舞台作業がはじまってからは、時間がないので朝のごんぎょうはおやすみしています。
新聞を読まなくて、テレビを観なくて、ネットの情報もまったく見ない。
世の中でなにが起こっているのか知りません。けれどもそれでいい。身の回りに起こること、それがすべてであり、それが大切。
どこか遠くの世界で起こっていること、東京で起こっていること、メディアのなかで騒いでいること。すべてが地つづきであって無関係ではないことは知りつつ、じぶんのいまに集中するのです。
いまやるべきことは、淡路の舞台の基礎をどんどんつくること。
軌道にのって落ち着いてきて余裕が出てきたので、作業は湯山に任せてブッ散らかっていた居間をきれいに掃除したら気持ちがいい。
今回“マルノコ"という大工道具を使いますが、若い頃に事故の現場に居合わせたことがあって、いまだにトラウマになっている。
舞台が終わって片付けをしてるときに、やってはいけないことをやって大事故につながった。怖ろしいけれど説明書のとおりに使えば大丈夫、と使うまえによーく説明書を読みます。
『警告』と『注意』と『注』があって警告は「誤った取り扱いをしたときに、使用者が死亡または重症を負う可能性が想定される内容のご注意。」
注意はそこまでではない説明だが「状況によっては重大な結果に結びつく可能性があります。いずれも安全に関する重要な内容を記載していますので、必ず守ってください。」いうて書いてあって了解です。
気合いを入れて真剣に説明書を読みます。
警告の第1番目に「作業場は整理整頓せよ。」と書いてあって、なるほどと思った。あの若いときの大事故も本番終了後にいろんなひとがよってたかってめちゃめちゃにバラしをしていたから起こったのだな。と納得。
たしかに現場は竹や木材が乱雑に山積みになって混沌としていた。
そのほかにも読み込んでいったらあたりまえのことばかりが書いてあって、こころが落ち着いてきてよし。ひさしぶりにマルノコを使ってみたが、恐怖心がみるみるなくなってマルノコと仲良くなれた気がした。
そして、昨日でとりあえず作業は終了。
今日は音楽家の築山建一郎と奥さまの志帆がきて、明日のトライアル公演の準備に入るのです。
といってもまだ舞台はできていないので、制作過程を記録する。
どうなるかわからないけれど、決めつけずにドキュメンタリータッチでいこう。
貴久君の正確な縄張りと丁寧な墨出しのおかげでどんどんすすんでいる基礎作業。