昨日は今回の上京の最後の用事の顔合わせと打ち合わせへ。
出かける前にお会いする巻上光一さんの映像を拝見。
ほんの数秒観ただけで、ほんものだとわかって感服。
パソコンで映像を観るのは面倒だしあんまり好きではない。けれども一瞬で良いか悪いか伝わるこういうこともあるので決してあなどれないのです。
ヒカシューというグループとともに名前はもちろん知っていたけれど、どんな音楽をやっているかは恥ずかしながら知らなかった。
おもにアンダーグラウンドな世界で活躍されていたようで、シベリアに伝わる喉歌『ホーメイ』の第一人者でホーメイを日本へと紹介したひとだとか。へえ、そうなんだ。
巻上さん、雑談好きなおもしろいひとだった。じぶんも雑談は大好きなので打ち合わせが終わらない感じだった。
『戦場のピクニック』に出演したとき作者のアルバールに痛そうな顔が物足りないと、スペインの刑務所で覚えたというワザをかけられて小指が折れてしまった話しが印象深かった。
普段は熱海に住んでいて、近所には日本人ではじめて作品に1億円の値段がついた現代美術作家の杉本博司さんが住んでて家に能舞台があるとか。
舞台の背景が熱海の海で朝日をバックに演奏してくれと依頼されてやったが、杉本さんはカナダに行っていていなかった・・・
「話しのスケールが違うなあ。」と聞いていて思った。
最近、即興がうまくいかないという話しをしたら即興のできるミュージシャンがいないのだと話してくれた。なるほど、じぶんだけのせいでもないのだな。そんな音楽家たちのために即興を教えるワークショップをやられているそう。
いままでにどんなダンサーとやったかを聞いたら、いちばん多いのは室伏鴻だと聞いてびっくり。
はじめては、室伏さんが主宰していたグループ『背火』が本拠地としていた福井に呼ばれていっての共演で、即興でやるのかと思ったら「馬鹿野郎、即興なんてできるかよ。」と言われたそうです。そのあとも何回か一緒にやったとか。
企画の全体像がメールを読んでもよくわからなかったけれど、打ち合わせをして話しを聞いていたら2年にわたる壮大なもののようで素晴らしい。
室伏さんと一緒にやっていた巻上さんと、ときを超えて共演するのもなにかの縁。
「光栄です。」
セレクトしてくれた方たちにも感謝。
8月に巻上さんの音楽でじぶんがソロで踊るのですが、胸を借りるつもりで思い切って参ります。
巻上さん率いる『ヒカシュー』大岡信賞贈呈式でのパフォーマンス