2020年07月27日

帰りたい、帰れない

家のことや庭のことが気にかかるので、そろそろ都志へと帰ろうか。

そんなふうに考えていたらワイフに猛反対されました。

「いまではない。やめとき。」いやでも庭の雑草が・・・「そんなんなんとでもなるやろ。」

いやでも自分の家やから・・・「絶対にやめとき。病原菌撒き散らして、迷惑やで。おじいちゃんおばあちゃんにうつしたらどうすんの?」

いや誰とも喋らんしマスクして、アルコールで消毒してどこにも触らんかったら大丈夫やろ。

「おるだけでうつるねんで。そうじゃなかったらこんだけ感染者がふえるわけないやろ、アホちゃう。なんでわからんねんやろ、はあ。」

「くそーーー!」

娘が上手に仲裁に入ってくれてありがとう。

とにかくじふんの家にかえりたい。願いはただそれだけなのだけど、叶わない。

状況がどうしても許さない。悔しい、残念、無念、どうしようもない気持ちを抱えて生きていくしかないのか・・・

アウシュビッツに入れられてじぶんの家に帰れなかったひとたちや、福島のじぶんの家にかえれないひとたちもこんな気持ちなんだろうか・・・もっと切実か。

仕方なく諦めて、こころだけでも家に帰ることにします。

品川から新幹線で約2時間半、車内はまあまあの混み具合。新神戸から神戸三宮まで地下鉄ですぐ。

三宮からは高速バスで約1時間半。バスに乗ったらほっとひと息、ぼんやり外を眺めます。

神戸から明石大橋を渡ると、とたんに緑が豊かになって風景がいっぺんします。橋の下を船がゆっくりとすべっていく。

淡路島に入ったら海沿いの道を走ります。懐かしい瀬戸内海、播磨灘のどこまでも穏やかでキラキラと輝く美しい海。そして青い空。雲はひくく走っていく。

岬をいくつか通り過ぎて風車が見えてきたら、もうすぐ都志です。

バス停から歩いて3分、久しぶりに見る二階建てのぼろ家が見えてきます。

雑草の生えまくっている玄関いりぐちを見ながらスロープを上がります。「一刻も早く雑草を抜かねばな。綺麗好きだった祖母が悲しんでいるぞ。」

玄関のドアを開けると、家のすこしかび臭いような懐かしい匂いで帰ってきたのだな。と実感する。「ただいま帰りました。」

電気のブレーカーをあげると、止まっていた家の中の時間がうごきはじめます。

家中の雨戸をあけると家の中が深呼吸をはじめる。どんどん家の中の空気が入れ替わっていくのがわかる。

庭へでると蜘蛛の巣に何度も引っかかり「すまんなあ」こころで謝ります。せっかく苦心してつくった蜘蛛の巣を破壊して申し訳ない気持ちになる。

いちめん雑草がおいしげっていて気が遠くなる。でも除草剤という猛毒をつかって虐殺するようなことはしません。すべて手で引っこ抜きます。

プルーンがなっていたので早速もいで頂きます。

さあ、では玄関前の雑草から抜くとするか・・・

offbeat.jpg
『模写をアレンジ 2020.7.28』
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 14:53| ブログ?