痛ましい大津の事故からもうすぐ3年、池袋暴走事故からも3年・・・
東京では人間よりも車が最優先です。
「車を運転しているときに横断歩道を渡ろうとしているひとがいますが、停車するべきか・・・」交通ルールでは「停車する」が正解。
しかし東京にいて横断歩道で車が止まるなんて、まずありえない。たまに止まってくれたりしたら挨拶してから、珍しいので「どんなかただろう」と顔が見たくなる。
これは地域によって違うようで、長野県では横断歩道にひとがいたら止まるのが常識で停車する運転手はなんと、68.6%。100年かけておこなっている教育の賜物だそうです。子どもの頃からそういう教育をしている。
いっぽう東京で停車する運転手は6%・・・1割以下。
子どもたちに「車の往来がなくなるのを待ってから横断歩道を渡りましょう」と東京では教える。そんな教育を受けていたら大人になって車を運転するときに、ひとがいたら向こうが止まるべきと思うのは当たりまえ。
大人たちがつくり出してしまった車優先の考えかた。
1990年代に車社会化が一気に進んだ。
郊外にアメリカ型の巨大モールができ、みんなが車でそこへ大挙して行くようになり地元の商店街は閉店が相次ぎとうとうシャッター街になってしまった。
歩いて買い物に行ける店はなくなり、高齢化社会になったいまはそのつけが回ってきている。淡路島の洲本も都志もおなじ状態。
車優先は高度経済成長時代だったからこそ、低成長で人口が減少しているいまは違ってきていて速く早くと先を急いだ時代は終わりを告げて、人間を優先する時代が幕を開けている。
車優先の社会を見直す大きな転換期にきているのです。
車が入り込めない人間優先区域をつくる。そこではみんなが安心して買い物や散歩を楽しめる。人間優先の社会とはひとが安心して歩くことができる社会。
子どもは人類の未来、流通のスピードよりも掛けがえがない最優先で守るべきいのち。
子どもが手をあげて命懸けで横断歩道を渡らなければならない。
そんな社会であってはならないのです。
『模写2021.4.18』
参照:2020年2月11日 朝日新聞 2020年2月12日 毎日新聞