2021年07月01日

やせこけたおとこ

遠藤周作さん著の『侍』を読了。

東京にあって読みはじめて都志まで持ってきていた。

桃山末期に、ある藩がスペインと交易しようと太平洋をこえメキシコへ使節団を送った、その使者たちと通訳のお話だった。船での渡航だから何年もかかり、しかも途中で嵐に見舞われたりするから命がけ。

しかし自身がキリスト教信者の遠藤さんらしく道中の船旅のたいへんさは控えめで、おもに通訳をつとめるスペイン人宣教師と役目のため切支丹になるおとこたちの信仰とその運命がメインだった。

じぶんがメキシコでつくった作品は、この使節たちのことを題材にしたものだったが本を読んでさらにおどりのイメージが深まった。

来年、メキシコシティでおどるときに取り入れよう。

到着した一行を待ち受けていたのは、全国を統一した徳川が切支丹弾圧をおこなっているというニュースだった。

神父は日本への布教につよくこだわり、メキシコをあとにしてスペインへとわたり望みをつなぐ。それに引きずられるように一緒についていく使者たち。

スペインにもすでに弾圧の知らせはとどいていて日本での布教はあきらめろと説得されるが、さらに法王のいるローマへとむかう。

途中、なんども“やせこけたおとこ”というキリスト像の描写がでてきて、そのたびに鉄割の中島を思いだした。そういえば戌井君は、いつも中島にキリスト役をやらせてる。

使者の侍は「なぜこんなみすぼらしいやせこけたおとこの像を拝むのか」と不審に思いつづける。

ローマでも公式な使者として扱ってもらえず親書の返事ももらえず、失意のうちにふたたび何年もかけて帰国する侍たち。帰国したかれらを待っていたのはきびしい禁教であり、キリスト教に帰依したと侍たちは切腹させられる。

時代の波と政治の犠牲になって死んでいくときに侍は、あのやせこけたおとこはまるまると肥え太った体制側ではなく、おなじようにやせこけたじぶんたちのそばにいるのだと気づく。

読みながら犠牲ということを考える。

舞踏のパイオニア、大野一雄さんと土方巽はふたりともやせこけていた。それはキリストをモデルとした犠牲の精神の発露であり、やはり舞台上でのあり方の基本でもあるのだと思った。

ラストに日本へもどってきた神父はとらえられて火あぶりの刑に処される。

そのすべての原因がいのち尽きようとしているひとりの老人のじぶんとじぶんの家を守りたいという気持ちのせいだとかんがえると、徳川独裁の世が一党独裁の中国とかさなってくる。

弾圧というのは異論をゆるさないせまいこころからくるものだが、そこまでして守るのがじぶんとじぶんたちの利益だというのもおなじ。

常に監視して自由をうばい、しめつけて管理する独裁国家。

読み終えてふかいため息をついてしまった。

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『やせこけたおとこ、中島朋人』
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2021年07月02日

ある日の日記

今日は朝から雨だったがこれから晴れるようだ。

まずは野外舞台の水をかき出す。

水はけが悪いが、そのぶん舞台面の杉板のしたの大引といわれるひのきの横木と基礎部分の束柱は濡れるのをまぬがれている。

ひとがいて水をかきだせるときはいいが、いないときに杉板が水を吸い込んでどんどん劣化していくがしかたがない。「なんとか防腐剤を塗りたい。」そう思い高価だがネットで注文することにする。

舞台にて稽古、からだをうごかす。末端から股関節へと順番にストレッチをする。

最後に、うしろの意識を入念にイメージする。前ばかりを意識すると薄っぺらい存在になる。うしろにもまえとおなじように世界が広がっていることを意識できるかで、存在の奥行きが変わってくる。

稽古が終わると仏前に花とお茶を供えてこころを落ちつけ真言をとなえる。仏教では最初に殺生をいましめるが、人類はいきものを殺さずに生きるのは不可能だと思う。アリを踏みつぶし蚊をたたき殺しゴキブリを虐殺する。

お勤めを終えたらコンビニへと新聞を買いにでかける。

外へ出ると海の匂いがまじった独特の都志の空気を感じて気持ちがいい。内紛に賄賂や脱税と新聞記事はあいも変わらなくて、子どもが亡くなる事故もあって読み終えておおきなため息をつく。

7月公演のチラシがあがってきたので宣伝のために、そろそろご近所に配って歩かなければならないけれど嫌だなあ。と気が重くなる。

へりくだったり、相手にされなかったり、ぞんざいにあしらわれたりするのがつらい年令になってきている。

とか言い訳するなと、じぶんをふるい立たせてチラシ撒き開始。どこに撒くかを考えていたら、そんなにないのであらためてコミュニティーの小ささを実感。

チケットと招待券も作成する。

午後は晴れたのでチラシ撒き続行、思いついて山をひとつこえて素敵なキャンプ場“FBI AWAJI - FIRST CLASS BACKPACKERS INN”へ宣伝にいく。おもしろそうな若者がはたらいているのでチラシをわたしておしゃべりする。

夕陽をみながら汗だくで帰宅。

今日はよくからだをうごかした。

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『そのときを待つ野外舞台』
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2021年07月03日

わくちんちん

ワクチンについての興味が止まりません。

じぶんのいのちを守るためです。

菅首相も就任早々に自分のいのちはじぶんで守れと宣言していました。じぶんのいのちをまもるためにも、情報を集めつつじゅうぶんに冷静に気をつけたいものです。

ほんらいならば何年もの治験をおこなわないとならないワクチン開発。それがたったの1年という異常なスピードで販売されている。

販売はされているが、まだ治験中です。モデルナ社は2022年10月まで、ファイザー社では2023年5月まで、この壮大な公開治験はつづくそうです。

じぶんも生活の困窮から治験に参加したことがありますが、万が一にでも亡くなる可能性があったり障害が残るような治験ならば参加するのは怖ろしすぎる。

ワクチン接種の結果を公表している厚生労働省というのは戦後、数々の薬剤訴訟を経験している。なので今回のワクチン接種については、はじめからとてもとても慎重だった。

いまの厚生労働大臣の田村さんはながく厚労省ではたらいてきたかたで、そのあたりがわかっていてやはり慎重に対処していた。

それが気に入らない菅さんが、河野さんをワクチン大臣に任命。自衛隊まで出動させて、どんどんどんどん接種しろと強行軍を指揮した。

すべてはじぶんのメンツのため、そしてオリンピックと選挙のためと思われてもしかたのないドタバタぶりなのです。

そんななか厚生労働省はHPにて異例の呼びかけ。

『新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。

しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。

予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。

受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。

職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないようお願いいたします。』

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『graffiti_2021_6_14』

引用:厚生労働省HP  参照:2021年6月25日 朝日新聞 | 治験中のワクチンということの意味-YouTube
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2021年07月04日

球磨川氾濫から1年

56人のかたが亡くなり、行方不明のかたが12人でた九州全域を襲った集中豪雨より1年。

今年も大雨の影響がではじめていて、熱海では豪雨による土石流の被害で犠牲者と不明者がでている。

8月に共演する音楽家、巻上公一さんが熱海在住なので心配していたがご無事でよかった。しかし家から現場は7キロだそうで、不安な日々がつづいているようです。

大雨による被害は今回の土石流に、河川の氾濫による冠水被害といろいろ。

山の地盤をゆるめ、堤防を決壊させてしまう考えられないような雨の量が降る昨今。人間の営為をあざ笑うかのような自然のちからの凄まじさなのです。

去年、氾濫した熊本の球磨川は、最上川と富士川とともに急流で名高く、たびたび氾濫する暴れ川としても有名だった・・・

2020年7月4日、午前3時ごろ。

球磨川そばの特別養護老人ホーム『千寿園』で、夜勤の男性職員は一段とはげしくなった異常なほどの雨音に気づいた。

当時、65人がいた施設内は、断続的に停電がおきていた。

午前5時ごろ、間近をながれる球磨川を窓から見ると、どす黒く不気味にうねりをあげ、川は堤防ぎりぎりまで水かさが上がっていた。

「朝早いけど雨が危ないけん、起きよう。」

職員4人とともに入所者全員を起こし、2階に避難させていた。

男性が1階で車いすの2人に付き添ううちに、施設の入り口まで水が迫ってきていた。近くのテーブルの上に車いすを持ちあげ、急いで2人をのせた。

そのとき、窓ガラスが割れる音がしてくるぶし辺りだった水かさが一気にひざまで上がった。冷蔵庫や食器棚がゆっくりと押し流されていく。

電気が消えあたりが暗くなった。助けを求める声がする。

車いすが浮きはじめて必死で押さえて耐えるが、すぐにつめたい濁流は首のあたりまで上がってきた。完全に浮き上がって、くちびるが紫色になっている2人の脇をしっかりと抱える。

泥水を飲みながら耐えつづけたが、手がしびれだしちからが入らなくなった。

そして手は離れた。

「ごめんなさい、ごめんなさい。」

かれは、濁流にあえぎながらこころで謝りつづけたのだった。

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『無題2 2020.7.8』

参照・引用:2020年7月5日 毎日新聞 | 2020年7月6日、8日 朝日新聞
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2021年07月05日

文化庁の審査を待つ

文化庁の申請がどうなるかわからないけれど見切り発車でうごいています。

もしも補助金がでないと赤字になり、また借金が増えてしまう。

けれども師匠の借金やオリザさんの借金にくらべれば屁でもないぞ、このやろう・・・どうなっているのか気にはなるので、現状を文化庁のホームページで確かめてみたところ。

『審査状況についてのお知らせ』1次募集の審査状況についてお知らせいたします。申請件数:5,368件 交付決定件数:537件 不交付決定件数:352件 確認中:4,479件(2021年6月28日時点)

デュ社の申請は確認中なので4,479件のうちのひとつだな、気が遠くなる。

1199件のうち、547件が交付決定で352件が不交付ということは3割以上の確率で落とされているということか。なかなか厳しいぞ、これは。

この苦しい状況のなか、日本芸術文化振興会の補助金でつくった野外舞台で文化庁から援助をいただいて公演を連続してやる。

「文化芸術活動の持続可能性を強化する取組」だと聞いて申請したが、もしも通らないようならつづけるのはむずかしい。

日本の芸術支援はヨーロッパを手本にしていて、行政がひとや作品を審査して気に入ったものに金を出すという俗にいうパトロン的なシステム。

口は出さずに金だけ出すという真のパトロネージュならばかっこ良いが、最近は口は出すけど金は引っ込めるなんていうかっこ悪いこともおこっている。

もと文化庁の部長、寺脇研さんがもっと客観的な評価システムにしなければ。と言っていたが、書類上で個別の質を審査するいまの仕組みだと、誰かが中身の良し悪しを決めることになる。

すでに名のあるところが有利なのもあたりまえ。

作品の内容と関係なく書類の書き方が上手なものが気に入られて、助成されるという可笑しなこともおこる。ことばではなんとでも言える。なのであいちトリエンナーレのようなこともおこってしまう。

とかつべこべ言わずに、行政のお金に頼らずにどんどん公演をやれればいいのです。

けれどいまのご時世、そうもいかない。

それゆえの補助金申請だが、3割以上が審査でおとされる現状だと先行きが暗い。

とか暗くなるな、明るくいこう。

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『新潮社の新聞広告を模写』

参照:2021年6月30日 毎日新聞
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2021年07月06日

わたしは日本です

7月1日、人身売買と闘う“ヒーロー”として日本人の指宿昭一(いぶすきしょういち)弁護士が選ばれた。

指宿弁護士は日本で外国人労働者の権利保護に取り組んでいる。

スリランカ人女性が名古屋の入管で死亡した問題でも遺族の代理人をつとめた。

選出した米国務省は「日本の技能実習制度における強制労働の被害者を支援し、虐待を防止してきた」とその取り組みを評価した。

「日本の技能実習制度は、人身取引と中間搾取の温床になっている。この制度を数年以内に廃止に追い込み、外国人労働者が団結して権利を主張できる状況をつくりだす」と指宿弁護士は表彰式で訴えた。

技能実習生の問題は毎年、米国務省人身売買に関する年次報告書で指摘されつづけているが、今年もまた「国内外の業者が、技能実習制度において外国人労働者を搾取しつづけている」として日本政府の取り組みは不十分だとした。

強制労働と指摘されるほどにひどいのか。新聞で暗いきもちになる記事をよく読むので気にはなっていた。

同じ日、技能実習生の斡旋をおこなう最大の管理団体『アイム・ジャパン』に対し、特定の利益を供与していた疑いがあるとして、内閣府が原因究明や責任追及をするように勧告した。

アイム・ジャパンが内閣府に提出した調査報告書によると、前会長が知人の会社に備品などの物品を発注することを主導。

競争入札を原則とする内部規定に反しての契約だった。同社への支払額は9年間で計5億9千万円以上にのぼったという。

アイム・ジャパンは1991年に設立され、約6万人以上の実習生を斡旋してきた。

外国人の人身取引と中間搾取で利益をあげ、2019年の収益は39億4133万円。

“アイム・ジャパン”・・・名は体をあらわすというけれど、日本人として責任を感じます。

同じく1日、フランス検察が中国の新疆ウイグル自治区の強制労働問題をめぐり、ユニクロの現地法人に対して人道に対する罪に加担した疑いで捜査をはじめた。

安い労働力でより多く利益をあげたい。その考えはいまもむかしもおなじ。

じぶんも無関係ではなく、安価にものがすぐ手に入る便利なこの生活は誰かの犠牲によってつくられているのだと思ったのでした。

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『モシャカラノヘンカ』

参照・引用:2021年7月3日 朝日新聞 | アイム・ジャパンHP
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2021年07月07日

ことばと連想

今年3月に107歳で亡くなられた画家、篠田桃紅さんの最期の本が出版された。

装丁の絵とともに気になっていたら、新聞の書評に出てたのでことばをメモ。

“芸術なんていうのは全部無駄なこと”

師匠の麿赤兒は「大いなる無駄」という。あらゆる芸術は遊びのなかにある。遊びという無駄こそ、人間のこころを豊かにしてくれる。

”富士さんなど雪が降っているのを見ると、絵なんてものは、吹き飛ぶような存在”

石巻市でひらかれた『リボーンアート・ フェスティバル』へ講師として招かれていったときに見た、島袋道浩さんの『起こす』という作品を思い出した。

牡鹿半島の砂浜に木を立てる作品だったが、人間の手によって無数に立てられたいまにも倒れそうな弱々しい木とバックにひろがる雄大な太平洋の荒波とのコントラストが圧倒的だった。

人間の小賢しい作為など一瞬で呑み込んでしまう大自然の畏怖すべきちからを感じた。

“なにも描いていない状態が一番いい”

なにもやっていない状態が一番いい。おどろうとした瞬間に嘘くさくなってしまう。そこにただあるだけ。しかし、そうもいかないのでうごく理由をみつける。動機をひねりだす。手がかりはなんだっていい。

“人生は最初からおしまいまで孤独”

人間はひとりで生まれてひとりで亡くなる。

“人間は死ぬまで一生迷路に入っている”

たいせつなのは、その迷路をいかに過ごすかなのでしょう。

“幸福なんてものは主観なのだから心の持ちようで、なんでも受け入れるほうがほうがいい”

幸せかどうか決めるのは、いつでもじぶん。

“不幸だから芸術というものに、人は心を寄せざるを得ない”

麿さんは芸術ということばを嫌う。師匠は芸術家というよりも芸者と自称する。

そうして、どんなものにでもひとはこころの穴を埋めてもらえると思う。芸術は否定を芸能は肯定をする。

“世迷い言”

この世はゆめまぼろし。絶対はなくあらゆるものが朽ち果てなくなる。そのなかでもことばはいちばんはかない。

ことばがさいげんもなく拡散し かき消されていくまっただなかで 私たちがなおことばをもちつづけようと思うなら もはや沈黙によるしかないのだ

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『桃紅さんの本の装丁を真似してたらこうなった』

引用:篠田桃紅『これでおしまい』| 石原吉郎『失語と沈黙のあいだ』
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2021年07月08日

大相撲初日、2日目、3日目、4日目

大好きな大相撲の夏場所がはじまりました。

そろそろじぶんも本番が近づいてきたのでからだをつくりつつ、稽古をしながら観戦。

今場所は目玉がふたつで、まずはひとつめの目玉。大横綱、白鵬が力士人生を懸けて土俵にもどってきています。

36歳、ひざを手術して万全を期しての出場、伸び盛りの若い対戦力士との戦いはもちろん、年齢との闘いにもはいっている。連敗しても、もう休場はゆるされないので引退するしかない。

白鵬のすがたは、これで見納めかもしれない。

もうひとつの目玉。大関に復帰した照ノ富士は先場所優勝、今場所に綱取りを懸けます。

稀勢の里以来、4年ぶりの横綱誕生なるか。わくわく。

まずは照ノ富士、初日は先場所破れた遠藤を問題にせず勝利、2日目も新小結、若隆景を退けた。3日目、隆の勝にあざやかな“かいなひねり”で勝利。4日目は大栄翔に苦戦しつつ寄り切り。

やはり綱取りのプレッシャーがあるのか、先場所までの圧倒的な安定感がグラついている。綱取りを応援しているので、観ているこちらもヒヤヒヤするのです。

白鵬は初日、新小結、明生に辛くも勝利。解説の北の富士さんと舞の海さんが心配していた。2日目も実力者、遠藤になんとか勝利。3日目、大栄翔を豪快に投げ飛ばして勝利、だんだん安定してきたか。4日目は隆の勝に押し込まれたが辛くも勝利。

勝ち方を知っていると舞の海さんが言っていたが毎回、負けそうでまけない。そこがすごいところなのか。

4日目で、はやくも上位の連勝は白鵬と照ノ富士の2人になってしまった。

今場所も一瞬の立ち合いにいのちを懸ける力士たち。

あたまとあたまでぶつかって凄まじい音がする。張り手とか言いながらかんぜんに殴っていたりする。脳震盪で失神したり亡くなるひともいる危険な格闘技です。

2日目には十両の炎鵬があいて力士になんども殴られて脳震盪でとり直しできず不戦敗。

おなじく2日目、大関、貴景勝は200キロの巨漢、逸ノ城との立ち会いで歩けなくなり車椅子ではこばれていった。

彼はあたまでぶちかますので頸椎を痛めているそうです。

怖ろしい。

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『むかしの絵をすこしなおした』
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2021年07月09日

わくちんちんちん

みどり豊かでのどかな田舎、ここ淡路島五色町都志にいると都会での騒ぎはまったく関係なくてだんだんと忘れてしまいます。

マスクをしているひともあんまりいない。そもそもひとがいないのだものな。ウィルスとかワクチンとか気にすることなく生きていける。

そんななか夜にテレビをつけたら、NHKニュースに河野ワクチン担当大臣が出演しデマに惑わされずに若いひとにも接種して欲しいと呼びかけていた。

罹患して重症化するリスクの高い高齢者はワクチン接種するのは、理にかなっている。しかし重症化する可能性の少ない若者がワクチンを嫌がるのはしかたがない。注射って痛いものなあ。

いままででいちばん痛かった注射は生活に困窮して参加した治験の採血だった。ぶっとい注射針でなんどもなんども血をとられて最後のほうは「もうやめてくれ」ってな感じだった。

河野さんは、子どもたちに夏休みを利用して接種を進める考えも示していた。

けれども、河野さんも国も言っていますが、ワクチン接種は義務でも強制でもない。

娘に各種ワクチンを打たせるか打たせないかでは「真剣にかんがえて」と妻に怒られました。真剣にかんがえても接種するメリットとデメリットをくらべて判断しにくいことが多いが、今回は日本で確認された20歳未満の感染者で死亡例はないことが明らかになっている。

たいせつな子どもにまだまだ得体のしれない未知のワクチンを、危険を冒してまで打たせる必要性を感じない親御さんは多いでしょう。

せめて、治験が終わる2023年までは様子を見てもバチは当たらないと思います。

慎重になるのは決して悪いことではない。

7月5日、高知県南国市でファイザー社製のワクチン接種をうけた60代男性が会場で倒れ死亡。

市の発表によるとワクチン接種後の経過観察中にとつぜん倒れ、その場で救命処置がおこなわれたが搬送先の医療機関で死亡が確認された。ワクチン接種との因果関係は不明としている。

合掌。

高知県で接種後に死亡したかたは5人目。接種当日の死亡ははじめてのケースという。これまでの4人は、翌日もしくは数日後に死亡している。

ワクチン接種との因果関係は確認されていないそうです。

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『graffiti_2021_6_2』

参照:2020/09/18 日経メディカル『シリーズ◎新興感染症』|2021年7月5日 読売新聞オンライン | 2021年7月6日 朝日新聞
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2021年07月10日

本からまんが

遠藤周作さんの『侍』を読み終えたので、つぎはなにを読もう。

本もいいけれど、まんがはむずかしくないのでたまに読むとこころを癒される。

3週間まえの都志では何度目かの『へうげもの』をいっきに全巻読んでいた。なんど読んでも感じるところがあっておもしろい。

武将の古田織部が茶碗の創作をしていくものがたりだからか、おなじものを創る人間として歴史も立場もまったくちがうけれど刺激的なのです。

娘が読み終えたので都志に送っていた恩田陸さんの『木漏れ日に泳ぐ魚』と伊坂幸太郎さんの『陽気なギャング』シリーズに手をつけてみる。

しかしいまいちはいっていけないので、吉村昭さんの短編集『メロンと鳩』の表題作をよみはじめ読了。処刑間近の死刑囚のわかものと面接するおじさん委員のこころの交流やズレを描いた短編だった。

都志に来る前に韓国の『刑務所のルールブック』という連続ドラマにはまって観ていたが、刑務所のなかでは食がいちばんのたのしみになる。

吉村さんの小説の死刑囚もある日、メロンをしきりに食べたがる。間に合わなかったメロンは死刑執行後に棺のなかにいっしょに入れられる。飼いたいといってとくべつにあたえられ神とあがめていた鳩は死刑執行前に絞めころされる。

そこにどういう感情があったのかはくわしくは語られない。

まじめな感じになりすぎている気がして戌井君からいただいた作、久住昌之さんの『ひとり家飲み通い呑み』を読む。

中川いさみさんの『マンガ家再入門』も読んでみる。まんがは気軽に手にとってなんども読めるので昼寝時などに結構です。

マンガ家再入門は4コマギャグまんがの大家、中川さんが50歳をこえて長編まんがが描きたくなって挑戦しようといろんな知り合いのマンガ家や演出家、美術家に話しを聞くというまんが。

やはり創作にかかわることなので参考になったりするのです。

小林エリカさんの『光の子ども』も読む。キュリー夫妻がラジウムを発見するところから、フクシマにいたるまでの放射能や核分裂に関するお話し。

しかしそんないっけんむずかしそうなことを、オシャレな絵とデザインで時空を超えて見せてくれる。

たいへん刺激をうけるのです。

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『久住さんの挿画を模写して小林さん風にデザイン』
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2021年07月11日

あと1週間たらず

昨日は新月で、本番まであと6日。

湯山が入る予定だったが、13日に延期。

大丈夫なのか・・・おたがい百戦錬磨のプロなので大丈夫です。

湯山が来るまえに、まずはソロをつくって群舞をかんがえよう。ひさしぶりに映像に撮りながらすぐに観て、修正してまた撮影。おもしろいかたち、うごきになるようにおどりをつくっています。

おどりをつくるときはいつもそうですが、なぜこんなことをやるのか「それがどうした?」というツッコミが肝要です。

しかしあんまりそんなことばかりかんがえているとつまらないので、あんばいです。

前の日に、近所にある市役所へと宣伝のような挨拶のような曖昧な感じで訪問。

まずは、となりにある五色中央公民館へいって借りることができるか相談。夏合宿では野外舞台が日中は炎天下になるし、雨が降ったら使えないので、どこかを借りてそこでおどりの練習をしようとかんがえている。

営利目的では貸せませんと審査されることになって退散。

もう一度市役所へもどり3階にある立派なホールを借りられるか担当のかたに聞いてみる。9時から18時まで2750円と聞いてあまりの安さに度肝をぬかれる。これは1日借りて、いつでも練習できるのならば最高だぞ。

舞台をつかう場合は追加で3300円かかるが、それでも6050円だものな。

家に帰ってこれからもおつきあいができるといいなあ。と招待券を持っていく。帰宅してあらためて利用の手引きを見ていたら、使用時間に1時間の端数がでたときは・・・とか書いてあって、ん?

2750円と書いてある上に1時間当たりの使用料と記載してあって、そうだよなあ。

セゾン文化財団の森下スタジオじゃあるまいし、そんなに安いわけはない。森下スタジオは朝から晩まで借りても2500円なのです。

市民ではないと倍額だというので1時間1万2000円にもなる。貴族じゃあるまいし、そんなに高価な稽古場を借りてる場合ではない。

市や教育委員会の後援や協賛した公共団体だと8割引、市長さんがとくに必要だと認めてくれたら半額だとか。

この世は常に政治力とコネ、ため息がでた。

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『小林亜星さん』大阪市城東区、野口正也さん68歳無職の絵を模写
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2021年07月12日

バチバチ

大相撲場所中だからか、湯山から相撲まんががとどいた。

伝説の不良大関の不良息子が角界にはいって大活躍しながら成長していくお話し。

題して『バチバチ』

まんがを読んでいるとテレビに映る幕内力士というのは、とんでもない選ばれたエリートたちなのだと実感。そのなかでも横綱というのは人間で唯一、しめ縄をからだに巻くことを許された存在。ひとなのに神さま。

とか考えていて、こんどじぶんも舞台でからだにしめ縄を巻いてみようと思いつく。なんちゃって神さま。儀式とか祭りなんてもともとは誰かがはじめたもの。

相撲界には659人のお相撲さんがいて、そのうち関取と呼ばれる十両以上は70人、幕内はさらに減って42人。たいへんな世界です。

そんなきびしい世界のいちばん下、序の口の勝南桜が100連敗を記録。なんと2年半白星がないとか。いま23歳だそうですが・・・頑張ろう!

相撲界には3年先の稽古というのがあるらしいので、勝南桜も3年先ののための連敗だと考えればいいのかも。じぶんは3年先とか言ってられない年齢ですが。

そんな勝南桜からは、はるかはるか雲の上のお話しですが、おなじ土俵のこと。5日目にはやくも、幕内の勝ちっぱなしが横綱白鵬と大関照ノ富士だけになった。

もう優勝争いはふたりに絞られてきている。

ふたりともちから強い相撲で相手を退けている。ふたつの目玉がデカすぎて、ほかがかすんでしまいます。「まわりに奮起してもらいたけど奮起を期待するひともいなくなっちゃった。」と解説の元横綱北の富士さんも嘆いていたように、大関貴景勝と実力者遠藤が怪我で休場です。

貴景勝が休場してしまい、のこる大関のひとりとなった正代はなんと4敗「厳しさが足りない。勝ち負けに執着していない」と北の富士さん。

なんだか大関になってから暗くて窮屈そうだものなあ。立場がひとを育てるということもあるけれど、立場がプレッシャーになり荷が重いということもあるのでしょう。

きょうから中盤戦。そろそろ疲れがたまりはじめてくる頃。

歳を食っている白鵬のほうが分が悪くなってくる。

とか言ってるじぶんも本番間近、そろそろ相撲を気にしてる場合ではなくなってきた。

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『graffiti_2021_7_21』
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2021年07月13日

酒のせいにするな

4度目となる緊急事態宣言なるものが東京都に発令された。

宣言は、なんと8月22日まで。

過去最長となる44日間はどうやって決められたかというと、7月の4連休や夏休み、お盆といったひとのうごきが活発になる時期をカバーするためだとか・・・ん、五輪のために休日をうごかしてわざわざ連休にしたのではなかったか。

だいぶんまえに、公演をやろうと思っていた7月19日がいつのまにか休みではなくなっていてびっくりした。幸か不幸か、チラシに記載ミスで載せてなかったので結果オーライ、よかった。

東京オリンピックという巨大イベントの開催を強行する政府が、飲食店の営業制限や国民への行動自粛を呼びかけたところで矛盾しまくっているし、まったく説得力に欠けている。

作家、ジョージ・オーウェルが『1984年』で描いた、ふたつの矛盾した考えを国家が押しつけてくる二重思考、ダブルバインドです。

戦争は平和なり、自由は隷属なり、無知はちからなり、安全安心は五輪開催なり。

ちょっと仏教の考えかたと似ているところがある。色即是空、空即是色。即興の極意は100%の強調と100%の自由といわれるがそれとも類似してる。

真逆のことを言うところはおなじだが、押し付けられる考え方と自発的な考え方のちがいか。

夏の稼ぎどきの商売の方々は、ほんとうにもう存亡の危機、飲食業のひとたちもたまったもんじゃない。

学校の運動会や文化祭、地域のお祭りなんていう身近なイベントが中止や延期になるなか、五輪の特別扱いは目に余るものがある。到底納得いくものではない。ないうえに五輪で感染が拡大したら学校のイベントが中止になる可能性もあるそうです。

五輪を開催するための犠牲になる国民たち。

いっそのこと日本中のイベントをオリンピックと名付けてしまえばやれるのではというアイデアを聞いたが、それはちょっと嫌だな。

困ったなあ・・・

風邪やインフルエンザとおなじ5類にすればいろんなことが解決するという話しも聞くけれど、そうも簡単にはいかないようです。

やはり大騒ぎしすぎたのだろうなあ。

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今日から湯山が合流。ドイツにてパフォーマンス中。photo: schloss bröllin e.V. / Peter van Heesen

参照:2021年7月9日 朝日新聞
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2021年07月14日

断酒そして合宿

本番前なのにからだがいっこうに締まってこないので最後の手段。

4日間の断酒にはいっていました。

まいにち炭酸を飲んで気を紛らわせていた。

天賦典式、あるがままの精神でべつに太っていたって構わないのだけれど、やはりゆるんだからだでひとまえに立つのは恥ずかしい。2週間前から食事を制限しているが、いっこうにやせてこないのは消費カロリーを摂取カロリーがオーバーしているから。

抑えても抜いても、オフしてもカットしてもオーバーしてくるカロリーなり。まだまだ食べ過ぎているのだな。

朝飯は醤油番茶とリンゴジュースとプラムが2個。昼は玄米を120グラムと炭水化物を控えていたがさらに半分の60グラムに控えて、夜はサラダ中心の食事へと入ります。食べたいものがたべられないのはほんとうにつらいです。

さらに大好きなお酒を断つのもほんとうにつらい。けれど、甘いからだでひとまえに立つことをかんがえると、じぶんに厳しくもなれるというもの。

こんなときは戌井君にいただいた、久住昌之さんの『ひとり家飲み通い呑み』を読むにかぎる。

久住さんが家でいろんな食べものとお酒をあわせる絵と文の本で、酒を抜いているときに読むと楽しいのです。チャーハンで焼酎ロック、カツオで日本酒、トンカツでビール、宅配ピザでコークハイ、etc...etc...

読んで飲んで食べている気になるのです。

あとはラズウェル細木さんの『酒のほそ道』をしらふで寝るときに読みます。主人公の岩間宗達が春夏秋冬、お酒を楽しみ尽くし呑兵衛のかぎりを尽くすまんがで、酒を抜いているときに読むには絶好のなぐさめなのです。

夜は酒を飲まずに、ソロの稽古をひとりつづけていた。

カロリーを控えるのも大事だが、やはりカロリーを消費することもたいせつなので、とにかくからだをうごかします。そのあとは炭酸を飲みながらいろいろとかんがえていた。

そうして昨日から飲兵衛の湯山大一郎との合宿がはじまった。

いよいよ、おまつりのはじまりなので酒を抜くなんてケチくさいことはいたしません。おまつりではお酒をいただいてどんどん神さまへと近づいていくのです。

ざんねんながら、食事の節制は本番直前までつづきます。

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『岩間宗達』
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2021年07月15日

あららららら

なんと緊急事態宣言がでてしまったオリンピック。

無観客が決定。

スポンサーも自粛が続々、経済的にも大打撃。たいへんだなあ・・・

今回の五輪は、もめごとが続きにつづき、まったく上手くことが運んでいないのです。東京電力福島第一原発の汚染水について「アンダーコントロール、管理下にある」そう安倍さんが胸を張って獲得したオリンピック。ほんとうは汚染水問題は管理下にあるどころかまったく解決できていない。

まずは出発点に嘘、偽りがあった。

「被災地を元気に、ニッポンを元気に」復興五輪なんていうスローガンは欺瞞に満ちていたが、そのスローガンはいつのまにか消滅。

新国立競技場の設計問題。

国際的なコンクールで決定した案を覆すという、前代未聞の巨大スタジアム設計の白紙撤回。

ゴタゴタゴタゴタやった挙句に、ザハさんからクマさんへと設計者が変わった。この白紙撤回の騒動でなんと69億円が消えた。なにをやってるんだろうなあ。

五輪選出にかかわる賄賂問題の発覚。

1票10万ドルで20票が集められ、成功報酬は約2億3千万円。新聞でも連日報じられていたけれど、スッキリとしないうちにいつの間にかうやむやなまま闇に葬られた。

オリンピックの公式エンブレムの盗用問題。

佐野研二郎氏のデザインした公式エンブレムが、ベルギーの劇場のロゴに酷似していて訴えられた。ほかにも盗用や無断使用が発覚。結局、組織委員会はエンブレム使用の中止を決めた。

東京の海が汚いからとセーリングの会場が神奈川へ変更、東京の夏が暑いからとマラソンと競歩の会場が札幌へ変更、大会委員長の差別発言辞任に開会式ディレクターの差別発言辞任・・・

そうして史上はじめての会期延期。

中止はいままでに何回もあったけれど、五輪憲章を改正してまでの特例延期。延期するよりも中止にしたほうが経済的な損失は少ないという意見は完全に黙殺。

国の威信をかけたオリンピック・・・「もっと速く、もっと高く、もっと頑張れ、もっと!!」

速くなくていい、遅くてもいいじゃないか。高くなくていい、低くてもいいじゃないか、頑張らなくてもいいじゃないか。

そう公言する舞踏とは正反対の価値を訴える五輪なので、やってもやらなくてもどっちでもいい。

しかし、ここまで騒がれると気になって、この大騒動を興味深くながめているのです。

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誘致時の予算7000億円。とんでもない額ですが、それがなんと1兆6440億円に達していた・・・か、かねかねかね、金じゃー。

参照:2015年04月11日 神奈川新聞 | 2016年8月27日 産経ニュース | 2019年1月15日 AERA | 2019年11月1日 読売新聞 | 2019年11月18日 共同通信社 | 2020年2月20日 週刊新潮 | 2020年3月28日 朝日新聞 | Wikipedia | Google
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2021年07月16日

はじまった

今日からお祭りのはじまりです。

まずは湯山大一郎が合流。

飲兵衛で飲む量が多くて飲むスピードが速いので、気をつけないとこちらも飲み過ぎてしまう。

若い頃は飲み比べて勝ったりしていたが、もう無理です。からだの大きさも違うしなにより年齢がちがう。むこうは10歳以上若い。とか言いながらここ数日、やはり引っ張られて飲み過ぎている。気をつけよう。

舞台でおどりを軽く合わせて群舞もつくっていく。大駱駝艦にいたころから一緒にやっているので話しははやい。

つぎに舞台監督の脇田友君、通称ワッキーが合流。

ワッキーは31歳と若くて、フットワークも軽くよく働くのでこころづよい。なによりまじめなのがいいのです。スタッフがまじめだとこちらはこころおきなく、ふまじめになれる。

まじめだけれど遊び好きで、キャンプ用のコーヒーセットをわざわざ持ってきている。「海で飲もうと思ってるんです。」と言っていた。おなじくコーヒー通の湯山とコーヒー談義で盛り上がっていた。

そのいっぽうで作業用の靴を忘れてきたりと、すこしゆるいところもいいのです。あんまりにもきちっとし過ぎていると窮屈だもんな。

買ったはいいけれどまったく使い方がわからなくて絶望的になっていたアメリカ製の照明機器について、よく知っていていきなり大きく助けられる。

山中材木店から木材が届いたので、うしろの見切れ隠し用の壁をつくってみんなで立てる。重たくてたいへんなり。楽屋まえの通路にも見切れ隠し用の黒幕を吊るして、だんだんと本番体制にはいっていく。

暗くなってきたら照明のチェック。ワッキーにスポットライトをもって照らしてもらう。いい感じ。

そうして夜に音楽担当の築山建一郎が合流。

時間が遅いので機材のセットやサウンドチェックは次の日にして、頼んでおいた新鮮なお造りをいただいて乾杯。

今日は夜19時開演、明日土曜は15時から、日曜は14時から。

どうぞ、よろしくおねがいします。

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舞台監督:脇田友。デザインをやったり絵を描いたりと多彩。
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2021年07月17日

千の太陽よりもあかるく_2021

1945年、7月はじめに大日本帝国の敗戦は決定的になっていた。

それでも負けを認めなかったのは、戦後に天皇制が護られることが保証されていないためだった。

日本の指導部が敗北を認めないあいだにニューメキシコの砂漠では、アメリカの原爆開発計画がいよいよ佳境に入っていた。

7月16日、最終実験の日。

原子力爆弾がウインチで慎重にゆっくりと引き上げられていく。そして地上30メートルの高さにある塔の所定の位置にセッティングされた。

実験予定時刻の7時間前、ニューメキシコ・ロスアラモスの天候は荒れていた。稲光が不気味に光り霧雨が降っていて原爆開発計画の責任者、ロバート・オッペンハイマーと軍の最高責任者、レスリー・グローヴスは話し合いをつづけた。

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Leslie Richard Groves & Julius Robert Oppenheimer

オッペンハイマーはやせた先鋭的なインテリ知識人、グローヴスは太って保守的で粗野で知性のかけらもなかった。このあらゆる面において対照的な二人は、ふしぎな相乗効果で原爆開発を推し進めていた。

決行か、延期か・・・

夜明けまであと3時間、爆発実験を正確に観測するには暗いうちに実験を行わなければならない。二人は嵐がおさまることを祈り、5時半まで待つことにした。

午前4時半「雨が止み雲も切れ徐々に散りつつある」

報告書がオッペンハイマーに提出され実験は、午前5時半におこなうと決定が下された。

午前5時10分「予定時刻20分前」

砂漠の拡声器から声が鳴り響き、つづいて秒読みがはじまった。秒読みがつづき警報のサイレンが基地に鳴り響く。物理学者や軍人たちはそれぞれ近くの塹壕のなかに身を伏せた。

「1分前・・・50秒前・・・」

45秒前、自動制御装置のスイッチが入れられた。

10秒前、最後のスイッチが入れられた。

「10、9、8、7・・・」

基地中の誰もが固唾を飲む中、秒読み係が声を限りに叫んだ。

「ゼロ!」

次の瞬間「千の太陽を集めた」と表現される核爆発が起こった。

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トリニティ実験の爆発直後の火の玉。爆発から0,016秒後、火球は200メートル幅に及んだ。地平線に沿った黒点は木々である。photo by Berlyn Brixner. 

「音もなく太陽が輝いた・・・電離した空気が発光して息を飲む光景だった。」オットー・フリッシュ(物理学者)

「まだ夜中なのに・・・朝が来たようだった。」フィル・モリソン(物理学者)

完全な静寂がずっとつづいたあとに凄まじい爆発音がやってきた。残響は長いこと鳴り響きつづけた。あるものは泣き、ほとんどの者は無言だった。その時、オッペンハイマーのあたまにバガヴァード・ギーターの一節がよぎった。

「われは“死”なり。世界の破壊者なり」

「あの時の気持ちはことばではとても言いあらわせない。いまでもそのショックが残っている。恐ろしくて不吉で、こころの底まで凍りつくようだった。」イザドア・ラビ(物理学者)

人類はとうとうパンドラの匣を開け、人為的にはコントロールが難しい未知のパワーを解き放つことに成功したのだった。

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Jack W. Aeby, July 16, 1945, This image comes from the Google.

参照・引用:『ヒロシマを壊滅させた男オッペンハイマー』ピーター・グッドチャイルド著 池澤夏樹訳 白水社
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2021年07月18日

日本への無差別無警告での原爆実戦投下決定

1945年7月16日、22億ドルをかけてアメリカ軍の威信をかけておこなわれた、原子爆弾の開発は成功した。

7月21日、実験大成功のニュースの全容をまとめたグローヴスの最終報告書が、ポツダムにいるトルーマン大統領に届けられた。

トルーマンは、同盟国イギリスのチャーチル首相にそのことを伝えた。

それは戦後の世界の覇権交渉のカードとして、非常に大きな意味を持つものだった。思案の末、7月24日の本会議のあとに「桁違いの破壊力を持つ新型兵器を手にした」ことをスターリンに何気なく伝えた。

「それは素晴らしい。日本に対して有効に使うことを希望する。」

スターリンの反応は素っ気なかった。

スターリンは諜報員から、アメリカの原子力爆弾の開発について報告を受けていた。そしてソビエト連邦は、2年前から核兵器の開発を独自に進めていたのだった。

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談笑するスターリン、トルーマン、チャーチル。日本の運命は三人が握っていた。

いっぽう良識ある科学者、レオ・シラードは早々と原爆開発から離脱し独自に原爆の実戦使用に対する反対活動をしていたが、ことごとくグローヴスに揉み消されていた。

7月はじめにシカゴの科学者67人が署名した嘆願書が作成された。日本にあらかじめ警告を発してそれでも降伏を拒否した場合以外は、原爆を使用しないようにトルーマンへと強く要請する内容だった。

しかしグローヴスの巧みな策略によって、嘆願書がトルーマンの目に止まることはなかった。

1.原爆は日本に対して使用する。
2.攻撃目標は民間の居住区域に囲まれた軍事施設とする。
3.原爆は予告なしに使用する。

以上、3点が暫定委員会にて決定した。

いまだに議論の余地がある、無差別無警告での原爆実戦投下の瞬間が刻一刻と迫っていた。大日本帝国の穏健派の軍人が密かに和平工作をしていたが、うまく進んでいなかった。やはり国体の保護という条件が問題だった。

穏健派が和平の仲介役として泣きついたソ連は、戦後の利権争いを見込んで太平洋戦争への参入をすでに決めていたので要請を無視していた。

ニューメキシコ・ロスアラモスのアラモゴート砂漠での爆発実験成功のあと科学者たちは、新型爆弾の総仕上げをするため太平洋のテニアン基地へと続々と出発。

レオ・シラードとアインシュタインがヒットラーの核開発の脅威から連合国を守るために、ルーズベルト大統領に提案してはじまった米国の原爆開発。

ナチスドイツが降伏をしたいま。

紆余曲折を経て極東の島国、日本に実戦投下されることが動かさざることとなったのだった。

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爆発実験後、調査をする関係者たち。中央帽子の人物がオッペンハイマー、右隣がグローヴス。

参照・引用:Wikipedia | Google |『ヒロシマを壊滅させた男オッペンハイマー』ピーター・グッドチャイルド著 池澤夏樹訳 白水社. 
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2021年07月19日

おわった

顔見せ公演がおわりました。

初日は、夜公演。

本番前に土砂降りになり、いろいろと雨養生をする。

お客さんはひとりもいなかったが、駆けつけてくれた演出助手の辻崎智哉とほとけさまに観せている塩梅で本気でおどる。

ソロを終えて楽屋に戻りひといきついて、湯山のおどりでも観るかと楽屋からでたらおとなりの岩本さんが二階から観ていてどうも。袖から顔が黒でからだは金色という湯山の奇妙奇天烈なすがたを観ていると、なんだか事件が起きている感じがして気分が盛り上がる。

「これからここからなにかがはじまる。」そんな予感とともに初日終了。夜遅くまで初日乾杯はつづいた。

2日目は昼公演、かんかん照りだったら舞台面がめちゃくちゃ熱くなって立っていられないような状態になるので気が重い。しかし開演前に曇りはじめてよかった。夜もいいけれど、昼はまたちがった雰囲気でおもしろかった。

お客さんは1人。淡路舞踏社はじめての収入で、ありがとうございます。

公演後は片付けていたテレビを出して大相撲観戦。白鵬、照ノ富士とも両者譲らず、最終日の全勝対決となった。楽しみだぞ。

3日目も昼公演、やはりぴーかんだったら嫌だなあ。今日はお客さんが10人以上はいるので席を工夫してつくっていると、雨が降りはじめる。野外はこれがあるのでたいへんなのです。

「本番中に雨がふったらどうします。」と舞台監督のワッキーに聞かれるけれど想像がつかない。降ったら降ったでそのとき考える臨機応変でいこう。

心配だったかんかん照りにはならず、雨も降らずにちょうどいい天気。こんかいは天気にめぐまれた。大自然にだいぶん手加減をしてもらった感じで、つぎはこうはいかないかもしれない。

夜は雨が降り嵐、昼はぴーかん。どうなるか人間にはどうにもできない自然のちから。ときにはひとのいのちまで奪う無慈悲で容赦してくれない大自然のちからなのです。

結局、いろいろと宣伝したけれど都志のひとはあまり来てくれなかった。

しかし、わざわざ大阪や神戸からお客さんが来てくれて嬉しかった。

おなじ兵庫県だけれど来るのに2時間かかる川西から、両親と妹とその旦那さんと甥っ子も駆けつけてくれて、ありがとう。

貴重な感想も言ってくれて、これからの参考にします。

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ご来場のみなさま、そして楽屋見舞、お祝い、ご祝儀、寸志、まことにありがとうございました。photo by bozzo
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2021年07月20日

まつりのおわり

顔見せ公演がおわってしまった。

誰もいなくなった淡路舞踏社に、まつりのあとの寂寥感がただよいます。

まずは音楽を担当してくれた築山建一郎と舞台監督、脇田友ことワッキーが日曜日の本番後に帰っていった。

建一郎には、こんかいも気持ちよくおどらせてもらった。ワッキーは、よく働いてくれてたすかった。

次の日に演出助手の辻崎智哉が帰っていった。いろいろとたすかった。

今日は湯山大一郎が帰京。最近まいにち鴨川でバットの素振りをしてるとかで、上半身の筋肉が発達してきていてからだを観ているだけでおもしろかった。連日、そのからだを金色に輝かせて迫力のあるおどりを観せていた。

へとへとに疲れている感じだったが、合宿中の飲み疲れもあるな。湯山ももう41歳、むかしのように無理はきかない。おどりてきにも、はやくイキのいい若者を入れないとたいへんだぞ。

じぶんは明日、喧騒の東京へと移動。つぎの日に熱海で巻上公一さんと合宿稽古です。こんど巻上さんとやると言ったら建一郎が目を輝かせていた。

胸を借りるつもりもあるが、それ以上に一緒にやれることが嬉しい。

たのしみです。

そうして大相撲もおわってしまった。

結果はなんと白鵬の全勝優勝。36歳、異常な勝利への執念を燃やし、まだやれると世間をねじ伏せた。

しかし14日目の奇襲作戦は「弱いものがやることで横綱のやることではない」と元横綱の八角理事長に非難され「13日間積み上げてきたものがぶち壊しになった」と元横綱の芝田山親方にも言われてしまった。

元横綱の北の富士さんはコラムで14日目の相撲について「いままでは白鵬の理解者と自負してきたが、この日を限りでやめることにした」と書き「愛想が尽きた。44回も優勝してもまだあのような汚い手段で優勝したいのか。」と怒っていた。

15日目の照ノ富士との全勝対決ではフェイントから全力でのエルボーを喰らわせて勝利。解説の北の富士さんは「えげつない」と絶句していた。

反則だと非難されようが、世界を敵にまわそうが、どんなことをしてでも勝つ。

命懸けの勝負とはそういうもの。

ほかの力士に足りないのは、その勝利への異常なこだわりにほかならないのかもしれない。

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『ゲネプロにて』photo by bozzo
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2021年07月21日

海水浴場閉鎖、東京へ移動

梅雨があけました。

昨日は、天気がいいので湯山が帰ったあと海に泳ぎにGO.

入り口に看板が立っていて海水浴場を閉鎖すると書いてあってショック。

海水浴場でうつったひとがいるのか。ほんとうになにをやってるのだろうなあ。東京ではオリンピックなる一大イベントをやっているのに、なんでやねん。まったく納得がいかない、不服です。

関係なく泳いだが、見張りがいるので落ち着かない。いちおう看板で書いたから無視して泳いでうつったらじぶんの責任やし、それでええやん。

今日は東京へと移動です。

10時過ぎのバスに乗るので、朝からいろいろと片付けたり掃除したりをつづけます。

冷蔵庫のなかにけっこう食材が残っているので消費します。しかし食べきれずにコンビニに捨てにいこうと新聞紙に残飯をぶちまけて、持ち上げたら破れて床に大散乱してピンチ。

あと10分しかないぞ。大慌てで片付けて拭いて袋にぶち込んで、2階に上がり荷物を持って降りたら、チラシが500枚も入ってるので重たくてびっくり。

戸締りをして電気のブレーカーを落としてガスの元栓を締めて水道の元栓を閉めて自転車を軒下にいれてドアに鍵をしめて、荷物を持ってダッシュ。

バス停の時計をみたら10時を過ぎていて間に合うか。たしか16分発のバスだったか、ハアハアゼエゼエ言いながら汗だくで走ります。

ズボンがズレて脱げそうになってきてなんでやねん。

コンビニについて大急ぎで伝票を書き殴り荷物を出して時計を見たら、まだ10分になってなくて間に合った。

ヘトヘトクタクタになりながらバス停にいって時刻表をみたら12分発だったのであぶねえ。新幹線の時間がきまっている“ぷらっとこだま”なので、乗り過ごしたら一巻の終わりだった。

バスに乗って一路海沿いを走ります。途中の海水浴場はやっていて、幸せのパンケーキは長蛇の列・・・

「客を入れよう。なにかあれば、すべてじぶんが責任を取る。」

そんなリーダーが少ないから、こんなチグハグしたことになっているのだろうなあ。

師、麿赤兒の言うようにやめてしまうのは簡単。

でもそれじゃあつまらない。なのです。

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『まずは顔見世昼公演』photo by bozzo
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2021年07月22日

移動途中に夢想する

淡路島から東京への移動のつづきです。

海沿いの道をキラキラとひかる美しい播磨灘を眺めながら走ります。

北淡インターチェンジから山の中をしばらく走ったら明石大橋にはいる。

淡路島の緑と神戸の灰色のコントラストがあいかわらず、海をはさんで対峙する絶景をながめる。橋を渡りながら緑の淡路島から一歩も出ずに生きることを夢想する。

湯山は若いひとには無理ですよと言う。親友の立ち呑み屋のやっちんにも都会ではなかったら出会えなかったと言う。

けれども立ち呑み屋のような場所が淡路島にあれば、出会いもまたあるのではないのか。

セツモードセミナーや大駱駝艦にも都会ではないと出会えなかったのか。そういう学校やグループを淡路島につくればいいのではないのか。

じじつ平田オリザさんは東京から豊岡へと移住してグループも引っ越しして、さらに豊岡に芸術大学をつくったりしている。そこで湯山やじぶんと同じように若者たちの一生の出会いが生まれる。

素晴らしいことです。

むずかしいのはあたりまえ、わかっている。ゆっくりとできることからはじめよう。つぎに淡路島に戻ってくるのは8月合宿のとき。どうなるか不安なこともあるが、とにかく楽しむぞ。

なにかあればじぶんがやめればいい。

新大阪駅で昼飯を買います。都志で汗だくダッシュしたので、のどが乾いていてバスのなかからビールを飲むぞと決めていた。まずは551の蓬莱でギョーザを購入。

あともうすこしなにかとウロウロしてたら、通天閣の串カツ屋というのがあったのでこれだ。

店のなかで飲むことも考えたが時間が微妙なので缶ビールを購入。もう一本なにかと物色したら箕面ビールの瓶が売ってたのでこれだ。ピルスナーを購入してさて車内へ。

新幹線こだま号に乗ったら、ガラガラの車内のじぶんの席の隣だけに男のひとが座っていてギョッとする。

「これは混んでるのかな」と話しかけたら「そうみたいですねえ」と答えられてほんまかいな。「飲む気満々でいろいろ買ってきたんですけど」と言うたら「どうぞ飲んでください」と答えられるけれどギョーザは食べにくいなあ。

じぶんが窓側なのでトイレもいけないのでたいへん。

まあしかし、ちょっとのがまんです。

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『築山志帆さん、差し入れをありがとう』photo by bozzo
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2021年07月23日

熱海で途中下車

新幹線こだま号のなかはガラガラなのにじぶんのとなりだけにひとがいる。

ぷらっとこだまという安いチケットなのでそんな理不尽なことがおこる。

コンピューターにみごとな嫌がらせのプログラミングがしてあるのか。

車内にてギョーザで一杯と思っていたが、匂いがするので串カツだけにしてぬるいビールで1人乾杯。各駅停車なのでひとはぱらぱらと乗ってくるけれど、やはり車内はすいていて、なんやねん。

となりに気を使いながら一度も立ち上がることなく、うとうとしたりしていたら「つぎは熱海」とアナウンスがながれる。

ぼんやりそれを聞いていたら「熱海ってそういえば明日稽古をするところではなかったか」と思いつく。

一度帰ってまたあした来るのか・・・いまから品川までいって乗り換えて満員の山手線に乗り換えて新宿で満員の電車に乗り換えてと考えるとうんざりもする。

熱海で降りるというアイデアが最前に思えて来る。

「まもなく熱海、熱海」とアナウンスが鳴り響く。のろのろと準備をして、停車したので忘れ物はないか確認し思い切って下車。

待合室でパソコンをひらいて、歩きたくないのでいちばん近くて安いホテルを予約。

改札で切符を入れたらピンポンピンポン鳴って嫌な予感、駅員がチケットを確認。「あーこれはぷらっとこだまなのでここでは降りれません」と宣告をうける。

途中下車できないチケットでなんと熱海で降りるならば、新大阪から熱海までの料金をさらに払わねばならないとか。しばらく悩むがもう降りる気満々。金は天下のまわりもの。もったいないけれど、寄付したとおもってたまにはええやん。

熱海の商店街を抜けたところにホテルはあって気分が盛り上がって来る。

部屋から妻に電話したら「こっちはカツカツ赤字でやってるのに」と文句を言われる。風呂に入りながら「品川までいき、そこから熱海まで戻れば4分の1の値段ですんだ」と思いついたがあとのまつり。

そもそも途中で降りることをあらかじめ決めていれば良かったのにと猛省する。

しかし一刻もはやく帰宅して家族の顔をみたい。

そんな気持ちがあって考えもしなかったのでした。

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『またのご来場、こころよりお待ちしております』photo by bozzo
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2021年07月24日

五輪開幕、湯河原へ

オリンピックがはじまりました。

前日に開会式演出家が解任されるという衝撃の幕開け。

関係なくテレビは連日の放送で盛り上げていくようです。

いっぽううつったひとが東京で新たに1979人いうて新聞の片隅にのっていた。

そんで、また医療逼迫いうてちいさく騒ぎはじめている。しかし騒いでも緊急事態宣言なるものはすでに出てるしどうしようもない。五輪が中止されたら衝撃的に効果がありそうだけども、それはないでしょう。

風邪やインフルエンザとおなじ5類にせずにとくべつな感染症扱いみたくして、通常の病院で診れなくしてしまったのがいまの大混乱の原因とか。

そう考えると五輪のひどいありさまとおなじで、国の失政のせいでこうなっているのだと怒りが湧いてきます。

ほんとうに困ったなあ。

とか熱海のホテルのロビーで新聞を読みながら考える。考えたところでどうしようもないので気分を変えよう。熱海は観光客で賑わっていた。ホテルは満室だとかでチェックアウトの延長がきかなかった。

そろそろ待ち合わせ時間なので、芸術監督の田上さんとの待ち合わせ場所の湯河原駅へ移動。

湯河原駅前も観光客がたくさんいた。みなさんマスクをして気をつけているし、これでうつるひとがでても気にせず大騒ぎせずにいきたいところです。

若いカップルが送迎バスにどんどん乗り込んで、うらやましかった。

オリンピックのせいで都内の道が異常に混んでいて国が連休にしたので熱海のトンネルが凄まじく混んでいたとかで、大幅に遅れて田上さんが怒りながら到着。

売れっ子演出家の乗っているのはどんなクルマだろうと思っていたら、真っ白なマツダのSUV。「子どもが3人いるので」と言っていていいね。

遠路長旅、そして渋滞、お疲れさまです。

さあ、巻上さんのお宅へレッツゴー。

今日は小手調べ、朝から渋滞運転で疲れているだろうし少しやったら終わりにしましょう。

明日、しっかりやれば大丈夫。明後日帰京して明々後日、本番がおこなわれるキラリふじみにて顔合わせ。

8月4日に劇場で稽古してと、まださきは長いのです。

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湯山が東京にいるらしい。photo by bozzo
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2021年07月25日

けいこざんまい

伊豆湯河原合宿初日。

まずは巻上さんのスタジオへお邪魔して稽古。

国道沿いの普通の民家だったので、尋ねたら生まれ育った実家だった。その家の地下をスタジオにしていて、大人の隠れ家という塩梅。

見たこともない楽器や貴重そうな映像、良質な古本屋かとおもうぐらいに興味深い大量の本に大量のLPがところ狭しと並んでいて見ていて飽きなかった。

予定よりもだいぶん遅れているし、スタジオはおどれるようなスペースもないので打ち合わせ重視。演出の田上君と巻上さんで内容を詰めていきます。しかし雑談好きなのですぐに脱線。

いまは面白すぎて、ツイッターでオリンピック情報をずーっと見ているとか。

こちらは追いかけるほどには気にしてないけれど、辞任した音楽家のウラ話しなど聞いていちいちうなります。

打ち合わせ後はどこかで食事でもと誘われたが、チェックインもあるし辞退してゲストハウスへと向かう。

今夜泊まるのはドミトリーなのでイビキをかいたら申し訳ない。忘れずにマスクをして寝よう。スーパーとコンビニでいろいろと買い込んで温泉に入ってから乾杯。

田上君が聞き上手でむかしのことを喋っていたが、過去の話題ではなく未来の話しをしようとこんどの公演のことを話す。

合宿2日目、朝から温泉に入って目を覚ます。

10時からリハーサルなので、それまでに『ブログ?』をアップ。リハーサル場所は広くてあたらしい公民館、ほとんど使ってないらしくてもったいない。

具体的に音のことをきめたらとにかくやってみよう。巻上さんの音でおどっていると楽しくてニヤニヤしてしまう。

昼ごはんは、巻上さんが子どもの頃からいってるという住宅街のなかのラーメン屋へ。

のれんがズタズタに破れていて大丈夫か。なかに入ったら人形のようなおじいさんと宮崎アニメに出てきそうな声をしたおばあさんの2人でやっていて、とてつもなくいい雰囲気。冷やし中華が美味かった。

午後は2回通し稽古をしていい感じ。誉め上手の田上君にいろいろアドバイスをもらいながら気持ちよくおどる。

夜は巻上さんちで開会式を拝見。

しょぼくれた雰囲気のなか森山未來君が、がんばっていた。

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『テルミンを演奏する巻上さん』
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2021年07月26日

帰京、顔合わせ

東京に戻ってきました。

渋滞を避けるために朝8時に湯河原のゲストハウスを出発。

しかし心配していた渋滞はなく快走。車内で先日のお返しとばかりに田上君の生い立ちに迫ります。

鹿児島出身で高校まではハンドボールに熱中。ハンドボールで大学へと進学することも考えたが、スポーツをつづけることのむずかしさにも気づいていた。桜美林大学へとすすんで演劇を専攻。

教室へいったら青白い若者ばかりで「たいしたジャンプも出来なさそうなやつらだなあ。」と思っていたとか。

じつは演劇専攻はできたばかりで、全国高校演劇の猛者が集まっていたそうだが、そのときはそんなことは知らなかった・・・

昼まえに東京に到着。田上さん、ありがとうございました。

自宅にて約1ヶ月ぶりにくつろいだ。

今回、伊豆湯河原での合宿は、8月21日22日におこなう公演のためでした。会場である富士見市民文化会館キラリ☆ふじみの芸術監督、田上豊さん立ち会い、演出のもとでの2泊3日の合宿だった。

おこなわれるのはホルストの楽曲『惑星』をもとにした開館20周年記念公演で、じぶんと音楽の巻上公一さんは水星パートを担当します。

帰京した次の日はキラリふじみでのぜんたい顔合わせ。13時からなので『ブログ?』をアップしたあと昼まえに家を出発。

電車のなかで新聞を読んだら、ほぼ五輪の話題でしめられていた。「はじまったら選手を応援するつもりです。」と湯山も言っていたが、そのとおり選手にはなんの罪もない。

前の日にウェイトリフティングの47キロ級を観たが、気合い凄まじく重力と闘う選手たちに感動。

小動物みたいなのにちから持ちという違和感がステキな三宅宏美選手の最期の試合を偶然拝見、ちょっとジーンとした。

じぶんのことしか考えないIOCや政治利用しようとしたりするものや、利権に群がる広告代理店や人材派遣会社に罪があるのです。

とか考えながら最寄りの駅から劇場に到着、顔合わせ開始。

「宇宙を思い、時間を測る」という今回、テキストを書いた永山智行さんの真摯な発言を聞いて、ことばのちからを実感。

そうして「やはり音楽って良いなあ。」と深くこうべを垂れてしまったのでした。

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『モガ惑星』
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2021年07月27日

治験中のワクチン接種後の死亡者について

ワクチン接種後に亡くなったかたが、751人になったと厚生労働省ホームページで発表されました。

2021年2月17日から7月11日までに報告された死亡事例は計667件。

それに加えて7月12日から16日までに、死亡として報告された事例が84件あったそうです。

妻に伝えたら「若いひとも亡くなってる?」と聞かれたので、厚労省のサイトで確認してみる。26歳女性が3月19日にワクチン接種して3月23日にくも膜下出血で亡くなっている。合掌。

37歳男性が4月5日に接種、8日に心肺停止で死亡。46歳男性が3月19日に接種、20日に急性大動脈解離により死亡。55歳男性が4月19日に接種、20日に急性心筋梗塞にて死亡。

44歳女性が4月21日に接種、25日にくも膜下出血にて死亡。40歳女性が接種時期不明で4月26日に心肺停止にて死亡。26歳男性が4月28日に接種、5月3日に心肺停止で死亡。

51歳女性が4月23日に接種、5月7日に心筋梗塞にて死亡。41歳女性が4月20日に接種、5月11日に脳梗塞にて死亡。47歳女性が4月27日に接種、5月2日に肺塞栓にて死亡。

48歳女性が5月19日に接種、27日にくも膜下出血にて死亡。31歳男性が5月19日に接種、29日に心室細動にて死亡。34歳男性が5月21日に接種、29日に急性心不全にて死亡。

28歳男性が6月4日に接種、8日急性心不全にて死亡。43歳女性が6月8日に接種、19日に心臓死。

22歳男性が6月16日に接種、19日に突然死。23歳女性が6月30日に接種、7月7日に不整脈の疑いにて死亡・・・いずれも因果関係は不明または評価不能。

合掌。

高齢者のかたが優先してワクチン接種しているので、やはり圧倒的に60歳以上のひとの死亡がおおかった。

751人のひとりひとりに家族がいて人生があった。猫を飼っていたかもしれない。とか想像するとどうにもやりきれない。

マスメディアで唯一、取り上げている週刊誌が『死んだ751人の日本人 ワクチン後にやってしまったこと』とまるで自己責任のように扱っているのも腑に落ちない。

「治験中のワクチンの安全性について触れるメディアが、ひとつもないのは何故だろう?」とふかい疑問を感じるのでした。

追記:2021年12月3日、厚生労働省の発表でワクチン接種後に亡くなったかたは1387人となりました。合掌。

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『graffiti2021727』

参照・引用:厚生労働省HP『新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要』(コミナティ筋注、ファイザー株式会社) (モデルナ筋注、武田薬品工業株式会社)
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 11:41| ブログ?

2021年07月28日

政治に必要なのはことばと想像力とほんの少しのお金

総選挙がちかいですが、選挙について母がつくった本があります。

『主婦の手づくり選挙入門』です。

1999年、兵庫県川西市議会で贈収賄事件がおこった。

それに憤慨した女性たちが立ち上がる。政治経験などない主婦たちが先導して立候補をたてて選挙に打って出ようと言うのです。その先頭に立っていたのがうちの母親でした。

先頭に立っていたけれど立候補しない。じぶんが立候補するために選挙をするというのが嫌だったようです。代わりにしっかりと任せられるかたを選んで口説き落として候補者にする。

そのかたも選挙を闘うのには積極的だったが、候補者になるというのは嫌がる。

わたしがわたしがというのが嫌な奥ゆかしいひとびと。いつまでも後進に道をゆずらない男性老人が取りしきるいまの日本政界ではありえない話しです。

本のタイトルにもあるように主婦たちが手づくりで選挙を闘うので、失敗ばかりでハラハラドキドキ手に汗します。それでもなんとか闘い抜き、みごと2人の候補を当選させて市議会に送り込むのでした。

それから約20年、いま川西市は兵庫県のなかでいちばん女性議員が多いそうです。母親たちが撒いた種がしっかりと根付いて、大きくなっています。

日本全国へと視野を広げると衆院議員で女性のしめる割合は10%程度、中央政界でも現内閣が発足したときの閣僚20人のうち女性は2人だけだった。

政治の主な仕事は税金の使い道を決めること。おじいさんたちがじぶんやじぶんのお友達のために貴重な税金を浪費しています。そんなひとたちに任せておいていいのか。

選挙はそんなにお金のかかるものではありません。本の中にも書いてありますが、1番お金がかかるのは街宣カー。

あんなうるさいだけで逆効果なものはやめてしまえばいい。そんなことより政策を詳しく書いたチラシを作って、各家庭へと配ったほうがいいのです。

世の女性たちよ。

わたしたちの税金の使い道をわたしたちで決めてわたしたちのために使えるように、いまこそ立ち上がろうではありませんか。

しかし、いっぽうで女性候補や女性議員へのハラスメントもおおきな問題になっている。

いつの時代にも足を引っ張ろうとする人間はいるのです。

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主婦たちが手づくりでさまざまな失敗をしながら困難を乗り越えていく姿が、読みものとしておもしろい。絶版。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 15:07| ブログ?

2021年07月29日

ぶとうに会ってはぶとうを殺す

舞踏というマイナーなものをなりわいにしようと悪戦苦闘しています。

“ぶとう”は、1959年に日本で生まれた。

生まれてから、まだ60年しか経っていない。

能が猿楽として歴史にあらわれてから約1,000年。歌舞伎のパイオニア、出雲阿国が四条河原でおどりはじめてから約400年。それらと比べると、まだまだ生まれたての赤ん坊のようなもの。

知的で不良の雰囲気をまとう前衛芸術は、感覚の鋭敏なわかものたちや知識人たちに熱狂的にうけ容れられた。からだひとつで時代の先端を孤高にきりひらく。時代のエッジのうえをソロリソロリと喧嘩を売りながら歩いていく。

じぶんの全存在をかけて、この世のすべてを背負ったように立ち尽くす。肉体をまるでもののように、舞台のうえに放り投げだし晒していく。

ゆっくりとゆっくりとうごく。低く低くと地を這うようにをどる。

愚行、蛮行あたりまえ。でたらめに、てきとうに、いいかげんにをどる。

ひとの前でおもしろくあるためにどうすればいいか・・・からだを白くしたり黒くしたり金色にしたり銀色にしたりする。

白目をむいてよだれを垂らしてからだをいびつに歪めてねじ曲げて引きつらせてみる。

先駆者たちが試行錯誤し切磋琢磨し牽引した舞踏。

けれども日本ではどんどん色褪せて古臭いイメージがべったりと貼りついてしまい、いつのまにか忘れられてしまう。

「からだを白くして白目をむいてよだれ垂らすやつでショー、チョーキモーい」

日本国内ではチョーマイナーだが、世界へと目を向けると大げさではなく「"BUTOH"にこそ舞台芸術の未来がある」とばかりに若い芸術家がワークショップに殺到する。

海外の先鋭的なクリエイターも常に注目をしている。それはなぜか?時代のアンチの気分というか、反逆精神がアッピールするのだ。

まずは疑うという魂。こんな時代でいいのか?オリンピックなんてやってる場合か?ほんとうか?本当にそうか?

常に疑い、舞踏そのものも疑う。

「舞踏を忘れろ」は大先輩、室伏鴻の口癖だった。疑い忘れてしまうぐらいのほうが、おもしろいをどりが踊れる。

舞踏からはなれれば、はなれるほどおもしろくなる不思議なのです。

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『舞踏?』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 18:15| ブログ?

2021年07月30日

みんなで遊びましょう

野球がどうも男女差別撤廃の方向へとすすんでいるようです。

いま教育テレビでやっている野球アニメも男女混合でおこなわれている。

小学生、中学生までは混合でやっているところもあるとか。

高校から男女差別がはじまります。日本高校野球連盟のルールで男子しか出場できないと差別しているのです。選手ではなくマネージャーでも女性は甲子園のグラウンドに立ってはいけないなんていう暗黙のルールもある。

いまは、高校野球部にもマネージャーではなく選手として入部する女子がいるが、ルールにより試合にでることはできない。

どんなに速い球を投げようがホームランを連発しようが、女性というだけで試合には出場できないのです。

現在は信じられないけれど50年前まで、大リーグでは黒人と白人を差別して別々のリーグをつくりプレイしていた。

そんな野球は耳の聞こえないひとも一緒に遊べるように、いちはやくジェスチャーを取り入れている。審判がストライク、ボール、アウト、セーフとジェスチャーするのは、耳の聞こえない選手がいたからなのです。

子どもの頃に右腕のないアボット選手が投手として、大リーグで活躍しているのを観て感動していた。

「自分が障がい者だと思ったことはない。子どものとき、自分に野球を教えようとして庭に連れ出した父こそ勇気のある人間だ。」とアボット選手は語る。

耳の聞こえないひとも腕のないひとも一緒に遊んでいるスポーツ、野球。

いまは両足のないレスリングのHasaan Hawthorne選手も活躍している。卓球、ポーランド代表のナタリア・パルティカ選手は右腕が先天的にないハンディをもっているけれど、オリンピックに出場していた。

パラリンピックの走り幅跳びのチャンピオン、マルクス・レームもオリンピックに出たいと頑張っている。器具の付いていないほうの足で飛ぶのは条件だろうけれど、参加を認めるのはなんの問題もないとじぶんは思います。

性別で差別していた日本の高校野球が信じられない時代。

そしてオリンピックとパラリンピックをわざわざ分けていたのも考えられないときが、いつかくるのでしょう。

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湯山が軟球の素晴らしさを力説してた。
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 13:49| ブログ?

2021年07月31日

8月のあしおと

1945年7月、広島は大きな空襲もなく穏やかな日常が流れていた。

全国的に梅雨がながびき肌寒い日がつづいている。広島市横町の『丸佐呉服店』では閉店の準備がちゃくちゃくと進んでいてキダニシンイチは、残務整理や片付けをつづけている。

丸佐呉服店は、淡路島の五色町都志出身であるシンイチの兄、キダニジツヘイが立ち上げた呉服屋で、往時は数十人の丁稚や番頭が働く大店であった。

ジツヘイは大阪、北海道、広島に店を出して大成功していた。全国を忙しく飛びまわるジツヘイに代わって広島の店はシンイチに任せられている。

しかし戦争で規模がどんどん縮小し、とうとう広島の店も閉めることになった。物資が極度に不足し呉服など着るひとは、もう軍部のお偉いさんの奥方などしかいない。

広島の店も開店休業のような状態がずっとつづいている。

家族はすこし前に、シンイチの故郷である淡路島へと疎開をした。広島駅で別れを惜しんだが、店の片付けが終われば彼も家族の待つ淡路へと帰れるのだ。

鬱陶しい雨が降りつづきやりきれない気持ちになるが、家族のことを思うと少し気分が晴れた。

ここ広島は七つの川が豊かに流れる城下町で、いまは軍都として人が沢山働いている。物がなく貧しい毎日だが空襲がない広島では、それ以外は戦前とあまり変わらない日常が流れている。

ふと、戦時中だということを忘れてしまうような瞬間もあった。

しかし市内では労働力の不足を補うために全国から学徒の動員がつづいていた。これによって8月6日に約7200人の学生たちが犠牲になるのだった。

日本軍は本土および本土近海にて制空権・制海権をうしない、日本近海に迫るようになった連合軍艦艇に対して特攻機による攻撃が残された手段となっている。

同じ頃、太平洋のテニアン島のハゴイ基地では科学者たちが原子力爆弾“リトルボーイ”が、サンフランシスコから船で到着するのをいまかいまかと待っている。

いっぽうポツダムでは米英支三国共同宣言の用意がすすみ、日本への無条件降伏の勧告と天皇制を戦後利用できるかの議論がつづいていた。

運命の歯車はゆっくりとうごきつづけていたのだった。

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『燃える』

参照:バイオウェザーサービス『異常気象を追う』| ヒロシマ平和メディアセンター『学徒動員』| Wikipedia.
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 10:35| ブログ?