川西からの移動日。
三宮から高速バスにのって30分。
明石大橋を渡りながら、だんだんと見慣れてきた灰色の神戸とみどり豊かな淡路島のコントラストをながめる。
山の中の高速道路を抜けると約1ヶ月ぶりの播磨灘が見えてくる。夕焼けにひかるどこまでもおだやかな海を見ながら「帰ってきたのだなあ」としみじみと思う。
途中にある『幸せのパンケーキ』は相変わらず繁盛していて、さらに店が増えていた。巨大な資本のちからを実感。
小綺麗なカフェに都志の舞台に張ろうと思っている、イメージ通りのタープが張ってあったりするので参考にする。
イタリア料理の『ガープコスタ』あたりもどんどん店が増えている。オシャレでインスタ映えする施設ではないといまは繁盛しない感じ。たしかにくたびれて色褪せた施設では若者が夢を感じないのも事実。
とか考えながら右側に流れていく海を眺める。
なんでもいいからどんどん栄えて都志のほうまで来てくれたらいいなあ。しかしガープコスタのつぎのバス停あたりからさびれてくる。時代から取り残されていく地方の実態が広がっている。
とか思っていると真っ白な新築の家があらわれたりして嬉しくなる。
椰子の木が林立する海沿いのホテルもできていたりして、いま淡路島に注目が集まっているという話しを思い出す。
とかとか考えていたらつぎは最寄りの五色バスセンター。
岬をいくつかめぐったら遠くに白い風車が見えてきて降りる準備をはじめる。最後の岬を越えたら風車がだんだん大きく近くなってくる。
ご先祖さまが眠る墓地を通ったらもうすぐ。夕焼けに小豆島と四国が水墨画のように、うすく輪郭を浮き上がらせている。
バス停に着いたらちょうど夕方5時、サイレンが盛大に鳴っていた。
季節はもう晩秋、すこし肌寒いぐらい。ドアの鍵を開けるとかび臭いような独特の匂いが出迎えてくれる。
「ただいま帰りました。」
庭の柿がほとんど落ちていて残念。