家に劇場をつくる。
そんな夢のようなことを言いつづけていたら現実となりそうです。
国の援助をうけて庭に野外劇場をつくるのです。
「芸術の火を消すな」「こんなときだからこそ」と文化庁が、がんばって予算をとってくれてまったく仕事のなくなってしまっている日本中の芸術家たちの仕事をつくりだし、活動を補助してくれます。
ありがたいことです。
舞踏家集団『デュ社』は淡路島の本社庭に感染症対策バッチリの稽古場兼劇場をつくる事業で申請をしていました。
2月のあたまから事業開始なのでそろそろ移動の準備をしています。都志にはコンビニとお店が数軒しかなくて手に入るものがかぎられているので、できるかぎり東京で買い物をして送ります。
とか思っていましたが緊急事態宣言延長ということで移動をすこし延期します。
しかし、こんなときだからこそかならずやる。師匠やこんにゃく座を見習うのです。リスクを負うのを怖れていては何もできない。
安全と危険がフィフティーフィフティーじゃないと冒険ではないそうです。冒険好きのじぶんとしては興味深いですが、では現在危険は何%あるのだろう?
東京にいてうつる可能性は?移動してうつる可能性は?もし万が一罹患して、そこから重症化して死にいたる可能性は?交通事故にあう可能性は?必要以上に怖れていないか?そもそも危険などあるのか?
数%しかないリスクを怖れて、のこりのほとんどを犠牲にしていないか?
売れっ子の芸人さんやタレントさんが、どんどんなったかたが出てきてうれしい限りです。もうリスクとかマスクとか気にしなくていいのでうらやましい。
力士も半分ぐらいが感染済みのようで、今年中に力士全員がなってしてしまえば関係なく稽古がたくさんできるので良かった。
アメリカのある州ではすでに、3人に1人が罹患済みで集団免疫を獲得しつつあるとか。
延期になった鉄割アルバトロスケット公演も秋にはやれるでしょう。
いまは、なにをやるにも向かい風。
しかし明けない夜はない、とけない雪はないと生きていくのです。
遠田誠氏とニューヨークにて。2013年のちょうどいまごろだった。Erin Baiano for The New York Times.