初めて読んだ本は何だったんだろう。
覚えているのは、小学校2年の時に読んだ『巌窟王』。復讐劇にワクワクと胸躍らせて一気に読み終えた。
そこから決して熱心ではない読書遍歴が始まった。
小学、中学の時は少年少女文庫の江戸川乱歩やコナン・ドイル、ジュール・ベルヌ。
しかしもっぱら小説よりも漫画。『トイレット博士』に『がきデカ』『マカロニほうれん荘』etc...
高校からは、学校をサボって毎日の映画遍歴が始まって本をほとんど読まなくなった。
東京に出て来てからは、ちくま文庫の古典や名作を熱心に一通り読んで。何故だろうか。知識欲に目覚めたのか。
セツモードセミナーで先輩が絵のタイトルにしていて『裸のランチ』を知って。そこからウィリアム・バロウズにはまって。
ビートを知って、ギンズバーグも読むようになって、さかのぼってジュネも読んで。同じ同性愛者で犯罪者でもバロウズの方がDRYな感じが好みだった。
そこから澁澤さんを知って舞踏へと入って行く。
らくだに入ってからは、知性が必要不可欠だと暇があると本を読んで濫読がはじまる。
村松卓矢というライバルの読書家がいたこともあるけれど、全ては作品づくりの為でもあるのだった。
いま読んでいるのは、イギリス湖水地方の羊飼いのお話。遠い異国の牧歌的な時代と現代の羊飼いの現実に思いを馳せる。