2018年05月27日

中野新橋

合宿でラクダカンのメンバーとますます親交を深めたわたくしは、中野新橋の事務所にも出入りするようになった。

当時、稽古場は板橋にあったが事務所は中野新橋にあって車で30分ぐらいかかって結構不便だった。

後年、麿さんも「あの頃は、面倒臭かったなあ」と振り返ってつぶやいてるのを聞いたことがある。

事務所の一階の居間には真っ先に仲良くなった同期の大友透と先輩の星野建一郎が居候しててよく夜、一緒にお酒を飲んだ。

いろんな話しをしたな・・・

星野の名言に「沈黙がうるさい。」というのがあるのだけど、頭でっかちで理屈っぽいあの頃の俺に腹を立ててたんだろう。

透の名言には「むかいさん、遊びだよ遊び。」というのがある。

これは『海印の馬』という大駱駝艦不朽の大名作のダンスマスターを任された時に、気負って真面目に稽古をしようとするわたくしに向けて放った言葉。

「はっ」と我に帰るように心に響いた。

いまだに座右の銘のように大切にしている。

「クソ真面目なんてクソ。」は、尊敬するマルセル・デュシャンの言葉。

「真面目は禁物。」は横尾忠則さんの言葉だが同じように心を遊ばせるための気構え、創作の極意を述べているのだと思う。

ちなみに透の口癖に「適当だよ、適当。」というのもあって人生適当に生きろという透の人生哲学が込められてる。

大袈裟ではなくて、いまの世界に必要な考え方だと思う。適当で好い加減に生きろ人生。

そういえば、透の奥さんの美波里ちゃんは大駱駝艦の元ダンサーだった。

彼女が京都の曼殊院にてラクダカンが『盤船伽藍』というどでかい野外劇場で1ヶ月公演をやってるのを観に行った時のこと。

楽屋のテントから垣間見えるラクダカンのメンバーたちの死んだ魚のような目を見て「かっこいい〜!!」としびれて入団したという不思議な女性で、透とはいいコンビ。

それはさておき。

帰るのが面倒くさくなると事務所に泊まり、2階に住んでいる麿さんと朝飯を食べるのが緊張するんだけどいい経験だった。

一階の隣が事務所になってて、いまは大森南朋の事務所にいる南場さんも出勤して来て一緒に朝飯を食べてた。

テレビがついてて誰も一言も喋らないのだけど、たまに麿さんが昔のことなんかを話すのが興味深かった。

色んな面白い話しを聞いたなあ。思い出したら『ブログ?』に書こう。

そうそう、若衆公演。

合宿から帰ってきて稽古が進んでいった。

はじめてからまだ一年も経ってないのに、見様見真似でよくやってたな。良く稽古してたと思う。歳は下なんだけども先輩という奴らに囲まれて。

負けられないという思いもあった。遅れを挽回したいと死に物狂いで稽古してた。貪欲だったと思う。

作品が出来て行くという過程も、もの凄く面白かった。

いままでの絵画という2次元の世界と違って立体的に立ちあらわれてくる3次元の世界。しかもそこに時間というもうひとつの次元も加わって。

全方位で体感する醒めて観る夢“舞台”。

「究極の表現方法を我得たり!!」

あの頃の自分は、まだそこまで気付いてなかったけれど。

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「何もかも蹴り飛ばせ!!」by 大友透
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 06:30| ブログ?