2019年01月05日

絵を描くな

よく軽々しく演出とか口にする人がいますがわかっていなかったりするので、気をつけましょうましょう。

演出とは構成を考えることではありません。それは構成という別の仕事です。構成作家という人がいるぐらいですから。

演出という仕事は、一見格好いい。兄弟子、村松曰く社会的にとても信用のある仕事です。不動産屋で演出家だといったらすぐに信用してもらえたらしいです。

舞踏家と名乗ったら「はあ?」と言われて相手にしてもらえない。そんな理由で俺も演出家と一時期、身の程知らずにも名乗ってたことがあります。お恥ずかしい。

演出家ってのは大変な仕事。演出だけに特化して食べていくなんて並大抵ではありません。

舞踏作品は、ダンスと同じで演出と振付が混じり合っている。チラシなどにはわけて書きますが、言うことはほぼ同じだったりします。

言葉ではなくて、振付で作品が構成されて進んでいくからこういうことが起きるのですね。

しかし若い頃は演出ということがなんだかよくわからなくて、猛勉強しました。

作品を観て「こうなって欲しい。」という思いと気持ちとアイデアが出てきたら、それは演出の範疇なのだとわかってきたのは30歳過ぎてぐらいか。

作品を面白くするためのアイデアを考えるひと。

稽古をしながら「オープニングで雪が降ってたら面白いな。」とか、「あれっ、舞台が回ったら面白いのじゃないか。そんで舞台終わるまでずーっと回ってるとかな。」もっと面白くならないか?と寝ても覚めても考えている人。

作・構成・振付・演出・美術・主演とすべて同じ人だったりするのは、俺はワンマン過ぎて恥ずかしい。新しい血を注入して世界を広げて遊びたいと思っています。

ところでナルシストと、ユーモアは相入れない。と最近思います。舞踏は自己愛を許しません。

舞踏の祖・土方巽も、はしたないからやめろと言っています。でもわかっていない人は自分に酔ってしまう。

さて。

どう踊るかはどうでもいいのです。問題は何を踊るか。

これは絵も同じで、どう描くかなんてまったく問題ではない。何を描くか。

人前で絵を描くから絵を描く稽古をする。要らない。

人の振り見て我が振り直せ。人前で踊るからと踊りを踊る稽古を昔はしてた。どう見られるか。なんていう余計なことを考えていた。

「踊ろうとしてはいけない。」これはいつも言われることですが、同じように絵を描こうとしてはいけないのだと思います。

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壺中天で行ったライブペインティング『遊機体』。この時は麿さんの演出で「絵をかけ。」言うてたけど、禅問答では逆に「絵を描くな。」photo by Junichi Matsuda
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 05:51| 日記