でた大量のごみを出すぞ。

7時に湯山を叩き起こしてごみを集積所におきにいきます。

もえないごみや陶器が混在していた袋が4つほど回収されずに残されていて、すごすごともちかえって分別。分別していたら良さそうな骨董品の湯のみが出てきたのでお救いします。

そのあとは朝ごはんを「頂きます。」3日前にたべたひらめのお刺身の尾頭をあら汁にしたものがベースになっているスープで、そのあとたらやかきやつみれを入れたので信じられないぐらいに美味くなっていて「ごちそうさま。」

さあ、作業するぞ。つか石という土台になる石を置く場所を白いスプレーで、どんどんマーキングしていきます。

作業をしてたら「キダニさん」言うて呼ばれたので、待ちにまったスピーカーのACアダプターのコードが届いたのかと思ったら違ってて、山中さんの奥さまが桧の板の見本を持ってきてくれていて恐縮します。

「懐かしいわあ、わたしここで英語、習ってたんですよ。」と言うてはって、へえ。

英語を教えてるおじいちゃんが目の前に七輪をおいて、なべを煮ててできたら「おーい」いうて、おばあちゃんを呼んでたとか。

生徒に「先生、なべが吹いてるでえ」いうて教えてもらったりしてたとも聞いて微笑ましい。こだわりのない祖父のエピソードを聞けて嬉しかった。

「あ、ほんに」いうて答える、おじいちゃんの声が聞こえるようだった。

ひび割れた物干し台の上にも板をしくことにするので、そこの部分の図面を追加してコピーをとって山中材木店へ。舞台面はひのきではなく杉板でいくことをつたえて、柱は鉄ではなくて木でいくことも伝えます。

山中さんにいろいろと説明してたら、今後の作業のすすめかたまで教えてもらってこころ強い。工場にある押し切りの機械も貸してくれるそうでありがたい。

太い材木を直角に切るのは、とてもむずかしいのです。

夜はじぶんはノンアルコールデイ、2人とも寝不足なのですぐに寝ました。

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臨『studio coocaの包装紙』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 13:11| ブログ?

2021年02月18日

作業開始1週間プラス1

昨日は湯山大一郎が朝ぱらからペペロンチーノを作ってくれてありがとう。

前日は気候もよく、そよ風ぐらいの感じだったけれど、ほんじつ都志特有の本意気の強風でたいへんだぞ。

途中で雪までちらついてきて身が引き締まります。

昨日のつづきをやりつつ、湯山がいよいよモルタルセメントの準備をはじめる。まずは穴を掘ってたいらにしてモルタルを流し込んで、つか石なる土台を設置。

水平になるように気をつけながら高さがすべておなじになるようにする・・・

これがなかなかむずかしくてあっちを直したらこっちがいがんで、と時間がかかる。かかるけれどだんだん慣れてきたら、いっぱつで決まったりして気持ちがいい。

モルタルを水をまぜてつくるなんていうこともやって興味ぶかい。じぶんの立つ舞台を基礎からつくるという、おそらく一生に一度の貴重な体験をさせてもらっています。

じぶんが立つ舞台と思うと慎重に丁寧になる。「まあ、いいか」と適当にやったり手を抜いたりするとそこが凹んで、どんどん舞台の全荷重がそこにかかって全壊なんてことになる。

湯山は実際にそうなった現場を経験したことがあるらしくて、より丁寧で慎重なので頼もしい。

昼は庭に生えている野生化したワイルドレタスをサンドイッチにして「ごちそうさま。」

午後もおんなじ作業をどんどんやって、意外にすすんでこれは想像していたよりもはかどるかもしれない。とか胸算用。「いやいや」と湯山は首をふります。

いつものように17時のサイレンで片付けはじめ、そのあとはそれぞれでからだと向き合う。こちらも丁寧にやります。

稽古が終わって風呂に入ったら、とろけるような最高の気分。お風呂の株がどんどん上がってる。

今日1日の疲れが綺麗さっぱり吹っ飛びます。

夜は、昼休みにつくった戌井君の影響で最近、凝っている特製スパイスカレーをつまみにお酒を「いただいます。」

スピーカーのACケーブルがやっとこさ届いていい音を聴きながら、気持ちよく夜は更けていったのでした。

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『掃除してたらでてきた白雪のおちょこ』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 09:47| ブログ?

2021年02月19日

マスター マエストロ エム

ブダマツが外から声をかけると、シンイチにはわからないことばがなかから聞こえた。

ひかりの向こうから低くしわがれたやさしげな声がひびく。

新入りです。ブダマツが日本語でいうと、入れ。と声はちいさく答えた。

ブダマツにうながされて障子のようなものを注意深く押すと、ゆっくりと開く。

なかは薄暗くて甲冑や鎧、槍や刀がずらりと並んでいて怖しかった。いちばん奥の暗がりに光がともっていてゆらりとなにかがうごめいた。

その影はゆっくりとうごくとこちらを向いた。影がどんどん大きくなる。怒髪天のような髪の毛を逆立ててシルエットになっている。影になってよく顔はわからなかった。

その影が、いまおとこはいらねえんだよなあ。としわがれ声でつぶやいた。

わしらはブトウというものをなりわいにしている。聞きながらはじめて聞くブトウというものがどんなものなのか想像してみたが、まったくわからなかった。

さっきあんたはおどっただろう。シンイチとおなじぐらいの歳なのか、マスター マエストロ エムと呼ばれる男は言った。はい、とても恥ずかしかったです。そうだ、恥ずかしいのはいいことだ。恥ずかしさのないものは下品なだけになる。

エムはカチンとオニの払い下げだというジッポライターを鳴らして火をつけうまそうにタバコを吸った。

そういうものか。シンイチにはわからなかった。

そのあとシンイチをよそに、エムとブダマツとホフムラで長いこと真剣になにかを話していた。と思っていたら爆笑したりしてわけがわからない。

シンイチにはわからないことばなので、お経でも聞くようにぼんやりとその光景を眺めていた。

なぜか奥の暗闇に老婆がいる気がした。

それにしてもあんたはひどい格好をしてるな。ブダマツ、彼にツンをやれ。エムは最後にそうニホン語で言うとゆっくりとゆっくりとふたたびうしろを向いた。

からだがあればいいんだよ。

部屋を出ようとするシンイチに、そうエムは背中で語りかけた。

忘れるようなことは要らないことなんだよ。

次の瞬間・・・

マスター マエストロ エムのことばが、あたまのなかへと止めどなく流れ込んできたのだった。

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『M』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 09:06| 小説のようなもの

2021年02月20日

9日目と作業おわり

舞台作業がはじまってからは、時間がないので朝のごんぎょうはおやすみしています。

新聞を読まなくて、テレビを観なくて、ネットの情報もまったく見ない。

世の中でなにが起こっているのか知りません。けれどもそれでいい。身の回りに起こること、それがすべてであり、それが大切。

どこか遠くの世界で起こっていること、東京で起こっていること、メディアのなかで騒いでいること。すべてが地つづきであって無関係ではないことは知りつつ、じぶんのいまに集中するのです。

いまやるべきことは、淡路の舞台の基礎をどんどんつくること。

軌道にのって落ち着いてきて余裕が出てきたので、作業は湯山に任せてブッ散らかっていた居間をきれいに掃除したら気持ちがいい。

今回“マルノコ"という大工道具を使いますが、若い頃に事故の現場に居合わせたことがあって、いまだにトラウマになっている。

舞台が終わって片付けをしてるときに、やってはいけないことをやって大事故につながった。怖ろしいけれど説明書のとおりに使えば大丈夫、と使うまえによーく説明書を読みます。

『警告』と『注意』と『注』があって警告は「誤った取り扱いをしたときに、使用者が死亡または重症を負う可能性が想定される内容のご注意。」

注意はそこまでではない説明だが「状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。いずれも安全に関する重要な内容を記載していますので、必ず守ってください。」いうて書いてあって了解です。

気合いを入れて真剣に説明書を読みます。

警告の第1番目に「作業場は整理整頓せよ。」と書いてあって、なるほどと思った。あの若いときの大事故も本番終了後にいろんなひとがよってたかってめちゃめちゃにバラしをしていたから起こったのだな。と納得。

たしかに現場は竹や木材が乱雑に山積みになって混沌としていた。

そのほかにも読み込んでいったらあたりまえのことばかりが書いてあって、こころが落ち着いてきてよし。ひさしぶりにマルノコを使ってみたが、恐怖心がみるみるなくなってマルノコと仲良くなれた気がした。

そして、昨日でとりあえず作業は終了。

今日は音楽家の築山建一郎と奥さまの志帆がきて、明日のトライアル公演の準備に入るのです。

といってもまだ舞台はできていないので、制作過程を記録する。

どうなるかわからないけれど、決めつけずにドキュメンタリータッチでいこう。

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貴久君の正確な縄張りと丁寧な墨出しのおかげでどんどんすすんでいる基礎作業。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 08:09| ブログ?