2018年09月28日

既にそこにある

1996年、この頃から作品づくりのアイデアを考えはじめている。そのほとんどは、どこかで見たことのあるものだったり、何かの影響を受けているものだったりするのだけど、チラホラと「ん、これは。」とページをめくる手が止まるアイデアが書きつけてあったりする。

いまはもうあまりやらなくなったけれど、大駱駝艦にいる頃は新しい作品に着手するときは、まずはこの日記というかノートというか雑記帳のようなものを一番最初から読み直してみる。ということをやっていた。

そうすると「とーん。」といいアイデアが見つかったりする。『底抜けマンダラ』のソロは書きつけてあった夢の絵からつくったもの。らくだから独立して一発目の『アホとロマンの皮袋』というタイトルもこの読み返しによって発見してつけたものだった。

アイデアを得るのに良い場所として、3上を欧陽脩(中国「宋」の時代の詩人・文学者)があげています。

馬上(ばじょう):馬の背に乗りながらの状態。枕上(ちんじょう):枕の上→朝起きる前の状態。厠上(しじょう):トイレの中。乗り物の中で思いつくというのはよくあるな。トイレの中もまあまああるか。寝起きも…あるか。「はっ。」として飛び起きるみたいな。

いつもやっている閃きを得る方法。まずは色んなことを見て聞いて読んで話して書きとめてイメージや言葉を収集していき、自分の中に溜めていく。アイデアや着想や閃きのための種を自分の中に植え付ける。バラバラに散らかっていればいるほど良い。

次にアイデアを咀嚼し噛みしめる。血として肉としてだんだんと脈動しはじめる。世界観やイメージや物語、内容がおぼろげながら見えはじめて来る。でも決めつけ思い込みには十分に気をつけろ。それは作品を小さくまとめてしまうから。

そして、それらのアイデア、着想を忘れてしまう。自分の中で発酵させ、熟成させるために。種がかえり芽が出て育っていくような段階。セミの幼虫が土から出て木に登りさなぎへと変化していくドロドロの混沌。幹を育て枝葉を生い茂らせ欝蒼となっていく。でも自分はそれをすっかり忘れている。

そして出来れば稽古 in の前に、

"Eureka!!"

閃けば最高。しかしなかなかそうはいかのきんたまだから、稽古に入ってから閃きの連続でも良い。だんだんと具体化し具現化して、新しいアイデアやイメージを実現させて作品を面白くするべく全力を尽くす。

試行錯誤に自問自答、トライアンドエラーを繰り返していよいよ本番。作品を世に解き放つ。

既にそこにあるアイデア。外へと出て着想を得るのもあるけれど、実は既に自分の中にあったりする。全ては、それを思い出す作業だったりするのかもしれない。

aidea.jpg
越後妻有用のアイデアスケッチ。残念ながら落とされた。
posted by Mukai Kumotaro at 19:19| 日記