本日、新聞はおやすみ。
毎日、まいにち、嘘にごまかしに隠蔽に汚職に賄賂・・・そんなニュースばかりで新聞を読むと嫌になってくる。
ほんとうに人間の悪いおこないはいっこうになくならない。
官公庁や大企業による組織的な不正や不祥事があかるみに出るたびに知識人のあいだで引きあいに出てくるのがアドルフ・アイヒマン。
ドイツ国家をいつのまにか独裁して隣接する国を侵略しまくったナチスのなかでもヒトラー親衛隊中佐という幹部の役目をつとめていた。
そしてナチスドイツ帝国によるユダヤ人大量虐殺においてリーダー的な役割をはたした人物。
終戦後の1961年にイスラエルのエルサレムでひらかれた裁判でアイヒマンは、ホロコーストの罪を一貫して否認する。
「上から命じられてやっただけ」という言いわけこそを政治学者で思想家のハンナ・アーレントは『悪の凡庸』ということばで表現した。
平凡な人間が職務に忠実であるがために巨大な悪の加担者になってしまう可能性。
彼を突きうごかしたのはユダヤ人への憎悪というよりも仕事で実績を上げて注目を浴びたいという自己顕示欲や出世欲であったという。