2022年03月30日

喪失と再生のものがたり

今日はやすみにして都志ではできないことをしよう。

と、村上春樹さん原作の『ドライブ・マイ・カー』を観にいく。

いろんな賞を受賞していて各新聞が褒めちぎっている。どんな作品かじぶんの目で観てじぶんのこころで確かめるのです。

上映前にながれたソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ主演の『ひまわり』の予告が強烈で本編がはじまってからもしばらく引きずる。

ロシアの戦争のお話しであり有名な満開のひまわりのシーンはウクライナで撮影されたとかで予告編なのに感動して涙がでそうになる。

観たことがないので「いまこそ観るべき映画かもしれない」とか考える。

ドライブ・マイ・カーは序盤、「原作が村上さんで劇中劇がベケットにチェーホフってそれはずるいだろう」とか思う。

「よくてあたりまえの名作からことばをもってきているのだものな」とちょっといじわるな観かたをする。しかし映画も舞台とおんなじでなんでもあり、それでいい。

手話でキャストとして参加している耳の聞こえないひとのエピソードがとっても優しくてこころが洗われジーンとする。"ことばなんていつでもつたわらない”と手で話していて「そうだよな」と思う。

後半、広島から北海道へと車で移動しはじめロードムービーの様相を帯びてきて俄然かっこよくなる。

音が徹頭徹尾、丁寧につくられていて感心する。とか偉そうですみません。いちおうじぶんもつくり手なのでそんなことを感じたりする。

クライマックスで亡くなった妻のことを主人公が話している相当にシリアスなシーンを観ながら、じぶんに置き換えて想像してみたらどうしても喜劇になってしまうので可笑しくなる。

うしろで鼻をすすっているひとがいるのにちょっと笑えてきてごめんなさい。

細部までこだわり抜いた映画だった。

そして、いいものをつくりたいというつくり手の気合いがひしひしと伝わってきた。

「喪失と再生の物語り」と宣伝されているが、ふかく納得して帰宅したのでした。

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ライブペインティング中の廣海充南子さんを応援する向雲太郎 photo by Shiho
posted by Mukai Kumotaro & Duex Shrine at 11:53| ブログ?